マガジンのカバー画像

畜産、外食、穀物等の知識や時事問題

7
運営しているクリエイター

記事一覧

食肉には優れた成分がいっぱい。その2 健康と滋養強壮

食肉には優れた成分がいっぱい。その2 健康と滋養強壮

日本で生まれた造語「医食同源・薬食同源」

従来、我国には“医食同源”とか“薬食同源”という言葉がある。この言葉の印象から、一般には中国由来の熟語の様に思われているが、意外にも日本で生まれた造語なのである。 

やや説明を加えると、我国の高度成長で庶民の所得が増え、食事内容が大幅に改善された1970年代。肥満、糖尿病、心臓病などの成人病が社会問題となり始め、その主因と思われた西洋流の栄養第一主義へ

もっとみる
欧米では高級肉、美容と健康にも良い、ラム(羊肉)の基礎知識 1

欧米では高級肉、美容と健康にも良い、ラム(羊肉)の基礎知識 1

世界中で最も多くの人々が食べる事ができる食肉

子羊肉(ラム肉)は、実は欧米では高級肉である。ヨーロッパや北米の高級レストランや一流ホテルのメインダイニングのメニューには、必ずといって良いほどラムのステーキやローストがある。また、宗教上の理由から世界中で最も多くの地域で食されているのが羊肉である。イスラム教のハラルミート、ユダヤ教のコーシャー、ヒンドゥ教もキリスト教も羊肉を禁忌としてはいない。世界

もっとみる
牛・豚・鶏…、食肉には優れた成分がいっぱい。すごい!食肉のチカラの解説

牛・豚・鶏…、食肉には優れた成分がいっぱい。すごい!食肉のチカラの解説

食肉の機能成分 その1 ダイエット効果

(筋肉形成・維持効果、脂肪燃焼効果、体脂肪低減効果)

今回は食肉のダイエット効果についての解説です。数年前にラム肉(羊肉)には、ダイエット効果があるとブームになりました。それはラム肉の脂肪は体温では融けず吸収されないためや、脂肪を燃焼させるLカルニチンが豊富という理由からでした。でも、実はラム肉以外にも多くの食肉にはダイエット効果や美容効果があるアミノ酸

もっとみる
牛・豚・鶏…、食肉には優れた成分がいっぱい。すごい!食肉のチカラ 前書き

牛・豚・鶏…、食肉には優れた成分がいっぱい。すごい!食肉のチカラ 前書き

一説によると人類の脳が、類人猿から大きく進化したのは、タンパク質と脂肪の豊富な栄養源である肉を200~300万年前に食べ始めたときだという。 人間の大きな脳は筋肉が消費する栄養分の20倍という大量の栄養分を必要としており、草食だけの生活をしていては脳の発達はあり得なかったと一部の研究者は主張する。

また、東洋においては、病気予防や病後の滋養強壮のための有名な薬膳スープがある。お隣韓国の参鶏湯(サ

もっとみる
本当なの? 赤身肉は腎臓に悪いという話

本当なの? 赤身肉は腎臓に悪いという話

単純に信じずに話のウラを取る事が重要

2023年4月29日、経済関連の大手週刊誌のオンライン記事に「赤身肉は腎臓に悪く、霜降り肉の方が腎臓への負担が少ない」とのレポートが載った。著名な医学博士の著書からの抜粋・加筆との事だったので、もし本当ならば食肉の売り上げに響くかもしれないと、興味深く読んだが、これが全くの憶測記事であった。

その内容は、「赤身肉にはたんぱく質量の割に、リンが多い、リンの

もっとみる

米国カリフォルニア州で豚肉価格高騰 アニマルウェルフェア規制 詳細

アニマルウェルフェア
米国カリフォルニア州で動物虐待防止法が発効

アニマルウェルフェアと聞いて、単純に動物愛護だと思われる読者もいらっしゃると思う。少し状況をご存じの方だと、母豚の妊娠ストールや採卵鶏のバタリーケージ(従来型鳥かご、約470㎠)を思い浮かべると思う。どちらの飼育方法も企業としては、できるだけ安全で安定的に少ないコストで大量生産できるような仕組みとして欧米で開発され、今では我が国

もっとみる
「豚の福祉」に波紋 肉販売規制に生産者悲鳴 米 の時事通信記事について

「豚の福祉」に波紋 肉販売規制に生産者悲鳴 米 の時事通信記事について

2024/03/24
この規制、カリフォルニア州法prop12には抜け穴があります。
実のところ豚肉そのものは規制の対象ですが、豚肉製品(ハム、ベーコン、ソーセージなど)には適用しないという点です。従って他州で作られた豚肉製品は今まで通りにカリフォルニア州で販売されます。

米国では豚肉を家庭で調理するより、豚肉製品を食べることが多いのです。追従する他州とは今のところマサチューセッツ州法のQ3です

もっとみる