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イベント事や制作を含めた仕事柄、写真や映像で記録しておく必要性に後で気付く事が多く、‘しまったな…’と感じる時は少なくありません。
しかしながら、そこに引きずるような後悔は不思議と湧いてくる事はないのです。
この個人的な感情と仕事の性質で‘しまったな’は単に忘れていたとしても、何故にと問い質すものでもないと考えるので、別のところにあるのが厄介と言えます。

東京時代に様々な音楽制作で名高い株式会社グリオ代表の中村社長から、稀代の作曲・編曲家であり日本の歌謡界、和製ポップスをクリエイトし続けた歴史的音楽家、筒美京平氏の仕事ぶりを教えていただいた事があります。
中村社長は80年代の筒美京平作品、とりわけ船山基紀編曲仕事におけるレコーディングエンジニアを務めておられます。

あれだけの名曲を世に出しながら、作品に思い入れを持たずに、次への創作にしか興味を持たなかった職人業の極みをお聞きしました。
中村社長から「作品に思い入れがなさ過ぎるのもどうかと思うけど、でないと一々感慨に浸ってたら、あれだけの曲の数は出来なかっただろうね」
後世にとって形、記録は様々な検証や材料として価値があるものではあるものの、流行は忘れさられるものだと覚られたが故に筒美京平氏はそうしたスタンスを崩すことはなかったのだと推測できるのです。

ものの見方におけるエンターテイメントの本質は確かに忘れさられるものですが、それでも各人の記憶に過らせる事が大事だと一方では思います。
思い入れに固執せずにクリエイトし続ける…私のような凡人にはなかなか振り切れないスタイルでもありますが、本論冒頭のそうしたスタンスは解析するとやや筒美京平スタイルへの憧れが昂じて、記録にあまり重きを置かない意識に転化している節は若干ですが、あり得ます。

と言いつつも、たまに顧みる必要が生じる事もあったりとスマホ全盛の世の中は総じてアーカイブ時代です。記録は重んじられます。
時代がアナログ期は一般的に記録する事の方が珍しい事だったと思われていたとの解釈もできます。
流行と普遍の線引も案外難しいものだと思わずにはおれません。

結局、記憶を手繰り寄せながら、作業することの多さに今日も一日は時間が経過していきます。

【漁港口の映画館 シネマポスト ◎次回公開作品紹介】
12月16日(土)〜12月22日(金)迄。
フランスの至宝、イザベル・ユベール主演の社会派サスペンス
『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』
を上映いたします。
121分の緊迫感にどうぞご期待ください!


【下関名画座 次回上映作品】
「戦場のメリークリスマス 4K修復版」
(1983/日本・英国・オーストラリア・ニュージーランド/123分)

■日時
2023年12月23日(土) 
シーモール下関シーモールシアター
■監督:大島渚(「愛のコリーダ」「御法度」「日本の夜と霧」)
■出演:デヴィッド・ボウイ トム・コンティ 坂本龍一 ビートたけしほか
■音楽:坂本龍一    
■タイムスケジュール
①10:30  ②13:30  ③16:30  ④19:30
■チケット 
前売り1,100円 当日1,300円 ※全席自由
※シーモール下関1階インフォメーションカウンターにて販売中
※映画チケット購入者には当日有効の駐車場3時間無料
■協賛
社会医療法人松涛会 安岡病院
医療法人松永会 老人保健施設アイユウ
公益財団法人下関市文化振興財団
公益社団法人下関市シルバー人材センター
ももさき皮ふ科
金田博美
■問合せ 
山中プロダクション(090-8247-4407)



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