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あんたのエルメスのために働いているんじゃない

「邪魔だ。あっちいっててくれ」

日本初の植物学者の牧野富太郎博士をモデルにした,朝ドラ「らんまん」を観ていたら,研究に没頭して,新婚ホヤホヤの妻が夕飯を共にしようと呼びに来たところに,集中を切らされたくない牧野氏がつい声を荒げるシーン。

妻は,「おっかさんといつも一緒にご飯を食べてきたから,ショック」みたいなことを言って,牧野氏が平謝りする展開だった。

わかるわ。

いつもいつも時間に追われて,スキマ時間に自分のことをすれば,すぐに「ママ!」と声をかけられ,集中をぶった切られる。挙句の果てに,トイレにもストーキングされ,常に探される。

「自分だけの時間」なんて,家にいる24時間中,寝ている時間以外1時間あればいいほう。

その大事な時間をかけて作ったご飯をスマホをいじりながら食べられた日には,夫にブチ切れた。わたしの時間を返せ!

時間と言えば,あっという間に2023年も半分が経過してしまった。子どもと比べて大人は,時間の経過が速く認知されることは,最近は良く知られる。

単純である。「心理的時間」の違いだ。

やることなすこと,全てが初体験の子ども達は,日常が新鮮の塊なので,時間が過ぎるのが遅く感じる。けれど,大人は全てがルーチンなので,えらくつまらない日常生活の繰り返しなのだ。

日常を「新鮮」ととらえるか,「つまらない」ととらえるか,その意味付けで,心理的時間が変わるなら,やっぱり毎日,新鮮でいたい。

おかげさまで,わたしは「やりたくない仕事」は,やらないで済んできた。

だから,クソつまらん「家事労働」は,極力しないで,仕事をしたい。

家で,家事をする時間があるならば,必要最低限にして,その時間を本を読んで資料収集したり,文章を書いたり,考えたりしていたい。

ご飯を食べたり,お風呂に入ったり,もっと言えば,トイレに行くのさえ,めんどくさいし,どうでもいい。

でもそれは,家庭を持つ女性研究者には,叶わぬ夢かもしれない。

日本の物理学者の故米沢冨美子教授さんは,子どもを2人産んでもワンオペなのに,すんばらしい研究を重ねて数々の賞を受賞し,会長も務めたなんて,マヂで論外中の論外。

そういう人がほとんどいないから,話題になるのだ。

研究時間がなくなるから,子どもは持たない選択も「あり」だ。

というか,ほとんどがそうだ。

わたしが大学院博士課程に在学中に結婚する時,修士の時の指導教授がこうおっしゃった。

「あなた,結婚するのはいいけれど,子どもを持つのは……。博士はそんなに甘いものじゃないわ」

指導教授は,お子さんがいるし,浅はかにもわたしは,「そんなわけないじゃないですか」と,一蹴した。

だけど,2~3年おきに子どもをたくさん産んでしまってから,気づいた。

「先生,やっぱり,子どもがいたらムリでした。日本で子育ては『(クリアできない)ムリゲー』なのに,研究しながら子育ては甘くないです」

数年前の恩師宛の年賀状に思わず,書いてしまった。

「●●ちゃん(メンタル夫人の名),子育てしながら学会発表頑張ってますね。応援していますよ」

学部(大学)の時の指導教授は,毎年,そうやって,年賀状にコメントを下さる。

「●●さん,頑張っていますね。読んでますよ」

生まれたばかりの赤子を親や夫にあずけて参加した某学会発表では,大御所の先生に声をかけられた。

この10年,やりたいことの100分の1もできない,ままならない自分に苦しんだ。

「結婚しても仕事は何でもいいから続けなさい。あなたたちがここで得た心理学の知識を世の中に還元して還しなさい」

高校を卒業したての18歳の大学1年の「心理学入門」の授業で,女性心理学者の大御所の教授が言った。

「先生はああいったけれど,わたし,大学で得た,発達心理学の知識は子育てで使っているから,主婦になっててもいいと思うんだ」

妊娠して仕事を辞めた大学の同級生の新居に遊びに行った時,その子はそう言った。

だけど,数年後,その子は離婚し,家を売り,実家に帰って,子どもを育てながら働いている。

「臨床心理士の資格がいづれ国家資格になる時が来るから,細々でもいいから仕事を続けておいた方がいいわよ」

臨床心理士になってすぐに勤めた職場の上司がいつもそう言っていた。

そのことを覚えていたので,出産によるキャリアのブランクは1年以上あけないようにして,細々と薄給の臨床仕事を続けてきた。

だから,勤め先の院長がエルメスやシャネルのバッグや靴をお召しになっても,「臨床経験歴」のためなので,給料がいくらかなんか関係ない。

「あんたのエルメスのために働いてるんじゃない」

内心そう思いながら,資格試験の準備をした。

そして,国家資格に一発合格した時,引き留められたけど,さっさとその職場を辞めた。もう搾取されるのはこりごりだ。

子どもを産んだことは1ミクロンも後悔していないし,子ども達のいない人生なんて想像したこともないし,わたしのビジョンにはない。

相変わらず心理の仕事は,高学歴低収入だけど,やりたくない仕事はさっさと辞められるし,自分でいくらでも小商いできるまでになれた。

子どもが高熱を出しても仕事を休めず,病児保育にあずけて出勤した時のお金は,病児保育代に消えたり,稼げば稼ぐほど保育園費の方が高かったけれど(働くママあるある)。

やっぱり,「自分で自由に稼ぐ力」は女性にとって,いつの時代も大事なお守りだと思う。


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基本的に週末は,仕事をしないで,「家庭の日」にしている。

している,というよりは,そうせざるを得ない。

家に夫がいてもいなくても,土日は家事と子どもの世話で一日があっという間に終わる。

去年から全員が小学生になったので,「24時間緊張しながら,子どもを「見守る」ような乳幼児は,我が家にはもういないけれど,それでも,3度の飯は作るし,宿題指導もする。

わたしは,子どもの教育は好きだ。だけど,教育をしながら,家事はできない。どちらも全く別の脳の働きなので,並行しながら業務なんてムリだ。

だから,家事なんて必要最低限だし,夫と共同する。

この間,あるベテラン主婦で起業家のブログを読んでいたら,「家事に2時間をかけていて,家事を終えてから仕事をする」というくだりがあった。

ひぇ~。

わたしからしたら,2時間もあったら,仕事が捗るから,毎日2時間も家事に費やすのは費用対効果が悪いコスパ。

ジェンダー学の先駆者,上野千鶴子先生は,世界的に家事労働の「外注」の方向で経済は発展してきたと説く。

1つは,家政婦。もう1つは,家電。

海外では,比較的安価なのでお手伝いさんを雇って外注化するが,日本では家電が発展したという。

だけど,


子どもはやることなすことが未経験のものだらけ。それに比べて,大人は

あんたのエルメスのために働いてるんじゃない

論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。