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「土曜休配」と「書店員の実情」

「土曜=入荷のない休配日」がいまのデフォルトです。

私が書店員になった頃は、土曜もほぼ荷物がありました。完全に逆になった印象です。

「ドライバーさんに週休2日を」という趣旨に賛同しつつ、書店員目線でも助かっています。人手不足&過剰入荷の現状では、朝の荷開けは毎日が綱渡り。開店5分前まで大量のダンボールやゴミ袋、紙くずで店内がゴチャゴチャなんてことも珍しくありません。そして不本意ながら、平日に出し切れない本を週末に品出しするのが当たり前になっています。

ただ月イチぐらいのペースで土曜にも本が来る。

休配は発売日に影響を及ぼします(前倒しが基本)。ぜひ↑でご確認を。明後日の4月6日は入荷があります。

もうひとつ。

上記の記事で、日本出版取次協会と日本雑誌協会が「出版物流を支える方々の休暇取得が促進されることを願う」とコメントを出しています。

末端の非正規書店員である私も、非力な身ですが「出版物流を支える」ひとりだと自負しています。共に踏ん張っていた仲間が次々に職場を離れる状況をどうにかしたい。カフェ併設や読書イベントなんて現実味を欠いた提言では何も改善されません。

「返品率を下げ、本屋の利益率を上げる」ことを目指し、新会社を起ち上げた紀伊國屋書店や蔦屋書店の入荷状況も気になります。お偉いさんではなく現場の本音を知りたい。

売りたい本やお客さんの求める本が大量に入ることは歓迎します。むしろ入らないと困る(街の本屋さんにもちゃんと配本してほしいけど)。なかなか動かない良書も書店には欠かせません。問題は不可解な事情で過剰に入る本の荷開け&品出し&返品が「賽の河原」にしか思えぬこと。少ない人員でその対処を強いられ続けていること。以上の二点です。

「書店の閉店」よりも「書店員の実情」にフォーカスする方が解決の近道かもしれません。

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