見出し画像

中国のブックデザインがすごい件

中国人と言えばインバウンド客、お金をたくさん落として行ってくれる有難いお客さんにもかかわらず、観光公害として取り扱われることが多く、あまりイメージ良く我々には映っていない。マツキヨで爆買いしている彼らを見て文化の微塵も感じられず、ましてや高尚なアートなんてもの、影も形も浮かび上がって来ない。でも最近行ってみた世界のブックデザイン展での中国の作品が素晴らしかったので是非本が好きな人にはお勧めしたい。

中国とアートと言われてシルクの刺繍やコルク細工、つまりは土産物屋にある民芸品しか思い浮かばなかった自分が少し恥ずかしい。艾未未氏だっているし、アートウィークだってある。そしてなにより芸術活動に必要なキャッシュを持つ富裕層が中国にはわんさかいるのだ。アートが栄えて当然の場所に、美しいブックアートもあって当然。ちょっと凄すぎて声が出なくなってしまった。デザインもさることながら色彩も美しく、印刷の質の高さが想像できる。そして異なる紙質を活かした構成と文字表現も絶妙なのだ。自分が最高に美しいと思っていたTASCHENの本が軽くて実にちっぽけに見えてくる。ヨーロッパのアートブックなんてしょせんマスの世界の消耗品に過ぎないんだ。それと比べて紙を発明した人々は本当に、紙の上での表現方法に長けている。自由自在ってこういうこと。何でもやっちゃえますよと、余裕な感じの華麗さに、やっぱり何かを作り広め守り続ける者が勝つんだと改めて生みの親の強さにかなり心動かされた。本という概念がきっと覆されるので、機会があれば是非、多くの人に中国のアートブックに触れてもらいたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?