須田英太郎

東大の総合文化研究科で文化人類学やってます。新しい技術や制度で変わる「人の生のあり方」に迫りたい。

映画『ペンギン・ハイウェイ』を変態的にエクストリーム読解してみる

これは映画『ペンギン・ハイウェイ』へのいささか変態的な愛情表現というか、ふと思いついてしまったので書かずにはいられないエクストリームな神話的読解なのだけど、あの作品を少年の精通(はじめての射精)を描いたものとして観ることはできないだろうか。

(観た人に向けて書くので説明不足だし、ネタバレを含みます。いちおうあらすじ↓)

あらすじ
毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君

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プライド・パレード――規範による自己決定から理想による自己決定へ

プライド・パレードに参加したらBuzzfeedにすごく良い写真が載った。
過去最大6000人のパレード。フロートからはいい感じのEDMがかかっていて、さながら車道で踊れる渋谷フェスという楽しさだ。国籍もジェンダーアイデンティティも性的指向も関係なく、沿道に手を振りながらみんなで歩いた。
 
ニュースでは「同性愛や性同一性障害など、性的少数者への理解を訴えたパレード」という取り上げられ方をされるけど

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『走れメロス』でペアーズの感想を言います

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには女心がわからぬ。男三人三兄弟の末っ子として育ち、人生に三度訪れるというモテキのうちの一度が男子校の花園で過ぎた。

メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。鋭い洞察眼を持ち、物事を批判的に考察できる聡明な男であった。恋愛へのスタンスもときにクールすぎ、多くの女性を泣かせてきたような男だった。ある日、セリヌ

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僕が「東大女子学生への家賃補助」に賛成する理由

東大が女子学生に家賃補助を出すというニュースが出て、賛否両論いろんな意見がとびかっています。
http://www.asahi.com/articles/ASJCG4WF3JCGUTIL030.html

僕は賛成なのでその理由をまとめました。

1.「地方出身学生を増やすための家賃補助」には賛成

東大に、首都圏の中高一貫校出身の学生が多いことには、本当に強い危機感がある。
そうとう特殊な環境に

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映画のようには終わらない−−福島第一原発から帰る

いわき駅、午後8時16分。
最終品川行きの特急がホームを駆け抜けるのを、息を切らしながら見送った。

家まで帰るための最終列車がみるみる小さくなるのを見ながら、
まだ8時台なのに十分酔っ払った僕の口角は、主人の意思とは無関係に上がって笑みを作っている。

さっきいたお店で席を立ちながら流し込んだ福島の地酒が、お腹の中でカッカと燃えていて、
終電の去ったホームで立ち尽くしながら僕は、『もののけ姫

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あの日みたポケモンの名前を僕たちはまだ知らない

100円玉に100円の価値はあるだろうか。

25円くらいのコストで作られた銅とニッケルの合金。キラキラ光るあのコインに100円の価値があると思えるのは、もちろん国が信用を担保しているからで、西暦2100年にも同じようにあのピカピカした小さな円盤でパンが買えるとは限らない。

小学生のころ、もらったおこづかいを握りしめて、ポケモンパンをスーパーまで買いに行った。菓子パンそのものも美味しかったけど、

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