金沢青雨

2021.9〜はじめました。常にに芸術と歩んでいます。ときどき短歌。スキもらえると喜び…

金沢青雨

2021.9〜はじめました。常にに芸術と歩んでいます。ときどき短歌。スキもらえると喜びます。

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郷愁のうた 俵万智展

俵万智さんが福井県・武生市の育ちだと知ったのは最近のことだ。わたしは昔から与謝野晶子の短歌が好きだったので、俵万智さんのエネルギッシュな『みだれ髪』の現代語訳にいたく感動し、同じ熱量を持つ『チョコレート革命』の甘く苦い恋の歌にもまた憧れを抱いていた。と言いながら、教科書に載っている「サラダ記念日」は、なんだかわたしの知らぬ若い人たちの短歌のようなイメージがあって、自分が歌を詠むようになってからも、少し距離を感じていた。俵万智さんはチョット遠いひと。わたしは与謝野晶子のように類

    • 【お知らせ】 3/20は渋谷〇〇書店へ出かけよう!

      2024/3/20(水・祝)に、渋谷〇〇書店の店番に入ります。前回は他の棚主さまに呼びかけて音楽書の特集を開催しましたが、今回はこじんまりと自分の趣味で特集棚を組みたいと思います。 偶然にも、3/21(木)は世界詩歌記念日とのことで、これにちなんで短歌を中心とした詩歌特集とする予定です。渋谷〇〇書店には、渋谷Longbooksさまはじめ渋谷ビーナイス書店さまなど、素敵な詩集・歌集を選書しておられる棚主さんが複数おられます。今回はそうした棚主さんの本棚から、金沢が個人的に気に

      • 【お知らせ】渋谷〇〇書店で音楽書イベントを開催

        2024/1/27(土)〜1/28(日)に渋谷〇〇書店にて「音楽Weekend」というイベントを開催します。 渋谷〇〇書店では、その日の店番を担当する棚主が選書をして、オススメ棚で紹介しています。このたび、複数の棚主による合同企画として、音楽書を集めた企画を行います。 音楽といってもジャンルはさまざま。古楽から民謡、Jポップ、美学、演奏論など、バラエティに富んだ音楽書との出会いをご用意できればと考えております。ここではラインナップの一部をご紹介します。 新品・古書はさま

        • 東京でいちばん好きな道

           通りからちょっと入った小道の軒下で、マスクを外して新鮮な空気を吸い込んだら、一日の疲れがリセットされる。さあ、これから夜の散歩だ。  細い路地に歩道はない。車が通るときは脇に寄って立ち止まる。一方通行だから、車はもっぱら背後からやって来る。都内を安全に散歩するには、エンジン音を聴き逃さないのがポイントだ。

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        郷愁のうた 俵万智展

          文学フリマ参加に寄せて

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          文学フリマ参加に寄せて

          【お知らせ】渋谷〇〇書店の棚主になりました

          嬉しいお知らせです。このたび「渋谷〇〇書店」の棚主になりました。 はじめてシェア型書店に出会ったのは2022年の春、神保町。俵万智さんが出店する本棚に「こんなに素晴らしい企画があるの?」と衝撃を受けました。 もともと知人宅にお邪魔する機会があろうものなら(厚かましくも)本棚を見せて!とお願いするくらいに他人様の本棚が好きなわたしには、シェア型書店は夢のような空間でした。 それから棚主に憧れ続けて1年半。歌集の出版や文フリの出店を経て、この秋ついにシェア型書店の棚主になる

          【お知らせ】渋谷〇〇書店の棚主になりました

          【お知らせ】文学フリマ東京37に参加します

          2023/11/11(土)に開催される「文学フリマ東京37」に参加します。文学フリマ大阪11に続いて2回目の参加となります。前回、参加してみてすごくよかったので、今回も楽しい時間を過ごせたらと思います。 頒布予定の作品は前回と同じく2冊。8月に刊行した第一歌集に加え、音楽にまつわる短歌とちょっと不思議なエッセイを収録した同人誌です。 新刊はありませんが、書き下ろしのフリーペーパーの配布を予定しています。ぜひブースでお目にかかれるのを楽しみにしています。

          【お知らせ】文学フリマ東京37に参加します

          大阪文フリに参加しました

          2023年9月10日(日)に文学フリマ大阪11に参加してきました。大阪に遠征してのはじめてのブース出店、創作仲間のまりもまりねさんをお誘いしての参加となりました。右も左も分からずの状況でしたが、まりもまりねさんのサポートのおかげもあり、また周囲のブースのみなさまがお優しくて素敵な方ばかりで、当日はとても楽しい時間を過ごすことができました。 作品の売れ行きはというと、想像していた以上にたくさんの方に足を止めてもらい、作品を手に取っていただくことができました。見本誌コーナーで読

          大阪文フリに参加しました

          【お知らせ】文学フリマ大阪11に参加します

          2023/9/10に開催される文学フリマ大阪11に参加します。はじめての参加でドキドキしていますが、ひとりでも多くの方に足を運んでいただけると嬉しいです。 頒布予定の作品は2冊です。この8月に刊行した第一歌集に加え、音楽にまつわる短歌とちょっと不思議なエッセイを収録した同人誌です。 当日はフリーペーパーの配布も予定しています。ぜひブースにお越しください。お目にかかれるのを楽しみにしています。

          【お知らせ】文学フリマ大阪11に参加します

          【お知らせ】同人誌を刊行します

          2023/9/14に同人誌『まるくあるく』を刊行します。金沢青雨&まりもまりねのユニットによる、はじめての作品集です。短歌とエッセイの二部で構成されています。 第Ⅰ部では音楽にまつわる六つのテーマで短歌を詠みました。わたしたちはそれぞれに音楽とのつながりを大切にしてきましたが、親しんできたジャンルは異なります。それぞれが持ち寄った歌は、同じテーマでありながらまったく趣向の異なるものになりました。 第II部では音楽や芸術にまつわるエッセイを収録しました。こちらもそれぞれスタ

          【お知らせ】同人誌を刊行します

          【お知らせ】第一歌集を刊行します

          2023/8/10に現代短歌社より第一歌集『またね』を刊行します。20代で詠んだ短歌の中から222首を収めました。 ほぼ素人同然のスタート、歌集の刊行にあたっては現代短歌社さんと歌人・染野太朗さんに大きな力添えをいただきました。染野さんには身に余るような素晴らしい跋文を書いていただいています。 歌集出版と言うと、賞に応募するか結社でコツコツと修練を積むかというイメージがある中での今回の出版。周囲から見るとかなり無茶なものだったかもしれません。第一歌集はその歌人の方向性を決

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          五七五が数えられないわたし ——「幾春かけて老いゆかん」を観て

          文字数を数える右手ピアノ弾くドレミファソドレドレミファソドレ 以前こんな歌を詠んだ。短歌の初心者のわたしにとっては、日本語の五七調よりもピアノの打鍵の方がずっと身近だ。親指から小指まで順に一から五を数える。そしてまた親指から、一、二と七までを数える。その運指はさながらピアノの教本『ハノン』のようだ。短歌の韻律をなぞるため、唇で小さく歌を呟きながら、指を折る。そんな初心者まる出しの習性を詠んだのが、掲題の歌だ。 しかしある歌人が言うには「五七五のリズムは身体に染みつくもの

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          オフィス街ど真ん中で

          毎晩、オフィスから1時間くらいかけて歩いて帰っている。その最中、見渡してもビルばかり、都心の真っ只中、ふと道路脇で焼き芋の販売を見つけた。こじんまりとした風情の、どこか懐かしい明かりを載せた軽トラック。荷台にはぎっしりと芋が詰まってる。しかもその出会い、2日連続で。 一夜目、勇気が出ずにそのままスルーしてしまい、帰宅してからすごーく後悔した。なので二晩目、同じ場所に焼き芋のトラックを見つけて、思わず心の中でガッツポーズしたよ。ありがとう、そこにいてくれて。 この僥倖を逃す

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          大阪にて

          ほんとうに出張の多い1年だった。まだ年末に出張を残しつつ、もう師走の振り返りモード。いま環状線の帰宅ラッシュに巻き込まれながら新大阪に向かっているんだけど、環状線の逆回りに乗ったり、乗るべき電車を間違えて奈良まで連れ去られたり、新幹線で切符を無くしたり、しがない出張でも数をこなせばハプニングもいくらかあって、楽しいものです。 ハプニングとあわせて、歩いたり、空を見たり、考えたり、ぐるぐるしたり、振り返ったり。なんだか人生にとって必要な時間が凝縮されていたような気がする。東京

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          ぼくらが旅に出る理由

          2017年、パリのモンマルトルの丘にて。パリの街を一望しながら、夕闇が迫りくるのを待つ。背後にはサクレ・クール寺院。絢爛かつ厳かな礼拝の空気感とともに、パリの夕暮れの空が脳裏に焼き付いている。 この旅をしながら、たくさんの音楽を聴いて、たくさんの詩を書いた。一瞬一瞬がかけがえのない時間で「この煌めきを書き留めておかないといけない」と思わずにいられなかった。衝動に駆られるようにたくさん書いて、自らの心をなぞるように触れた。たぶんそれは、過去にさよならを云う旅でもあったから。「

          ぼくらが旅に出る理由

          他者と響き合うということ 音の仕組みから考える

          音楽大学のカリキュラムというのは特殊だ。わたしが学んだ学科では、一、二年生の必修に「音楽理論」という科目があった。もっぱら西洋音楽史を志す者も、はじめは幅広く日本音楽史や民族音楽学を学ぶことになっている。卒論のテーマを決めるまでに専門を大きく変える者もいたから、学生たちの視野を広げるためにも必要な仕組みだったのだろう。音楽理論もそういった科目のひとつだった。 音楽理論の授業で大きなウエイトを占めていたテーマが音律だった。音律というのは、音の相対関係のルールのようなもの。作曲

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