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うつ病で休職した話その6

前回までのあらすじ。
コロナの影響により人事異動を受け、夜眠れなくなる。
なんやかんやで行くのを拒んでいたメンタルクリニックに行くことになり、中等症以上のうつ病と診断される。
今自分に必要なのは投薬と休職だと言われたのであった。
その旨を上司に伝えなければならない…。

私の職場(事務所)は狭く、コソコソ話をする事も出来無い環境だった。
というよりも地獄耳を持つ輩がいる。

うつ病だという診断結果と休職を取りたい旨を上司に伝えなければならない。
しかし他の人には聞かれたくない。
上司は誰よりも早く職場に来る人だったので、
私もいつも会社に行く時間より1時間早く着くように家を出た。

電車の中で揺られながら、脳内でどんな感じで上司に伝えるか何度もリハーサルを行う。

会社に着いた。
思惑通り、上司しかいない。私がいつもより1時間早く出社した事を気にも止めていないようだ。

「すいません、今お時間よろしいでしょうか」と始める。
こちらを向かずに「ん」と一言。
「昨日、例のメンタルクリニックに行ってきたのですが…」
「あぁ、どうやった?」
「これが診断書です。中等症以上のうつ病だったみたいで…」
上司に診断書を渡す。
「そうか、どうする?休職するんか?」
「はい、すいませんが休職させて下さい」
「分かった。手続きは事務が来てからやろう。それまではいつも通りしておいて」

そこからはトントン拍子で休職手続きに入った。
事務の子が色々書類を用意してくれて、それに記入していった。
傷病手当金や会社独自の見舞金の説明なんかも受けた。

後は後輩くんに仕事の引き継ぎ。
後輩くんには申し訳ない気持ちで一杯だった。
もしかしたら、後輩くんもうつ病になってしまったらどうしようと言う気持ちも生まれた。

そんなこんなで引き継ぎも終わり、診断書を貰ったその日の午後から休職に入る事となった。

妻がよく言っていた。
「病気になっても会社は守ってくれない。何をしてくれるわけでもない。だから何よりも自分の体を大事にして」と。

そんな言葉を思い出しながら、「すいませんが休職を頂きます。お先に失礼します」といい会社を後にしたのであった。

つづく


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