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ハードボイルド書店員は「代打職人」に憧れる

子どもの頃、中日ドラゴンズに小松崎という選手がいました。

プロ生活は7年。際立った記録は残していない。しかし私は彼の名前を忘れることができません。なぜならTVで見たデーゲームの巨人戦に代打で登場し、見事なホームランを放ったから。

代打ホームランってすごくないですか? 1打席しかチャンスをもらえないのに、そこで最大級の仕事をしてみせる。最高にカッコいい。

たしか広島戦ですが、満塁の場面で巨人の駒田選手が代打の代打で打ったのも覚えています。92年の日本シリーズ初戦では、ヤクルトの杉浦選手が歴史に残る「代打満塁サヨナラホームラン」をライトスタンドへ叩き込みました。

昨年引退した元・阪神の伊藤隼太選手も、代打で何度かホームランを打っています。守備に難があったけど、タイガース伝統の「代打の神様」ポジションを引き継いでほしかったです。

↑に出てくる大野雄次選手はあまり覚えていません(スイマセン)。まさかワンシーズンに「代打逆転満塁ホームラン」を2度打ったとは。まるで水島新司「あぶさん」です。ちなみに大野選手は後輩に「初球を振りにいかないと体が動かないよ」とアドバイスしたそうですが、同作も代打の秘訣として「ファーストストライク・フルスイング」を強調していました。

「あぶさん」の主人公・景浦安武は、最終的に三冠王を何度も獲得するビッグスターになりました。しかし元々は代打要員で打ったり打たなかったり。野村克也監督のもとで生き残りを懸けて奮闘していた初期の彼が好きでした。

少し前に単行本未収録の作品を集めた↓が出ています。ぜひ。

なお職場の私は、内野の全ポジションを守れて代走もできるユーティリティ・プレイヤーみたいな位置付け。それはそれで悪くない。でもいつか代打職人みたいな「このひと棚の選書にすべてを懸ける」みたいな働き方もしてみたいです。

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