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<my story>「環境は人を変える」事を海外に出て知った。(20代~現在)

内気な私が家族を頼って日本に来て、1年後には一人で生活を始める。そこから約20年。人との会話を大切に楽しみながら仕事をしている。何が私を変化させたのか。

職業:繊維メーカー 生産管理 年齢:40代


【20代~学生時代】内気な私が姉を頼りに日本へ


中国で専門学校を卒業して、2年弱くらいは小学校の先生として働いていました。

お姉さんが日本で留学していて、大学4年生の時に日本に来ないかと声かけられ、大卒を卒業していなかった私は、日本学校に1年通い、その後大学に入学しました。

あの頃は若かったから、あまり何も考えてなかったですね。

実は思い切って日本に来た私ですが、人と話すのはすごく苦手。
親にもかわいがってもらっていた末っ子だし、性格は内気。

中国にいた頃は小学校の先生をしていましたが、すぐに顔が真っ赤になってしまって。

先生同士で話をする時にも人見知りしてしまっていたそう。

日本にお姉さんもいるし、外の世界を見てみたいということもあり、
思い切って来たんですけど最初はやっぱり戸惑いましたね。

でもお姉さんに迷惑かけたくないということもあるし、日本に来て少しずつ慣れていくようにしました。

お姉さんとは一緒に1年弱だけ住んでいたのですが、その後お姉さんは愛知県に行ったので、私は埼玉県で一人暮らすことに。
何でも自分でやるしかない状態になりました。

「苦手」と言っていられない。
コミュニケーションを自分から採るしかない。

学校の色んな行事も、手続きも色んなことを一人でやるしかない。
やり方もわからなければ聞かなければならない。
道も聞くしかない。

ある時に、お姉さんのアルバイト先の社長が「せっかく日本に来たから」
と食事に誘ってくれました。

もちろん日本で電車も乗ったことはありません。

お姉さんに何駅か書いてもらったけれど、切符はどうやって買う?
いくら買えばいい?

結局、一番高い切符を買えば間違いないからと買って、何回止まったら降りるかを聞いて、心の中で駅の数を123と数えて。

その時はなんとかたどり着きました。
今は難なく乗れますが、そんなこともありましたね。(笑)

心の中で降りる駅まで駅の数をカウントした。

【学生時代】人って環境によって性格は変わるんだ

最初1年はお姉さんと一緒に暮らしていたこともあって、何もしなかったけれど、2年目からは生活の為、居酒屋でアルバイトを始めました。

そこからどんどんコミュニケーションを自分から取るようになってきます。
「人って環境によって、性格は変わるんだ」と思いました。

特に、日本に来て3年目、自分でもよくアピールできたなと思うことがあります。

休みの日に、ぷらっと本屋さんで雑誌を見ていて、偶然日本語学校の記事が載っているのを見つけました。寮の運営などもしている会社です。

私が留学生だから、興味が湧いてきて募集も何も書いてないけれど、連絡先が載っていたからそこに連絡をして、「今アルバイト募集をしていますか?」と聞きました。

アジア系の留学生が多かったから、ぜひ面接来てくださいと言ってくれて。
それでうまくいきました。

日本に来る前の私では、想像もつかない大胆さだなと思います。(笑)

他にも、大学の中国入学生会の副会長をやりました。
留学生みんな顔を知っているくらいです。

大学は単位もすぐに取ってしまって、その後は週3回~4回、日本語学校でアルバイトしていました。
留学生の世話をしたりと事務全般。
分からないことを色々聞いて助けたりして。
募集の受付をしたり、書類をチェックしたり。
偽の卒業証書とかじゃないかを調査したり、色々とやっていました。

大学では商学部で国際貿易を勉強していました。
少し今の仕事に関係あるかなというところですが、実際に働いてみると学問と仕事とはやっぱり全然違うなという感じですね。

【就活~就職:生産管理】中国配属だと思っていたけれど。

その後、大学院に行って、ずっと今のレースのメーカーで約20年働います。

様々な種類のレースがあり、それぞれで管理の担当が分かれている。

たまたま卒業する年に、中国で新しい工場をつくっていて、その日系の建築会社の方が中国人で、共通の友人がいてその友人から就職はどうするの?と聞かれて。

自分では積極的に就職活動していませんでした。
本意は日本で3~4年ほど働いて経験を積んで、中国に帰ればプラスになるかな、くらい。
もし、日本に仕事が無ければ、中国に帰ってもいいと思っていました。

今の会社を紹介してもらい、当初は中国で名札も準備されていて、私もてっきり中国で配属になると思っていました。

でも実際の配属は日本。

入社してからすぐの頃は滋賀の工場に駐在して、生産管理の業務を、上長の補佐のような形で行っていました。

その後は、大阪本社に異動となります。
仕事は同じですが、管理している工場が変わります。
海外の工場が中心になりました。

滋賀の工場ではすぐそこが現場なので、何かあれば確認が出来ますが、外注先は視察などもして品質をしっかりチェックをして、何か問題があれば、「今から台湾行ってください。空港集合です!」なんてこともありました。

品質は厳しいですね。
何かあれば、すぐ現地です。

後は、研修も海外工場で行います。
染色やプリントについて詳しくレクチャーします。
基本的には工場の方ですが、時には公的機関の方が来られて話をするということもあります。

公的機関の方に説明会を開く事も。

レースは特殊なのかもしれません。入社以来、部署異動はありません。

【生産管理:海外①】普段の会話で信頼関係を作ることで文化の違いを埋める

仕事をするうえで大変だったことは、やっぱり意識のずれですね。
言葉や文化です。

こちらは当たり前でも、文化の違いで当たり前じゃなかったりする。

例えば、ベトナムの人はお金を出しても残業しません。
たとえどんなに忙しい時期でもです。

そんな時にはこちらで調整したり、期間を分けてできたもの少しずつ納品したり。

納品先とは日々のコミュニケーションを良く取っている為、信頼関係が出来ていて、会話って大切だなってこんな時に特に思います。

それぞれの国の文化って不思議です。
小学校の先生だった当時、日本円にしたら1か月給与は1万円もありませんでした。
でも今は、あれから約20年、今は10万円を超えています。

日本は30年ずっと変わっていない。
そんな点で行くと、中国はすごく進んでいるなと思います。

他にも中国の人は、いいか悪いかは別として、何かするときにはメリットがあればやる。デメリットがあったらやりません。

日本は、デメリットがあったら、検証検証検証。
なかなか前に進まなくて、スピードが遅いなぁと感じることがあります。

この仕事をして、色んな国があるなぁと思います。

【生産管理:海外②】色んな国の人と一緒に仕事をすることが楽しい

仕事は楽しいです。今の仕事は自分に合っているし、やっぱり20年も同じ仕事をしていて、経験も知識も積んでいるから何かあってもある程度はできます。これまでには失敗もあったけど、何とかなってきました。

私は記憶力はいい方だと思うので、毎年新しいレースが出来てきますが、品番を見たらどこのブランドかなんとなくわかるし、仕事は早い方だと思います。だから残業もほとんどしません。

特に台湾、ベトナム、色んな人と話したり一緒に仕事したりすることが楽しいです。会話して仕事につながって、信頼関係があってすごく充実していると感じています。

中国にいたころはまだ話すことが苦手だったのに、今は会話が楽しい。
環境は人を変えるんだと本当に実感をしています。

【これから先】人を育てる事をして次のキャリアを

今は役職はありませんが、リーダー役のような感じで、人それぞれ担当があるんですが、私のものプラス他の方のものも品質管理の状況を把握するようにしています。
他にも、商品企画の後、中国語でニュアンス的なものは中に入ったり。
とすると全体の流れを知らないといけないし。

仕事をするうえで、スピード感を大切にしています。
お客様から言われたことはすぐにやる。
工場から来たものはすぐに確認する。

時間通りのものを動かすこと、スケジュール組んでスケジュール通りで
行かないとどこかでズレてくるから、すぐやることを大切にしています。

普段の生活の中でも、旅行とかはちゃんと計画してやります。
段取りがちゃんとあってということの方が好きです。

先のことを考えて今何をやらないといけないとか。
会議間に合わない、会議で選んでもらえない。
等いいことはありませんから。

今やらないといけないのは先をつくること。
別のレース担当の方が二人いるんですけど、たまには二人にさせないといけないな。自らやってもらわないといけないんですけど、教育という点では、
まだまだダメですね。すぐに言ってしまいます。

うん、それはありますね。

教育。次を育てるというところがミッションのような気がします。
「ちゃんと下を育てないと、この部署から離さないよ!」と上司にも言われています。

この先、うちは製品を扱ってもいるので、インナー部にも幅を広げたいかなとも思います。
レースと比べると複雑で、仕入れ先だけでもたくさんありますからね。

少し別の世界ものぞいてみたいなと、たまーに思いますね。(笑)

Q:あなたにとって仕事とは?

仕事している私は楽しいと思っています。
でもやっぱり、仕事は生活していく上では必要なもの・手段。
60歳近くなったら仕事を辞めて、中国に帰って自分の時間とライフを楽しみたいなと思っています。
セカンドライフはまだ決めていないけど、自分の時間をたっぷりとりたいですね。
中国では余暇は習い事をしたり・学校に行きなおしたり・旅行に行って半年くらい滞在してということもしていますね。
半年は中国、半年は日本とかがいいかな。(笑)

セカンドライフはゆっくりと自分の時間を過ごしたいとのこと

Q:とっておき時間を教えて下さい。

コロナ前は海外なんかも年に1~2回、日本国内でも旅行を色々行きました。沖縄や鳥取も良かったですね。コロナ以降、友人とキャンプによく行くようになりました。奈良にもいいキャンプ場があって。最近はキャンプ飯で火鍋もやりましたよ。またそろそろ海外旅行も行きたいなと考えています。

キャンプでも辛い物を食べたいと火鍋をしたのだそう。

編集後記

これまで海外に行かれた経験は、お仕事、旅行と10カ国以上。
ご友人と旅行に行くときは、日本から、中国からとそれぞれの国から現地集合するのだとか。仕事でも海外が身近にある彼女のお話は、本当にワールドワイド!文化の違いも楽しみにながら、会話を大事に仕事をされていらっしゃる話を聞いて「日本に来るまでは内気だった」ということが本当??なんて思うほど。「環境は人を変える。」ということをお話から学びます。自分がなりたい自分になる為に、どんな環境に自分を置くか。とても大事だなと感じました。写真の火鍋、辛そうなのが目で見て分かりますが、辛いもの好きの私としては一度チャレンジしてみたいです!

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