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親切じゃないケースワークって?メアリー物語④

皆さん、こんばんは。モモです^^

 毎週日曜日の夜にソーシャルワークに恋をしてともに旅する世界ー第2章ー

 第二章ということで、アメリカを舞台にソーシャルワークの歴史をたどる旅をしています。 

 夜なのでなんとなく、なるべく読んでいて「落ち着く・のんびり・なんだか安心・なんかちょっとだけ面白いかも」そんな気持ちになれるような旅物語にしていきたいと思っています^^なかなか実現できていませんが。

 初めての方はようこそ!
 たまにのぞいてくださる方、ありがとうございます^^
 リピータの方、心からありがとうございます!

 今夜ものんびりと旅をしていきます。
 理想は「アナザースカイ」のような感じ。そしていつもの旅のアテンション♪
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・一応連載ですが、この話だけでも読んでいただけたら嬉しいです。
・眠い時が寝るとき♪そんなときは、「おやすみなさい^^」
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ざっくりあらすじ


 序章では、約25回にわたって産業革命の時代のイギリスで、ソーシャルワークの源流地をたどる旅をしていました。様々な制度や人や出来事をたどる旅でした。
 
 第2章では、アメリカ東海岸を舞台にイギリスが源流地とされるソーシャルワークがその後どのようにして確立していったのか、皆さんとその軌跡をたどる旅をしているところ(という設定!)です笑

 ここで、前回の旅のまとめ(おみやげ)を紹介させてください。

前回の旅のおみやげ_________________________
 貧困救済のための手法としてのケースワーク。
リッチモンドはその体系化に取組み、ケースワークに関する様々な書籍を執筆し、ケースワークを代表する女性になった。その一方で、リッチモンドの主張を大きく否定する人が登場、その名は、フレックスナー氏。                 __________________________________

 この流れで行くと、今回は、フレックスナー氏に会うのが順当ですが、リッチモンドさんの主張を全面否定することになります…

 ということで、批判をする前に、リッチモンドさんがソーシャルワークを確立していく上で、欠かせない手法として提唱したケースワークについて、今回は、お話ししていきたいと思います。

で、改めてケースワークって何?

 前々回でしょうか、29回で初登場した「ケースワーク」。その際には、こんなことを書いていました↓

ケースワーク・・・きいたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。「全く知りません」、そんなあなたも安心してください。社会福祉用語辞典にある説明を簡単にするとこんな感じです。
ケースワーク・・・日本語だと個別援助技術で社会福祉援助の方法、ソーシャルワークの体系の1つと位置付けられている。ソーシャルワークの中心として発展したもの、原型はアメリカのCOSでの友愛訪問による個人や家族への援助のアプローチのこと。

 なるほど、つまり、便図で考えると、ソーシャルワークの円の中にケースワークが入るということですね。

 これまでソーシャルワークは、イギリスで貧困対策の中で生まれた概念です。というお話をしてきました。そして、イギリスでは、マルサス、バーネット、ブース、・・・といった人々による活動、そして主体となった彼らはは、皆、お金のある人々、そして慈善と呼ばれた活動、・・・

 何が言いたいのかといいますと・・・・イギリスでのこれまでの活動は全て、お金のある人のボランティア的な要素の強いものでした。もちろん調査の専門家の方もいらっしゃいましたが、基本的には、救いたいと思う&資金がある人が手探りで行う活動でした。

 では、リッチモンドは、救いたい&資金のある人だったのか・・・

答えは、ノーです。リッチモンドの生い立ちが気になる方は、先週の投稿を覗いていただけたら嬉しいです^^リッチモンドは、貧しい家庭に生まれた、たまたま見つけたチラシの求人を見て生活するためにCOSで働き始めた女性でした。


親切心ではなく、専門的な実践なんです

 そして、ここからがリッチモンドの活動がソーシャルワーク界の中で画期的&歴史的でソーシャルワーク界の有名人トップ3に入ると言われる由縁になります。

 リッチモンドは、1917年に『社会的診断論』、そして1922年には、『ソーシャルケースワークとは何か?』という本を書いたと以前紹介しました。

 そして、それらの著書の中で、リッチモンドは、こう主張しました。あくまでも要約ですが。

「ソーシャルワークは、ボランタリー精神のもので経験に頼って感覚的に行うものではない。体系化された理論に基づいて行われる専門的な実践なんです。」

 この考え方、ありそうでなかった画期的なものだと思います。

 イギリスでは、法律で救済を試みたり、セツルメントという形で慈善的に個々人が手探りで活動したり、実態把握のための社会調査が行われたり、様々な貧困へのアプローチがされてきました。

 しかし、リッチモンドは「個人の専門性を活かした解決手段、それがケースワーク」貧困救済の新しいアプローチ方法を提唱しました。


個人と社会、両方へのアプローチが必要?

 これまでの旅の中で、貧困の要因を個人の怠惰と考えたり、社会の変化と考えたり、いろんな考え方が登場してきました。そして、リッチモンドは、こう考えました。

 個人も社会も両方に要因がある。だから、解決するためには両方に働きかけなければならないんです。

 どちらかではなく両方、つまり「個人と社会の間に入って調整することで双方に対して解決可能な手段を提案したり、行動に移していく。」リッチモンドは、この過程のことをケースワークと呼んで理論化しました。


いつもの文字数の件について

 さて、あっというまの3000字です。ソーシャルワークの旅も30回を越えましたが、リッチモンドさんとの出会いによって、ようやく現代ソーシャルワークに直接的につながるお話になってきました。

 とっても大事なところですので、ここは焦らず、落ち着いて旅を続けていきたいと思います。

今回の旅のおみやげ_________________________
 リッチモンドは、貧困救済のアプローチとして、個人と社会の両方にその要因があると考え、双方への介入・調整・解決方法の提案が必要と考えた。そしてそれは、ボランティアではなく専門性が求められる実践活動であると主張した。
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次回の旅のアナウンス 

 今のところ、リッチモンドさんの功績を大絶賛しているところですが、前回の記事でも消化したように、フレックスナーという人物が、リッチモンドさんの考えに批判的な立場をとりました。ということで、次回は、フレックスナー氏の批判についてお話ししたいと思います。

 批判ですが、明るい批判と言いますが、結果的には、ソーシャルワークの発展につながる内容ですのでご心配なく!

 今夜は以上になります。今回も読みにくい文章にも関わらず、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。

 引き続き次の旅でお会いできるのを楽しみにしています!次の週末まで皆さん、フリースタイルで、各自いろいろ進めていきましょう。

 それではみなさん、秋の夜長、少し早いですがおやすみなさい☆彡
 また、この旅って何一体?と思った方は、先週お届けした記事をお読みいただけれるととっても嬉しいです。

前回の記事はこちらです^^


この物語全体のお話はこちらです^^


おまけ  
 この物語のアナザーストーリーはこちらのページで紹介しています。 もしご興味をお持ちいただけた方、ご意見や感想などお待ちしています^^



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