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ことばについて

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ことばについて書いた文章です
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季節のわるぐちは言わない

季節のわるぐちは言わない

梅雨が明けた。

6月に梅雨が明けるのは、関東では初めてのことらしい。ここ数日の日差しがまるで夏だと思っていたら、ほんとうに来ていたんだ。6月が忙しかったこともあり、社内では「梅雨ってあったっけ?」と、みんな急にやってきた夏に追いつけていない様子だった。

8月生まれのわたしにとって、夏のはじまりは嬉しい季節だ。肌がヒリヒリする感じ、アスファルトや土の照りつく匂い、生命力に溢れる緑。麦茶やカルピス

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こころに持つ辞書が似ているひと

好きなひとたちの共通項のひとつに「違和感のあることばをつかわない」がある気がする。わたしにとってはとても、大切なこと。

数年前、とある男の子と自宅へ向かう坂道を登っていると彼は「疲れてしんじゃう」と言った。(わたし毎日登ってるんだけど...?)と思いながら、カジュアルに「死」というワードを盛り込んでくるひとがすごく苦手なことを思い出した。いのちをおとすくらいなら、今すぐ坂道を降りて帰れと思って以

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ことだまについて

つかうことばで、ひとは、つくられていく。

それくらい、大切なことだと、わかっていたのに。水を飲むのと同じくらい、息を吸うのと同じくらい。それくらい、ことばをつかうというのはひとにとってあたりまえのことで、いのちに直結することなのだと、思っているのに。

最近のわたしは、つかいたくないことばを平気でつかったりしている。そしてそれを、誰かのせいにしようとしてる。発しているのはわたしでしかないのに、そ

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ことばの記憶

今日はほとんど日記みたいなものだけど、ことばの記憶について、書いてみます。

わたしはつい、ことばに支配されてしまうことが多々あります。
みなさんはどうですか?

むかし言われたことばを、ずーっと覚えていたりする。
今も根に持っているとか、苦しんでいるわけではないけれど、でも鮮明に覚えている。

小学生の頃、スカートを履かない子でした。なんだか照れくさくて、キャラじゃないよな、って思って、とにかく

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ことばの表情について

2 、3年前ににインタビューズでいただいた質問に、

「ひらがな、カタカナ、漢字。言葉を綴る際にこれらに対するイメージがあるのなら教えてください。」

というものがありました。

答えるのがとても楽しい、うれしい質問でした。

下記の文章は、当たり前のことかもしれないけれどわたしがなんとなく自然にやっていることを素直にことばにしたものです。

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ことばについて考えてきたこと。

わたしはいつから「ことば」を意識してきたのだろう。
きっと生まれたときからことばはそこにあって、
わたしたちは自然にそれを習得して、使ってきたはず。
でもことばは使う人によって姿を変えるし、
人を救うこともあれば傷つけることだってある。
ある人は歌を歌うかもしれないし、ある人は物語を書くかもしれない。

どこで、どうやって、みんなの道はわかれるのだろう。
見てきたもの、考えたこと、そのひとが関わっ

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