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土鍋ごはんのすすめ

炊飯器は現代日本人にとって身近な神様だ。
火の加減を間違えれば吹きこぼれ、焦げつき、芯の残りがおこってしまう「炊飯」がボタン一つで完結するのだから。
モードを変えればお粥や炊き込みご飯、ケーキまで作れる。古来より日本にお住まいの八百万の神々にも受け入れられている証だろう。

そんな調子のいいことを言う私は数ヶ月前に炊飯器をお見送りし、土鍋をお迎えした。今回はその選択と結果を語りたい。

1.神様は気まぐれ

買ってから3年と少し過ぎた頃、なんの前触れもなく炊飯器の調子は突然悪くなった。
調べてみると買い替え時期は3〜8年ほどとのことで、どうやら私は気の短い炊飯器を迎え入れたことに気付かされた。
セールで買ったものとはいえ、老舗メーカーの8万円以上する品物で、10年使うことを想定した5.5合炊きである。

芯が残るとか分かりやすい「壊れた」ではなく、「なんとなく美味しくなくなった」という変化に気付いてしまってから、食事の満足度は大きく下がってしまった。
そこで早急に対処することとなったが、良いと思うものを買った結果が今回なのであって、何を選べばいいのか分からなくなってしまった。

単純に残額0の定額法で償却したとして約2.7万円/年。それだけあれば3合炊きの炊飯器を買える。
買うことが出来るのと、希望はだいたいの場合一致することはなく、今度は10万くらい出すかなどと血迷った案を平気で出してしまうものだ。
神様は気まぐれなのを喉元も過ぎていないのに忘れてしまうのが人間なのだと自戒しておきたい。

2.土鍋との出会い

炊飯器を比較していく中でキーワードがあることに気付いた。それは「土鍋」と「圧力」。

恥ずかしながら土鍋を購入したことがなく、調べてみると鍋料理に使うものでも十分お米は炊けるとのこと。
最初にお粥を炊いたり手間がかかるものの値段が安い。材質を選ばなければ3000円くらいから購入出来る。炊飯器に毎年注ぎ込んでいた額の9分の1
正直、それほどの価格帯であれば失敗したところで受けるダメージは小さい。

色々調べる中で購入したのがこちら。

お値段は張るものの、炊飯用とのことで吹きこぼれ防止の内蓋があったり、水位線があったりと、初心者でも簡単に美味しいご飯が炊ける要素が満載だったのが決め手となった。

土製の土鍋はIH非対応のものがほとんどだが、ラジエントヒーターであれば使えるので、是非検討してみて欲しい。

これは買ってみて思うことだが、デザインがとても美しい
収納が少ない我が家では、炊飯器が鎮座していた場所に置くしか無い。「スッキリしたキッチン」を心掛けている私には心配のタネだったが、いい方向に裏切られた。
琉璃色の釉薬がついた蓋と黒色の本体がとても落ち着いた雰囲気を出してくれ、骨董品を飾っているような気分になる。

3.土鍋ごはん生活を続けた実感

結論から言うと

  1. 和食中心になって体重2kg減

  2. 満腹感が継続するので一日二食生活に

である。
自身もびっくりしているので理由を探ってみた。

1.和食中心になって体重2kg減

現代の「和食」には砂糖も塩分も入っているし、どこがヘルシーなんだろう?とずっと疑問に思っていた。
私の想像する「和食」とは一汁三菜のことで、それぞれが野菜沢山の料理だと思っていた。
土鍋生活でいう「和食」とは一つ手間を掛けた料理(少量)と豆腐漬物である。

結果、低脂質高タンパクの食生活を得ることができ、体重減につながったのだと思う。
また白飯が美味しいので、高脂質低タンパクの食事になりがちなパンや麺を欲しがらなくなったのも要因として数えていい。

これは献立を作る上でも楽になった。
なにせ白飯がメイン級の味と存在感なので、どれだけ手間を掛けようと副菜にしかならない諦めがあるのだ。

2.満腹感が継続するので一日二食生活に

現代人は一日に何回食事をするのがベストなのだろう。
世の中にあふれる健康法は「朝食は必ず必要」「朝飯前は合理的」「一日一食で十分」「一日三食は理に適っている」「一日五食がいい」など様々だ。
結局は体質なのだろうが、我が家では今のところ二食に落ち着いている。

  • 朝は基本水分のみ。

  • お腹が空いた頃に炊飯をはじめ、おかずとともに食事をする。

  • お腹が空いたら冷飯をあたため、おかずとともに食事をする。

最初の食事を食べ始めてから、最後の食事を食べ終わるまでおよそ8時間ほどなので、自然と16時間のファスティングができていることになる。

我慢した上での結果ではなく、自然に出来ている生活の一部なのだが、胃腸にかかる負担も少なく、無駄食いもなくなったので継続できればいいなと思う。

大切なことだが、子供はこの限りではない
ダラダラ食べさせている訳では無いが、起床時、正午頃、夕方には空腹具合を確認し随時対応している。
いつ「やっぱりおなかすいた」と言われても笑顔で対応できるように冷凍ご飯を常備しているし、イモ類や切り餅、そぼろも常備しているから安心してほしい。

4.さいごに

炊飯器という神様をお見送りしたものの、土鍋という昔ながらの神様をお迎えした我が家。
もともと炊飯機能以外使わなかったので何一つ困りごとは起きていないし、いい変化ばかり起きている。
ご飯が美味しく炊けるので、外食も中食も大幅に減ったし、家がより安心できる場所になったのだ。

食に感謝できるのは幸せなことだ。
土鍋の神様は私たちにそんな当たり前のことを教えてくださっているのではないかと思う。

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