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(O22) 中国製EVをうかつに評価すると何が起こるか?-1 (2021.2.11) by 池田直渡 より抜粋加筆しました。

⑴ 中国製EVの躍進について

「宏光MINI EV」が47万円の価格で爆発的ヒット。


上海蔚来汽車(NIO)のフラッグシップモデルは、
バッテリー容量150kWhで航続距離が800キロ。


⑵ 国家間には様々な差異がある

例えば労働コスト、技術・産業基盤の厚さ。

そういう実力差を調整するために、
関税と為替レートがあるわけだが、それらはあくまでも緩衝装置であって、その発動は抑制的に行うべき。


なぜならば、本来自由経済は、
その中心に競争を置き、良品廉価を成し遂げた者が勝ち、敗れた者は退場していく。

無限のトライアルの中で継続して、
進化していくもの。


ここで言う進化とは以下を意味する。
「世界中の人々が、より豊かで文化的な生活を送れるようになること」


だから、継続的な競争を絶やしてはならない。

よって自由貿易の促進のために設立されたWTOは以下を目指す。

①自由(恣意的規制の排除)
②無差別(相互に可能な限り開かれた平等な市場)
③多角的通商体制
④情報通信(相互的情報開示)
⑤知的財産権(技術移転などの強要の禁止)


例外もある。

あまりに急激な市場の変化による、
経済システムや国民生活の破綻を防ぐため、時間軸を引き延ばして、変化をなだらかにするために、為替や関税がある。


⑶ WTOのルールを無視し続ける中国

WTOは国際間の商取引を取り決める機関であり、
加盟各国はそのルールを順守することが求められる。

それを中国は守らない。


例えば日米間の自動車に関して、
WTOに加盟している中国は、本来加盟諸国からの自動車輸出を受け入れなくてはならない。


ところがこういう場面で、中国は国民1人当たりGDPを持ち出して以下に言い出す。
「われわれは発展途上国なので、保護が必要」


⑷ GDPだけでは本当の豊かさを計ることはできない

米国のGDPは、20兆8072億ドル
中国は、14兆8697億ドル
日本は、4兆9105億ドル


通常使われるGDP統計には、
国内の物価水準が反映されていない。

国際比較する場合、ドルで換算する。
だが、同じ1ドルでも、それぞれの国では価値が違う。


1ドルの価値は日本と中国では違う。
中国の物価水準は日本より安いので、中国では多く買える。


それを調整するために以下が必要になる。
「各国の物価水準を反映したGDP」

それが、購買力平価(PPP: Purchasing Power Parity)で計ったGDP。


「購買力平価GDP」で見ると、各国の順位は大きく変わってくる。

世界1位は中国(24兆1624億ドル)

中国の物価水準は低い。
すなわち1ドルの実質価値は高いことを意味する。


2位は米国(20兆8072億ドル)
3位はインド(8兆813億ドル)
4位は日本(5兆2361億ドル)

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