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(Z29) そもそもイノベーションの本質はどこにあるのか。それを阻んでいる日本の企業文化や体質とは何か。その中で個人はどのように動き、価値を発揮すればよいのか-2 by 入山章栄 より抜粋加筆しました。

⑷ 入山氏は、知の探索を階層に分けて考えるようアドバイスする。


①まず、個人レベルがある。

例えば、スティーブ・ジョブズ氏こそ典型的な知の探索人間で、
本業から離れた分野に強い関心を持っていた。

一例としてカリグラフィーがある。
カリグラフィーに対する関心がApple製品と組み合わさることで、
非常に美しいフォントデザインが生まれた。

同時に忘れてはならないのが、彼が打率1割以下の失敗王であること。


③成功の裏には大量の大失敗があることを強調した上で、
組織レベルで知の探索を行うには「この失敗をいかに許容できるか」、
が重要。


理屈はわかるが、今の評価制度ではできないといった、
企業の言い分には、GEの評価制度を例示する。

「成功か否かだけでなく、彼は今回失敗したが次の事業の種を蒔いた、といった定性的な評価も加えること。

行動レベルで評価するとなると、上司部下で1on1を実施する等、
煩雑だが丁寧な対応が必要になってくる。

しかし、これが現代の知の探索を促すグローバル企業の主流」


④経営学の先端で注目を集める以下の考え方も有効。
「イントラパーソナルダイバーシティ」

多様な経験や知見の集合体であるダイバーシティは、
イノベーションの重要な手段。

加えて“一人ダイバーシティ”を実践し、社員一人ひとりが、
転職や復職、副業等によって、遠く離れた既知を吸収することで、
社内に還元できるようになる。


⑶ 入山氏は最後に、知の探索以前に日本企業に圧倒的に不足しているものがあると指摘する


①“センスメイキング理論”は、
イノベーションを起こす上で欠かせない考え。
平たくいえば“腹落ち”であり、日本企業はこれができていない。


②その重要性をアルプス山脈で遭難した偵察部隊の実話を元に主張。

猛吹雪の山頂で遭難。テントの中で凍え死ぬか下山するか。
一人の隊員が見つけた地図が皆を奮い立たせ、決死の覚悟で下山することに。

全員無事に帰還するものの、
握り締められていたのは別の山の地図だった。

「冷静に考えれば、正しい地図か確かめず、かつ地図すら読めない、
猛吹雪の中であったが、下山したら助かるかもしれない、と全員が
腹落ちできたから、テントを飛び出せた。


これが日本企業だったら、方法論や発生リスク、
地図の正確性を議論しているうちに凍死してしまっていただろう。

つまり、主観でも構わないから、将来の会社のビジョンを描いて、
社員や取引先といった周囲を“腹落ち”させること。

それができなければ“知の探索”にすら至らず、
イノベーションは起こせない」


今、自社からイノベーションが生まれないことに、
危機感を感じる日本企業が増えている。 

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp