見出し画像

(C52) あまりにも「勉強」を軽視している日本人-3 by 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談 (2019.6.26)より抜粋加筆しました。

⑸ 出口:日本の会社は社員を大事にしていると思っている経営者が少なくありませんが、それは本当でしょうか。

きちんとデータで確認した人はいるのでしょうか。
僕には単なる思い込みであるとしか考えられません。


アトキンソン:以前、霞が関の会議に出席した際、
「ロボットとAIなどの日本の最先端技術によって、日本経済は復活する」などと話していました。

ですが、最先端技術は、ずっと以前からあるのです。
それが今まで普及してこなかったのはなぜか、
という産業構造の問題を検証することなくそんな主張をされても、論理が通っているとは思えません。


たとえ最先端技術があっても、誰も使わないならないのと同じです。
「普及」こそが問題なのです。


出口:社会常識と合わない意見は、変人の意見ということになってしまう。
これが、この国の根本的な衰退の原因のように感じます。


⑹ あまりにも「勉強」を軽視している日本人

出口:最近、「日本人はなぜ勉強しないのか」をデータで分析したのですが、答えは割と簡単でした。

①第1に大学進学率が低いのです。
確か52%ぐらい。
日本は大学に行かない国です。
OECDの平均が6割を超えています。

さらに大学の4年間でほとんど勉強しません。
これは企業の採用基準が悪い。
採用のときに大学の成績や読んだ本のことは一切聞かずに、ボランティアの経験を話してごらん、などと言っているわけです。

だから、エントリーシートに書くためにボランティアをやるというような、本末転倒な状況が生まれてくるのです。


アトキンソン:以前、ある大学の方から、
「ロジカルシンキングの授業をつくりたい」と相談されたことがあります。
あぜんとしました。

大学で学ぶべきことなど、「ロジカルシンキング」以外にはありません。
サイエンス、経済、法律、文学などは、もちろんそれ自体大切ではあるものの、
基本的にはロジカルシンキングを学ぶための「材料」です。

ロジカルシンキングは必ず、その後の人生に生きてきます。


出口:本来なら、大学を出た後でもロジカルシンキングの能力は伸ばせます。
しかし、就職したら年間2000時間労働で、飯・風呂・寝るの生活。
勉強する時間などありません。

さらに2000時間労働した後で、同僚同士で飲みに行ってお互いに調子を合わせて時間を浪費します。
日本は構造的に勉強できない国になってしまっているのです。


社内営業をする能力は養われやすいが、
社外営業能力が養われにくいのが、
日本の企業体質かもしれません。

会社の売上げは、会社の外から持ってきます。
日本国内での売上げが困難であれば、海外から持ってきます。


海外ビジネスでは、ロジカルシンキングが最も問われます。

私は、中国に来てから論理的に正しいかを常に気にするようになりました。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp