ちゃーりー

応用化学系大学院修士卒業後、プログラマーとして働く。 現在は週5でフリーランスのエンジ…

ちゃーりー

応用化学系大学院修士卒業後、プログラマーとして働く。 現在は週5でフリーランスのエンジニアとして働きつつ、趣味でカント『純粋理性批判』を読み始め、関連文献を紹介したり翻訳したりしています。 主にカントの現代哲学への影響・科学哲学的な側面について興味を持っています。

最近の記事

(途中)Sidechainについて

こちらのPaperの概要を書いていく。 "Enabling Blockchain Innovations with Pegged Sidechains" https://blockstream.com/sidechains.pdf 課題Bitcoin以外のブロックチェーン(アルトチェーン)の開発は活発に行われているが、それらはブロックチェーン開発者全体の開発能力の分散化を招いている。 Bitcoinが充分に検討されたセキュリティや設計を持っているのに対し、アルトチェーン

    • 翻訳:「化学の哲学」 Stanford Encyclopedia of Philosophy

      Author Info: Weisberg, Michael, Paul Needham, and Robin Hendry Version Info: First published Mon Mar 14, 2011; substantive revision Wed Jan 16, 2019 化学の哲学(Philosophy of Chemistry) Introduction化学は物質の構造と変化に関する学問である。アリストテレスが紀元前4世紀に初めて系統的な論文を

      • レーヴェンハイム=スコーレムの定理とその哲学的問題

        https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/5795 読んだ。 # 内容 レーヴェンハイム・スコーレムの定理の概要解説 パトナムの議論の解説水槽の中の脳 形而上学的実在論

        • 研究テーマと今の立ち位置

          研究テーマについて 自分の関心としては「カントの自然科学論の現代的位置付け」というものがあり、カントの超越論的観念論は現代でどう評価するべきか?どのような思想的系譜に位置付けられるか?などを考えていきたいと思っている。  なぜカントなのか?というのは特に大きな意味はなく、たまたま手に取った哲学書が『純粋理性批判』だったからで、そこの超越論的感性論に惹き込まれてしまったからだ。 関連投稿 https://note.com/charlieman/n/n295974dbcf8

        (途中)Sidechainについて

          論理学とは何か:鹿島亮「数理論理学」②ー不完全性定理、シークエント計算、直観主義論理ー

          前の記事 第6章 不完全性定理いよいよ不完全性定理です。 この説では証明の説明及びその意味について書いてあります。 不完全性定理の意味 第一不完全性定理 ざっくり詳細は省いて説明します。 自然演繹体系に自然数論の公理を追加した体系Basicにおいて、以下の2つは同時に成り立たない Basicは無矛盾である どんな論理式φについても、φと¬φのどちらかは証明できる つまり、 Basicが無矛盾ならば、φと¬φがどちらも証明できない命題がある 第二不完全性定理

          論理学とは何か:鹿島亮「数理論理学」②ー不完全性定理、シークエント計算、直観主義論理ー

          論理学とは何か:鹿島亮『数理論理学』を読んでいる①

          著者 is 誰 一介のプログラマーで専門家ではない。数理論理学を趣味で勉強している。理工系大学院卒で数学などの最低限はやった模様。 以下5章までざっくりまとめ 1章 具体的な証明の例と証明図の導入 2章 構文論(シンタックス)に関する章である。構文論とは、人間や機械が記号操作的にやる世界のことである。 シンタックス(構文論) セマンティクス(意味論) この2つの違いが重要。  プログラムで言えば、ソースコードの記述ルール(文法)がシンタックス、その記述ルールを元

          論理学とは何か:鹿島亮『数理論理学』を読んでいる①

          生きる意味の哲学

          ってありますか? わかる人教えてください。

          生きる意味の哲学

          余は如何にしてプログラマーとなりしか

          こんにちは。 37歳のよわよわプログラマーのちゃーりーと申します。 自分がいままでどのようにしてプログラマーとしてなんとかサバイブしてきたかを書くことでこれからの人生どうするかを考えることにしました。 学生時代(16-27) これは直接は関係ないですが、某宗教団体の3世としてこの世に生を受けました。小学校・中学校は公立の学校へ通っていましたが、高校からその宗教団体の設立した学校へ通いました。S高校とS大学です。 その時代はプログラミングなどにほとんど興味がなく、パソコンと

          余は如何にしてプログラマーとなりしか

          翻訳:新カント主義と科学的実在論と現代物理学(ほぼ完了)

          文献 Michael Friedman, "Neo-Kantianism, Scientific Realism, and Modern Physics" 本文  カントの人間の認識能力における合理性と客観性の概念は、私が理解する限り、(その他の中でも)ニュートンのプリンキピアの成功に対する反応である。とりわけ、カントの概念化した我々の感性的直観の2つの形式(空間と時間)と我々の実体性・因果性・相互性(共通性)の純粋悟性概念は、ニュートンの絶対空間・絶対時間の概念の上で

          翻訳:新カント主義と科学的実在論と現代物理学(ほぼ完了)

          最近

          カントに関する進捗  ゼロです。中山元訳『純粋理性批判』の2巻で止まっています。脳汁が出ません。1巻を読んでいる時は脳汁が出ましたが、2巻のカテゴリー表以降、統覚のあたりらへんからよくわからなくなり、脳汁が出なくなり、読み進む手も止まりました。 論文読み  進んでません。自分の問題意識は「カントの現代科学哲学における立ち位置について」みたいなざっくりとしたことなのですが、英語論文を読むのが苦痛・面白く無いので進んでいません。 読書会はじめました。 やっている読書会 戸

          [WIP]要約「カントによる感性のアプリオリな形式としての時間と空間についての批判」

          文献 "Critique of Kant's Space and Time as A Priori Forms of Sensibility" https://www.academia.edu/9966131/Critique_of_Kants_Space_and_Time_as_A_Priori_Forms_of_Sensibility ネットに落ちていた文書 論文誌等への投稿ではなさそうだが、興味があるので読んでいる。 1. 超越論的感性論カントの理論について

          [WIP]要約「カントによる感性のアプリオリな形式としての時間と空間についての批判」

          カントの超越論的感性論とカント以降の物理学

          カントと現代物理学の関係   カントの理解をしようとした時に一番最初に躓くと思われるのは、「超越論的感性論」です。ここでは、我々の「空間」「時間」を槍玉に挙げ、それらを「感性の形式」「主観の形式」として一気に片付けてしまいます。その違和感を払拭するために以下の文献リストを作っていて、特にカント以降の物理学(ニュートン力学以降)との関係について調べています。 結論的には、以下のパターンが考えられます。 カントの認識論は現代物理学を説明できず、間違っている。 現代物理学は

          カントの超越論的感性論とカント以降の物理学

          論文要約「カントの動力学的空間論」

          書誌情報 カントの動力学的空間論 犬竹 正幸 「哲学」2002 年 2002 巻 53 号 p. 107-115,247 https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/2002/53/2002_53_107/_article/-char/ja 要旨  「カントはニュートンの物理学的な絶対空間を哲学的に基礎づけようとした」とされる通説は誤りである。『自然科学の形而上学的原理』の内容を考察することで、カントの空

          論文要約「カントの動力学的空間論」

          論文要約『カントにおける「実在性」と「客観的実在性」ー実在性としての力』

          書誌情報 掲載誌:「哲学」1996 年 1996 巻 47 号 p. 217-226 タイトル:カントにおける「実在性」と「客観的実在性」 副題:実在性としての力 著者:犬竹 正幸 リンク: https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/1996/47/1996_47_217/_article/-char/ja/ 要旨  カントにおける「実在性」と「客観的実在性」概念についての区別を論じた。また、『自然科

          論文要約『カントにおける「実在性」と「客観的実在性」ー実在性としての力』

          論文要約「二元論について」ー現代におけるカント哲学の意義

          書誌情報掲載誌:「哲学」1974 年 1974 巻 24 号 p. 78-84 タイトル:二元論について 「シンポジウム○現代におけるカント哲学の意義」 著者:山本信 リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/1974/24/1974_24_78/_article/-char/ja/ 要旨  カント哲学においては二元論が語られ批判に晒されている。しかし、「超越論的統覚」を主とするカントの二元論は

          論文要約「二元論について」ー現代におけるカント哲学の意義

          論文要旨:「カントの自然科学論における自然法則観」

          論文を読んだ上で自分なりに要旨を作成し、感想・コメントを書きました。 以下論文です。 論文タイトル:「カントの自然科学論における自然法則観」 著者:松本 俊吉 論文誌:「科学基礎論研究」1994 年 21 巻 4 号 p. 221-226 要旨  カント著『自然科学の形而上学的原理』を元に、科学哲学における主要な論点である「科学的実在論VS反実在論」の対立の根底に潜む形而上学的認識を抽出した。そして形而上学的認識なしには、両者の立場いずれも成立し得ないことを示した。

          論文要旨:「カントの自然科学論における自然法則観」