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反出生主義

 先日日経夕刊コラムで哲学者森岡正博さんが、反出生主義について書いておられた。

 それはこの世に生まれてくるのはどんな場合でも必ず悪いと考えることだという。この主義によれば子供は地球に生まれなくなり、やがて人類は滅亡する。反出生主義者はそれで構わないと考える。痛みや苦しみを感じる存在が地球上から消え失せるのは素晴らしいと考えるらしい。

 長らく子供を産み育てることは素晴らしいことで、結婚した大人の債務だと思われてきた。だが多様性の世の中、子供を持たないというのも夫婦の選択肢の一つであり、そもそも一生独身というのも一つのあり方。もっと言えば同性カップルという生き方では子供は誕生しない。

 子供を生まなくてもいいんだという考えは反出生主義の一つなのかもしれない。そうして子供を持たない考え方の方が増えていけば、人口は自然と減っていく。実は人類は全体として少しずつ滅びへ向かっているのかもしれない。

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