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星の汀 / ほしのみぎわ
2023年12月5日 07:25
幽かなる落葉時雨の啼く声に遠き窓辺の灯を思い侘ぶ枝離れ 灯ともし頃を飛ぶ鳥の願いをなぞり 発つ汽車に乗る霜葉を集めて灯す火の色を瞳の奥に永遠に秘すしとやかに重なる落ち葉 緋と映えてふと愛しむ君の手のひら誘い合い散りゆく葉と葉 手を預け冬の果てなる春の日を待つ陽だまりに落つる一葉に幸あれと風をたのみに冬を彩る散り敷いた紅葉黄葉を踏み分けて落つることなき天を振り放
2022年4月10日 23:17
紅に染めたる胸のきざはしを 川に架けやる黒髪の姫暮れかかる薄紅の灯を立てて 桜の下で歌主を待つ目見交はし寄り添ひてなほ憧るる そぞろに甘き 桜流しよ時されど立ち去りかねて眺むれば 心はゆかず 花筏ゆく美しき髪梳れどもさみだれて 耳朶に通はす風の音を聞く歌主:(和)歌の作者/手紙の書き手そぞろ:理由や根拠がないさま時されど:時が来たけれど心がゆく:心が晴れる/満足
2022年4月8日 20:07
薄らかに かりそめ臥しの世は過ぎて 時の川にぞ いざ夜離れせむ 先日の 桜の姫 に続いて、桜の君 です。 この世を愛おしく思って咲いていたけれど、もう倦んできたから散って去りますよ、というような意味。(のつもり) 写真を撮りつつ感心するのが、桜の花びらの薄さ。だから風に乗れるのね。 そして、和歌をひもときつつ感心するのが、古語の密度の高さ。数文字で、複雑な意味を表せるので、31文
2021年11月2日 20:48
うす雲のあなたに睡るは月なれや深き心を知る人のなき / 星の汀浮草の上はしげれる淵なれや深き心を知る人のなき/古今和歌集・恋/よみ人しらず本歌取りにはルールやマナーがあるそうです。ネットで少し調べた程度なので、大丈夫でしょうか...(^^ゞ タイトル画像は、この間の満月あたりに撮った写真です。万年筆のブルーブラックのインクを水に溶かしたような空でした。ピアソラ色かもね。 #和歌