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棚の本:老子

老子(紀元前6世紀頃)は、その実在にも議論がある、謎の人物です。
老子の名も、偉大な人物という意味で本名ではないとか。
道家の祖といわれます。

よく対比されるのは、孔子(同じく紀元前6世紀頃)です。実在の人物で、孔が氏、子が尊称。
儒家の祖です。

くまとら便り

あなたはどっち派?と問いかける、マーケティング手法があります。
棚主は、「老子」を買ってすぐ挫折し、数年後にまた買うことを、繰り返していました。老子派で間違いありません。※

今回、講談社学術文庫から岩波文庫に切り替え、3度目にして初めて一応読了できました。

「老子」は81章あり、岩波文庫版は454頁と、かなり厚いです。
ただ、章ごとに、平易な訳文、訓読文(書き下し文)、原文(漢文)、注の順で並んでおり、圧倒的な分量を占めるのは、注と巻末の解説です。

実は、日本語の訳文だけなら、やさしく、量もありません。

棚主は、訳文だけなら1時間くらいで読めるというレビューを見つけ、岩波文庫版を購入し、読了となりました。
原文や注にも、どうしても目が向かい、それなりに時間がかかりましたが、寄りみちはOK、無為自然です。

老子の思想は、春秋戦国時代の国家の混乱の中で生まれた思想ということで、「老子」も、為政者に向けられたメッセージが主になっています。
人のあらゆる営みは、宇宙・自然・生命の大いなる営みの延長にあって、誰も完全に支配できるようなものではないから、そのことをよく理解して、虚心で、殊更なことをしないのがよいですよ、みたいなことが言いたかったのでしょうか??

なににせよ、道(どう・タオ・Tao・みち)は、奥深く、棚主などが簡単に説明することはできないものです。

ご興味のある方は、ぜひ老子派になってみてください。


※湯島聖堂へ行くと、中国古典の気分が高まりがちです。そして孔子廟に行った後に何故か「老子」を買ってしまいます。

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