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SAID Principle:特異性の法則

SAIDとは

SAIDとは、
「Specific Adaptation to Imposed Demands」の略で、

与えられた負荷に見合った適応現象を起こすという意味です。

特異性の法則とも呼ばれています。
この記事内ではSAIDと呼ぶことにしましょう。

SAIDはスポーツ科学においてとても重要なコンセプトの一つです。

カラダの反応

私たちの体は、体がストレスのさらされたときに、
将来的にそのストレスに対応できるように体が適応することができます。
病気に対する獲得免疫もその一つだと考えられます。

つまり、
これをトレーニングやスポーツに置き換えて考えると

極端に言ってしまえば、
体はあなたがトレーニング・練習しただけ良くなるということです。

簡単な例を挙げて話をしましょう。
たとえば、ショックや衝撃によって骨にストレスをかけると
ストレスが加わった箇所の骨を厚く・強くして
硬化させるというシンプルな生理学的プロセスが開始されます。

骨折を経験したことのある方なら納得しやすいかもしれませんが、
一度骨折した箇所というのは、骨折する以前より固く、丈夫になっています。

テニスをしている人は、
利き手の骨が、反対の手よりも大きくなりやすいそうです。

また、格闘家は、
繰り返し、何度も打撃を与えたり、その練習をすることから、
脛と前腕の骨が発達しやすく、まるで鉄でできた武器のような強度にまでなります。

骨の発達を例にあげましたが、
このように人間の体というのは、与えられたストレスもしくは、
負荷によって特異的に発達します。

骨だけでなく、筋肉も同様です。

トレーニングをしている時
人間の身体は筋肉を収縮させることで動作を生み出しています。

筋肉が収縮する際の負荷を高めることで、筋肥大を狙うことができます。

この時にもSAID の理論で考えることができ、
行った動作、稼働した筋肉の部位、負荷の大きさによって、私たちの筋肉は特異的に発達します。

例えば、
アームカールを行えば、
主に上腕二頭筋が発達し、
腕でものを持ち上げる動作に対して強くなります。

トレーニングする際に、
負荷を与える部位や、負荷の大きさを考えてトレーニングする人は多いかと思いますが、それらと同じように動作というのも大切になってきます。

個人的な意見


ごく当たり前で、シンプルな話ですが、
スクワットばかりをしていては、胸筋は発達しませんね。
そもそも部位が違いますから当然ですよね。

かといってベンチプレスだけをしていては、胸筋のボリュームは増えるかもしれませんが、バランスのとれた見た目にはならず、
スポーツ的な観点からみるパフォーマンスにおいても適しているとはいえないでしょう。

単調な動作によるトレーニングメニューと、
複数の動作を織り交ぜたトレーニングメニューででは、筋力の増加率に違いが見られ、複数の動作を織り交ぜたトレーニングメニューのほうが効果が出るということがわかっています。

これからのことから
あらゆるカテゴリーのアスリートに対し、複合的なフィジカルトレーニングを推奨しています。

理想的な身体や、コンディション、スポーツにおけるパフォーマンスの向上を目指すなら、それらを向上させるための適切な練習やトレーニングが必要になるということです。

自身の体やパフォーマンスにおいて、ウィークポイントが見つかったら、その部分を突き詰めて、練習やトレーニングを重ねるのも大切ですが、

視野を広げて、より実践的なトレーニングを心がけましょう。

References 

Essentials of strength training and Conditioning Fourth edition (G. Gregory Haff, N Travis Triplett)


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