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ハードボイルド書店員が「返品業務」に思うこと

書店にとっては大きなニュースです。

2021年に休刊になった「特選街」及び「壮快」「安心」「ゆほびか」などの健康誌の版元として知られるマキノ出版が民事再生法の適用を申請したとのこと。

出版社がこういう状況になった以上、発行している雑誌はただちに返品となります。お探しのお客さま、申し訳ございません。

新人時代、同じ理由で某ファッション誌が休刊になったときのことを思い出しました。気づかずにしばらく棚に放置し、返品ができなくなってしまったのです。出版社に電話しても繋がらず、FAXも送れない。「やっちゃった」と深く反省した次第です。

書籍でも雑誌でも返品期限が過ぎていて逆送になったら、出版社から「返してもいいよ」という了承を得ないといけません。FAXすれば、多くの会社がOKの旨を送り返してくれます(ありがたい)。受け入れてもらえないことももちろんあります。返信すらしてくれないケースも。仕方ない。

いちいち連絡して了解を得るのはお互いに手間です。なので多くの書店が各出版社の担当営業の名刺をストックするか、もしくは名前を控えています。そうすれば、期限を過ぎていても「○○様了承済み」の紙を付けて返せる。無論、逆送にならないように各棚の担当者が注意することがいちばんです。

紙をFAXしてやり取りというのは、いまのご時世ではなかなかにアナログ。注文に関してはオンラインの専用サイトでもできるようになっています(確実性に欠ける部分があり、電話やFAXと併用しているのが実情ですが)。それに比べたら、返品業務はまだだいぶ改善の余地がありそう。

人手不足の現状では、売り逃しのリスクよりも在庫過多に伴う諸々の負担を軽減することに目を向けたい。利益率を上げることを訴えつつ、返品率を下げることも意識していきます。

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