さえない中年男性詩人が恋をした相手は美しい青年だった・韓国映画『詩人の恋』の感想
こんにちは!
映画や海外ドラマのブログを書いているアラ還主婦のミルクです。
今日は韓国映画の『詩人の恋』の紹介です。
(この記事は過去の記事のリライトです)
[あらすじ・ネタバレ含みます]
『詩人の恋』2017年・韓国映画
タイトルの『詩人の恋』から線が細くて陰のある繊細な詩人が美しい女性に恋をする物語かな? と一瞬思います。
しかしこの詩人は体型も少しぽっちゃりで背も低く、いつも自信なさげな表情でパッとしません。
詩人の名前はテッキ
彼の創作した詩は最近ではあまり評価もされないし、スランプに陥っています。
全然売れない詩人なんです。
テッキは結婚していますが、家計はしっかり者の妻のガンスンの働きでまかなっている状態。
そんなテッキが恋に落ちる相手は
美しい青年のセユン
寝たきりで家族の重荷のような父親でしたが、セユンは心の底では父親のことを愛していました。
ちょっと報われない人生にやけになっているセユンは、不良たちとつるんだり、遊んでばかりで学校へも真面目に通っていません。
昼間はドーナッツ屋さんでアルバイトを。
そんな孤独を抱えて、どこか悲しげなセユンを
テッキはたまたまドーナッツ屋さんで見かけて一目惚れしてしまいます。
ちょうどテッキの妻・ガンスンが妊娠した頃でした。
妻のガンスンは夫が変化した様子に気づきます。
テッキが書いた詩を読んでガンスンはピンときます。
『夫には好きな人がいると』
やがて、それは女性ではなく青年(男性)なんだと分かってしまう妻のガンスン。
働き者でしっかりした妻のガンスンは夫のテッキにきつい言葉をいつも投げかけてますが、心の中では詩人である優しい夫を愛していると感じました。
ガンスンが夫、テッキに内緒でセユンと会って
『夫と別れてほしい』とセユンに言うシーンからも夫を愛している気持ちが感じられました。
結婚前に初めてガンスンがテッキ(夫)に会った時のことを振り返ってセユンに言うのです。
ハンサムでもお金持ちでもないテッキでしたが
ガンスンは、テッキがとても優しくて温かい心を持っていると初対面で感じて、好きになったのでした。
この人なら結婚しても大丈夫だろうと・・・
一方、テッキの心は妻とセユンのことで揺れ動きます。。
テッキはあふれるような優しさを決してセユンに押し付けるのでもなく
不器用ですが、テッキなりのやり方で地味にセユンに与えます。(時には金銭的にもセユンに援助したりして)
そんなセユンへのテッキの愛情は一見、父性愛のようにも見えるのですが。
そんな夫テッキの揺れ動く心の機微を察知した妻のガンスンは、心のどこかでは夫が自分を愛していないと感じていて
あえて乗り気でないテッキを駆り立てて妊活に積極的になっていました。
優しい夫なら子供と私(妻)を見捨てないだろうと信じて
ガンスンはテッキにこう言います。
『人間って欲張りね。結婚できなかった時は結婚できさえすればいいと思っていたのに、結婚できれば子供も欲しくなるなんて・・・』と
彼女の言葉には何か確かなもの(子ども)が無いと夫をいつか失ってしまうかもしれないと言う不安が感じられました。
テッキはセユンと妻子のどちらを選ぶのでしょうか?
(ここからはネタバレになるので読まれるかはご自分の判断でお願いいたします。)
テッキはセユンとの苦しい恋心を経験してから、人間として深みを増して
人の心を打つ素晴らしい詩を創作できるようになりました。
そしてテッキの詩集が出版されることになりました。
詩人として成功したテッキのところにセユンが『一緒に生きていこう』と現れます。
本当はテッキはセユンのことを愛していましたが
テッキはお金をセユンに渡して
『俺はお前を利用したんだ、俺がお前と一緒に生きていくはずがない』とわざと冷たい態度でセユンを突き放します。
優しいテッキはやっぱり妻と子供を見捨てることはできなかったし
未来のある若いセユンを束縛したくなかった。
人は全てを手にすることは難しい。
詩人として成功を手に入れたのかもしれませんが、セユンとの恋はあきらめなければならなかった。
ラストシーンでテッキが詩を書きながら一筋の涙を流します。
これでテッキの恋は終わったのだと言うかのように・・・
恋は実らないから美しい
それが初恋ならなおいっそう美しい・・・
テッキのセリフに
『詩人は悲しんでいる人の代わりに泣いてあげる人』と言う言葉があります。
優しいテッキはこれからも心の中で泣くのでしょう
そしてそれは彼が詩人であり続けることを意味するのかもしれません。
『詩人の恋』はU-NEXT、Amazonプライムビデオ、 Hulu などで視聴できます。
貴重なお時間、最後までお読みくださりありがとうございました 🥰
スキや甘めのコメントいただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
[ヘッド画像などは詩人の恋の公式サイト引用]
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?