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続「大正のゆめ🎈秘密の銘仙ものがたり」

皆さんこんにちは みさこです
今回は前回紹介しきれなかった
「大正のゆめ 秘密の銘仙ものがたり」展の続きになります 

前回は、女学生がターゲットでしたが
時代と共に働く女性に移っていきます

♪若い職業婦人に向けた銘仙誕生♪
幾何学模様の銘仙が多く作られるようになったのは昭和初期。
若い職業婦人たちの通勤着として最新のデザインが採用されました。大正時代に高畠華宵の抒情画に夢中になり、吉屋信子の「花物語」を読み、ガーリッシュな銘仙を着た少女が大人になった時、身に着ける着物柄をつくる_
それが百貨店の命題でした。女性誌で宣伝し最新アーティストの図案の銘仙を販売する、現代とそう変わらないシステムが誕生します。抽象絵画に注目が集まるなか、挑戦的な銘仙が多く生まれました。

展示より


 ーーーーGEOMETRIC  幾何学模様ーーーー
働く女性に向けた銘仙は、新しい潮流を汲んだ
クールな幾何学模様

華やかなグリーンの水玉模様の単衣
鮮やかな牡丹色の薔薇の染帯と
珊瑚で薔薇を掘ったオニキスと珊瑚の帯留めにも注目


スタイリッシュなコーディネート
珊瑚の薔薇の彫り物とオニキスのコンビの帯留め
当時の人気がうかがえますね


抽象画的な銘仙と薔薇やダリアなどがロマンティックに描かれた帯
珊瑚の薔薇の彫り物の帯留め
アールヌーボ風
パラソルの持ち手にも注目~
細かな細工が施されています
ショールも素敵です


大胆な色づかいの幾何学模様…カンディンスキーみたい?


通勤着お洒落すぎませんか?🥰
ラインダンス柄の帯、コブト文様の半襟…
オニキスとパールの帯留めもシックなアールデコ風
お洒落な日傘は必須アイテムなのですね~
持ち手の彫り物が美しいぃぃ


銀糸のタップリ入ったお召銘仙。
ラインが立体的に見えるユニークなデザイン
自動車が描かれた帯
アールデコの帯留め
型押しバッグと貝細工の施された日傘
パーフェクト😍


素敵なのでアップで!
近くで見ると絣なので模様も色合いもソフトになりますね~
ユニークな英語表記と自動車柄の帯
珊瑚の薔薇の彫り物の帯留め


 好き💞



♪大正ロマンの徒花「女給」さん♪
カフェの女給さんたちが銘仙を着たこともブームに拍車がかかった理由です。派手な縞銘仙を着て職場に向かう女給たちの姿を見ると、今年の流行りがわかったり、自分も「あんな柄を着てみたい」と思ったり…。彼女たちは街のファッショニスタでしたーーーーー

展示より


女給さんが着ていたものも銘仙が多く、彼女たちには大胆な色柄が人気でした。下駄はヒールになっている珍しいものです。エプロンのリボンは帯の中に入れて、後ろ姿は帯を見せることが多かったようです。😍

アフリカ国旗色流水文様
エチオピアなどアフリカの国旗で使われる赤・緑で織られた流水文様


ビヤホール🍺



夢二と銘仙
大正時代を代表するアーティスト「竹久夢二」挿絵画家として活躍する一方
大正3年に開いた「港屋絵草紙店」でキュートな図案の半襟、千代紙などを販売し若い女性に大人気となりましたーーーー
夢二が描く女性の着物は、華やかな柄は少女に、大人の女性には縞や格子など小さな柄が中心でした。






ロマンティックな雰囲気の銘仙…ミロっぽい?
華やかな赤いビロードの草履も💞
ショールと日傘も素敵



可愛いのでアップで


夢二の絵葉書



🦢🦢🦢🦢🦢白鳥づくし文様🦢🦢🦢🦢🦢



🌷🌷🌷🌷🌷チューリップ🌷🌷🌷🌷



展示の様子



♪日本とアメリカを結ぶ浅間丸🚢

浅間丸は太平洋の女王と呼ばれた豪華客船
出航記念の絵葉書や写真をヒントにこの図案が
つくられたのでしょうか?風になびく色とりどりの紙テープと
羽ばたく鳩。大海原へ出航する豪華客船。後ろに描かれているのは
ホノルルのようです

幼児一つ身 出航風景文様



😺子猫とスピッツ🐶
当時大ブームが起きたスピッツと格子と子猫の組み合わせ💞


戦後すぐの「白鳥の湖」が夢とロマンを与えてくれた♪
敗戦からわずか一年後「白鳥の湖」が全幕日本初演されました。
観客は幻想的な公演に感動し異例のロングラン公演となりました。
少女たちの習い事にバレエが登場してきます。少女漫画でも数多く取り上げられバレエは大ブームに。女優、岸恵子や十朱幸代もバレエを習う少女でした



エリザベス女王王冠式文様(1953年)を記念した銘仙


幼児の可愛いエプロン姿
現代では見かけない幼児のエプロン姿ですが、昭和初期は男女とも
着物の上にエプロンを付けてご飯を食べたり遊んだりしていました。
食べこぼしや泥が着物に付かないようにするためです。


女学校の教科書の型紙で作ったもの


南国への憧れ
戦前、約8万人の日本人がミクロネシアとその周辺の島々に移住しました
第一次大戦に勝利した日本は南洋諸島を統治することになりインフラ整備や
学校を作るなどミクロネシアの日本化を進め、移住を推薦しました。

想像でしか知らない南国をイメージして織りだされた銘仙
鮮やかフクシアピンクに釣り合う帯はシルバー地にびっしりと
熱帯魚が織りだされた名古屋帯。
憧れの南の島…南国の魚…
昭和初期に作られたとは思えない帯揚げや帯留めにも
ご注目ください

キャプションより


南国風景文様単衣



パールや宝石が散りばめられた宝船の帯留め



竜宮城


南極ペンギン文様
南極観測船が帰還したころのもの


千鳥格子風ペンギン行列文様



鮮やかな黄色地に赤・緑・ピンクなど華やかな色合いで珊瑚、巻貝
二枚貝、ヒトデを織り出した丸帯
どんなよそいきコーデをしていたのでしょうか?


今回の展示会で銘仙を提供してくださった
銘仙コレクターの桐生正子さんは
学生時代を京都で過ごし
北野天満宮で開催される骨董市「天神さん」に
行くのが楽しみだったそうです
厳選して集めた銘仙の数は600枚を超え
関連書籍や生地見本、葉書やポスターまで
銘仙を理解するためのピースとして収集されたそうです
そこで分かったのが、当時銘仙が時代を写す鏡であったこと
そして大衆の為の着物だったからこそ銘仙は面白く
時代が変わる中で少女たちが抱いた希望や憧れが銘仙に
織り込まれました

また銘仙の展示だけでなく杉浦非水高畠華宵が銘仙の
図案を描いていたことやデパートの戦略なども紹介しています
戦後、銘仙は粗末な着物として扱われることが多かったそうですが
いかに流行の最先端にいたのかが良く分かります

大正から昭和初期に盛り上がった少女文化と銘仙ブームは切っても切れない
関係にありました。女学生や働く女性の「戦闘服」として銘仙が大きな役割を担っていたことを本展を通して伝わることを願ってやみません。
当時の女性たちの声に耳を傾けてみて下さい

桐生正子さんのメッセージより抜粋


   ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ここからは、夢二美術館の常設展のご紹介です

~~~楽譜表紙絵の世界~~~ 

I セノオ楽譜

セノオ楽譜の表紙デザインには、杉浦非水・北沢楽天、斎藤佳三
携わりましたが夢二の装幀が圧倒的に多く、夢二の評判がセノオ楽譜の
人気を支えた一面もありました


     外国の歌謡
セノオ楽譜の発行は大正時代の音楽文化に大きな影響を及ぼし
、クラシックから流行歌まで、西洋の歌曲幅広く紹介しました
数多くの楽譜の表紙絵を手掛けた夢二は音楽を視覚化し
イラストレーションの形式で、近代の日本人に洋楽を橋渡しする
一翼を担いました




オペラの流行



Ⅱ 童謡楽譜
大正中期以降、童謡を「子供たちのための芸術的な歌」と位置付けて
<童謡運動>が発生しました。大正末期には、旧来から歌い継がれた
民謡と一線を画し、新しい時代の民衆の民謡を作ろうという詩人たちの
運動から生まれた新民謡が隆盛し詩人、北原白秋・野口雨情・西城八十
作曲家は中山晋平が活躍しました



Ⅲ 民謡楽譜
大正8年、作家の中山晋平は、詩人の野口雨情らとともに
実施した民謡調査の旅を契機に、地方民謡の制作を開始しました






蓄音機





最後までお付き合い頂きありがとうございました

銘仙の世界お楽しみ頂けましたか?
コレクターの桐生正子さんの
女学生や働く女性の「戦闘服」という言葉が印象的でした

夢二の描く楽譜の世界も当時の人々を楽しませて
くれていたのでしょうね~


では、素敵な秋をお過ごしください



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