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うつ病で休職した話その2

うつ病になったら負け。うつ病は甘え。と言う考えだった私が、
上司から無理くりメンタルクリニックを予約させられ、門戸を叩いた所までが前回。

初めてのメンタルクリニック。
どんな人が居るのか緊張しつつ院内に入る。
そりゃ初めての精神科。もしかしたら暴れている人なんかもいるのかもしれない。
そう思いながら院内に入ったが、院内はディズニーのオルゴール調BGMが流れているだけで、
静まり返っていた。
その中を受付まで向かう。ほかの患者も数名居たが、
こちらから目を合わせようとも思わないし、
内心、他人とは一切関わりたくなかったので受付を真っ直ぐ見つめ他の患者を視界に入れることすらしなかった。
「予約していたBurisuke1023と言うものですけど…」言っている内に自然と声がか細くなる。
自分でも驚いた。

普通の内科と同じような問診票を渡され書き込む。
それを受付に持っていくと更にテストみたいなものをさせられた。
免許センターで受ける試験みたいな感じのものだった。
《あなたは死にたくなりますか?》的な事が書いてあった。
なんの迷いもなく《はい》に丸をした。
他にも色々質問があり、15分くらいかけ全部の質問に答え終わった。

待合室で待っていると横の親子連れ(祖母と娘)の会話が聞こえてきた。
娘「入院するとしても個室じゃないと嫌やから!」
婆「個室空いてないんやって…相部屋やとドライヤーとか個人のものは病院に預けて…」
娘「ドライヤーなんか他の人のやつと間違えられたら嫌や!」

そんな会話が延々と続く。正直うるさい。
ディズニーのBGMに浸らせろ。とか思いつつも、
自分ももしかしたら入院なんてことになるのだろうか…と頭を過ぎる。

「どんな症状が出て、どんな時にどんな気分になるかを聞かれる事が多いから、ちゃんと自分の言いたい事をメモしていくように!」
と前日に妻から言われていたので、携帯にメモした内容を振り返る。
最初の症状は眠れなくなった事。その他にも急に不安になったり、朝会社に行けなくなった事を等をメモしていた。
そのメモを見ていると「Burisuke1023さん」と凄い小さい、けれど澄んだ声で私の名前が呼ばれた。

うつ病は甘え。うつ病になったら負け組。
うつ病になった人は一生そのレッテルを貼られる。
社会復帰なんか無理、妻の両親に合わせる顔がない。等と考えて、ずっと避けてきたメンタルクリニック。
ついに初診の時間が来たのであった。

つづく

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