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トム・クルーズは“発達障害の希望の星”なのか

ちょっと前のSNSに「トップガン・マーヴェリック」旋風が吹き荒れたことを覚えておられるだろうか。

わたしが子どもの頃から,トム・クルーズはイケメン映画スターだったけど,還暦超えに見えないイケメン・ハリウッドスターとして,今の君臨しているのだから,日々の鍛錬ありきの相当な努力家だと思う。

と言うのも,彼は「ディスクレシア」(読字困難)を抱えていて,台本が読めないけれど,台本を音声支援で読んでいることも知られているから。

「レインマン」という,ダスティン・ホフマンが「自閉症」を抱えた兄役を演じた映画に出演していたこともよく覚えている。(「サヴァン症候群」といって,記憶力が異常によくて,何年も前のカレンダーを瞬時に言い当てたりする)

わたしにとって,トム・クルーズと言えば,発達障害のイケメン俳優で,「希望の星」なのだ。

彼のおかげで,「サヴァン症候群」や「自閉症」「ディスクレシア」という,発達障害への認知が進んだことも確かだと思う。

ここで,アレっと思ったかもしれない。

「ディスクレシア」も発達障害なんだ?と,思う人は,発達障害のことをわりかし良くご存じだと思う。

普通,ディスクレシア(読字困難)なんて,用語はすらすらと出てこないし,発達障害の区分けなんて,当事者や家族,あるいは精神科医療に従事する人ぐらいしか,気に留めないと思う。

という,わたしも当事者の家族で,精神科医療の従事者だ。

わたしの子どもは,発達障害児である。

と言うと,「ADHDですか?」「自閉症ですか?」ちょっと知っている人なら「ASD(自閉症スペクトラム障害)ですか?」なんて,思うかもしれないけれど,どれでもない。

そう言うと,びっくりされる。

子どもの病気の確定診断を医師から受けた時(医師しか診断はできない),わたしは聞いた。

「ということは,広義の発達障害ですよね」

「そうですね」

医師は否定しなかった。

そりゃそうである。ADHDやASDだけが発達障害ではないのだ。

だけど,すでに10数年も臨床心理士としてのキャリアを持っていたけど,公認心理師という心理学の国家資格を受験することになった。

初めての国家資格化で過去問が一切ない中,受験勉強をしなくてはいけなくて,手当たり次第に臨床系の本をパラパラとめくっていた時,心臓が止まりそうになった。

精神保健福祉士(精神科のケースワーカーという福祉職の国家資格で,わたしも一応,持っている)の参考書に「●●は,発達障害の1つである」という記述を見つけたのだ。

●●は,子どもの診断名だった。

10数年前の精神保健福祉士受験の時には,全く目に留まらなかったのは,そんな病気があるなんて,知らなかったからだし,当事者の母親になるなんて1ミクロンも思っていなかった。

いや,思っていたかもしれない。

わたしは学生時代から,発達臨床の勉強もしていたし,発達臨床のアルバイト仕事も大学院生の頃からしていて,障害児のお世話は日常だった。

彼や彼女たちと一緒に過ごした時間は,アルバイトとはいえ,とても大変だったけれど,子ども達はむちゃくちゃかわいかった。

目を話せばトイレに行って,便器の中の水に手をつっこんだり,なめていた飴をわたしにくれたり,いきなり背中に乗ってきたり,言葉が通じない世界で,子ども達の心の動きを読み,行動を予測する力が鍛えられた。

でも,子ども達と同じ視線で同じものを見たり(共同注意という),手にそっと触れてくれたり(感覚過敏だとできない),ちょっとしたしぐさで,心の機微がわかることも知った。

言葉が通じず,身辺自律(排泄など自分のことは自分でする)がまだできない子ども達のお世話は,うんちとおしっこの世界とも言え,自分の子どもが生まれた時,ひたすら,うんちとおしっこの王国の従者となったことにも抵抗が全くなかった。

というわけで,話がそれたけれど,「ADHDやASDだけが発達障害である」という認識は,狭義なのである。

厚労省のホームページにはこう書いてある。

脳の機能的な問題が関係して生じる疾患であり、日常生活、社会生活、学業、職業上における機能障害が発達期にみられる状態をいう。最新のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)では、神経発達障害/神経発達症とも表記される。DSM-5では発達障害は、知的障害(知的能力障害)、コミュニケーション障害、自閉スペクトラム症(ASD)ADHD(注意欠如・多動症)学習障害(限局性学習症、LD)、発達性協調運動障害、チック症の7つに分けられています[1]。

一般的には、乳幼児から幼児期にかけて、特徴的な症状を呈するものを言います。ただし小児期に症状が目立たず、学齢期や思春期あるいは成人に至って、学校や職場で問題が顕在化することもあります。発達障害の場合、本人の怠慢や家族のしつけ・環境などが原因ではなく、基本的に脳の機能の障害から起こります。「発達障害者支援法(2016年改正)」では「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています[2]。

発達障害の代表的なものとして、自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害があげられますが、同じ診断名でも、知的障害の有無、子どもの個性や発達の状況、年齢、置かれている環境などの様々な要因によって多彩な症状を呈します。また、自閉スペクトラム症とADHDが、あるいはADHDと学習障害が重なり合うなどの点も特徴です。経過中に、精神疾患などを呈するなど併存症、二次障害にも注意が必要となります。正確な診断ができる専門医が比較的少ないため、医療機関を含めて様々な専門機関への相談が大切です。最近はとくに、顕在化しにくい発達障害として、吃音、チック症、トゥレット症候群、発達性協調運動障害、読み書き障害が注目されています。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-049.html


DSM-5では発達障害は、知的障害(知的能力障害)、コミュニケーション障害、自閉スペクトラム症(ASD)ADHD(注意欠如・多動症)学習障害(限局性学習症、LD)、発達性協調運動障害、チック症の7つに分けられています[1]。

とあるけれど,厳密に言えば,「その他」という項目があって,非常におおざっぱな言い方をすれば,さまざまな神経発達の機能障害がぶっこまれているのだ。

「この疾患があるので影響しているとも言えます」

子どもの主治医は,なんとも煮え切らない物言いをしたけれど,でもそうとしか言えないくらい,発達障害の定義は非常によくわからない。

それゆえ,「スペクトラム(濃淡)」なのだけども,診断名も医師によって違ったり,名前が変わったり,めまぐるしい。

でも,確かなのは,ラベリングだけが全てではない。目の前の「子ども」の特性をしっかりと受け止めること。そして,相手にとって最善のケアをしてあげること。それに尽きる。

当事者の母親として,また,心理士として,ダブルのケアラー役割を担うわたしは,強く思う。

発達障害の特徴を存分に発揮するから注意することが多くて,つい「○○!」と,名前を呼んじゃうくらい,ダブル役割は,感情が入ってかなり大変だけども,わたしたち夫婦を選んで生まれてきてくれてありがとう。

あなたがお腹に宿った時,切迫早産の診断がついてやきもきした時以外,入院してもあまりにもわたしが心配をしないので,主治医が「お腹の中にいる時はいいけど,生まれてからが大変なんですよ」と,わたしをいさめたけど,わたしはやっぱり心配ができなかった。

あなたの育ちに心配する必要がなんにもなかったから,心配の仕様がなかった。今もそう。

あなたはあまりにもユニークで,次に何をするのか,心理学者としてとても気になる子どもだ。こんなにも面白い子をいつもそばで観察できるなんて,ラッキー過ぎる。

かといって,自分の子どもたちを観察して論文にした,発達心理学者のピアジュエにはとてもなれそうにはないけど。

あなたは,「なんで僕だけ,呼び捨てなの!うーちゃんって,ちゃんづけで呼んで欲しいの」って,いつも怒るけど,あなたの存在がわたしたちにとって,希望であり,何よりも得難い奇跡だといつも思っているよ。

あなたもまた,希望の星なのだ。

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論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。