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コミュニケーションは「経験」×「想像」

投手交代の際、コーチや監督はマウンドで何を話しているか? 

かつてファイターズで投手コーチを務めた吉井理人さんの著書を思い出しました。

↑によると、有原投手や斎藤投手に対しては「おまえ大学どこだっけ?」と訊ね、きょとんとしている相手を「ここは早稲田魂を見せるところやぞ!」と励ましたそうです。

短い時間内に的確な助言をするのは難しいです。ピンチでテンパっている人に何を言っても右から左でしょうし。だからこそ「えっ?」という角度から話をし、とりあえず冷静にさせる。面白いアイデアだと思いませんか?

新日本プロレス・真壁刀義選手のインタビューで読んだのですが、彼がアキレス腱断裂の大怪我を負った試合後、蝶野正洋選手が食事に誘ってくれたそうです。しかもプロレスの話は一切しなかったので、とても気がラクになったとか。

吉井さんは現役時代、ピンチに投手コーチがベンチから出るのを見て「来るな!」と思うことがあったそうです。蝶野さんもかつて首に大怪我を負い、一時は社会復帰すら危ぶまれていました。そういった経験が管理職的な立場になった際のコミュニケーション術として活きたのでしょう。

私はミスをして落ち込んでいる同僚に「あれってどうやるんだっけ?」とその人の得意分野について訊ねます。何かを教える行為は「人の役に立っている」という自信回復に繋がるから。営業マン時代の先輩がお手本です。

あとはあまり細かいことを言わない。人によって「どういうやり方が正しいか?」の定義が違っていて戸惑う経験をしたから。上司にも普段はあれこれと要求しません。だからこそ、本当に必要な時に「こうしませんか?」みたいな提案をするとけっこう聴いてもらえるのです。

要は「相手の立場を想像しながら話す」ということ。わかっていても実践するのが難しいんですけどね。日々修行。日々向上。

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