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「できること」と「やりたいこと」は違う


はじめに

クリックしていただきありがとうございます。
これは経営者が言った一言、
「できることとやれることは違う」
その一言が私の中に深く刺さりました。


それ以降、コンサルをやる上でもこの言葉を忘れたことがありません。
「あとがき」にも書きましたが、私は集中すると悪いクセが出て、色々と書きた
くなってしまい…。


と、今回は読み応えのある作品になったのでは思います。
経営者、今から経営者になる、もちろんフリーランスの皆さんも、
是非ともお読みいただいて、自分なりの考えを持っていただければ幸いです。




できることとやりたいことの意味

昔、経営者から「できることとやりたいことは違う」という話をされたことがある。
もちろん、経営者であれば、一度は自分の店で何をしようか、どんなことで人を喜ばせようか考えたことはあると思う。


そんな夢が叶う瞬間に、判断を間違えると店をつぶしかねないことになる。


経営者とは、その店(会社)を永続的に存続させることを大前提に経営をするものだ。
場合によってはM&Aや業態変換があるかもしれないが、どの業種も基本は同じだ。


ここで最初に戻ろう。
やりたいこととできることは違う。
この「やりたいこと」とは、もちろん“経営者がやりたいこと”、という意味である。
「できること」は、“店舗を実質的に営業する者(それが、=経営者であれば経営者自身ということになる。)が作業できること”という意味である。


つまり、経営者はやりたいことが頭の中に描いてはいるけれども、
作業する側ができなければ実現されない、ということだ。




経営で最初に訪れるジレンマ


これから経営をする人は想像をはるかに超えた選択の連続になることを覚悟してほしい。
その選択が今後の自分の未来、または知らない誰かの未来をも変えることになるかもしれないし、逆の選択をすれば良かったと後悔するかもしれない。


私はコンサルを通して、「後悔をする選択はしないように」と言っている。
それは私の今までの人生がそう言わせているのもあるが、“後悔をする人生
”と“後悔をしない人生”ならば後者の選択をして人生を歩んでほしいからである。


さて、ここで「ジレンマ」という言葉を使ったのには理由がある。
「やりたいこととできることは違う」という言葉がそのまま「ジレンマ」だからである。


ジレンマとは、

ある問題に対して2つの選択肢が存在し、そのどちらを選んでも何らかの不利益があり、態度を決めかねる状態。

Wikipediaより


この場合は、
経営者の「やりたいこと」と、
作業者の「できること」の二つの問題があり、
経営者の「やりたいこと」を押し通すと作業者が作業できずお店はうまく回らない。
作業者の「できること」を優先すると一向に経営者のやりたいことができず理想のお店にはならない。


このようにジレンマというのは、自然に身の回りにあるものだ。
あなたなら、上記の問題、どう解決するだろうか?




ジレンマ的な問題に悩む者


ここまでで経営における最善手をどう打てば良いか、悩ましい問題に
さらに深掘りしていこう。


急だが、これを読んでいるあなたはこの瞬間、経営者になった。
今後お店(飲食店)を出すことになり、湧き上がる気持ちに不安と緊張が入り混じる。
そろそろメニュー作成などをしなければ、おもむろに紙とペンを取り出す。
フードメニューは事前に決めてあった、ドリンクメニューもある程度。
実は、何年も前からカフェバーのような女性でも気軽に入れるカジュアルな店舗を思い描いていた。
夜営業はちょっとライトを薄暗く、BGMもかけてお酒や軽いタパス料理(小皿料理)の食事なんかたしなむくらいの小さくてもいい憧れのカフェバー。
今回の店舗は、
残念ながら、昼は別の人がカフェ営業しているらしく、夜の間貸しにはなるが、それでも何かのチャンスと思いチャレンジすることに。
小さいスペースだからこそ、お酒、タパス(小皿料理)を楽しんでこのお店に来たくなる、このお店だから通いたくなる、そんな空間にしたいと心から思った。
その空間の中で生まれるお客様同士の会話、お客様との会話を想像すると心が幸せになれる気がした。
夜営業、楽しみに胸がたかなり、数日がたった。



ともあれ、アドバイスありながら2パターンに絞ったメニュー表。

メニュー案〜パターンA〜
《フード》
 ⚫︎メイン
  ・ホットドック………日替わり(ソーセージorえび生ハム)
 ⚫︎タパス
  ・2種のソーセージ………茹でるだけ
  ・きのことエビのアヒージョ(バケット付き)…材料入れてオーブン入れるだけ
   (エビ無くなればソーセージに代用可!)
  ・フライドポテト………冷凍ものを揚げるだけ
  ・バケット………切って並べるだけ(廃棄回避!)
  ・生ハム………並べるだけ(廃棄回避!)
  ・オリーブ………皿に入れるだけ(廃棄回避!)
 ⚫︎デザート
  ・チョコケーキ………冷凍を切るだけ

《ドリンク》
 ⚫︎アルコール
  ・ワイン(赤)
  ・ワイン(白)
  ・ビール
  ・ハイボール
  ・レモンサワー
 ⚫︎ソフトドリンク
  ・コーヒー(hot or ice)
  ・カフェオレ(hot or ice)
  ・アップルジュース
  ・オレンジジュース
  ・コーラ
  ・ペリエ(炭酸水)


メニュー案〜パターンB〜
《フード》
 ⚫︎デザート
  ・しっとりなめらかパンケーキ

《ドリンク》
 ⚫︎アルコール
  ・ワイン(赤)
  ・ワイン(白)
  ・ビール
 ⚫︎ソフトドリンク
  ・コーヒー(hot or ice)
  ・カフェオレ(hot or ice)
  ・アップルジュース
  ・オレンジジュース
  ・コーラ
  ・ペリエ(炭酸水)

いろんな条件が重なり、いろんな話を経てこの二つのパターンができた。


さて、もう一度言おう。
あなたは経営者である。
そして、これからあなたが思い描いていた理想のお店を経営していくにあたり、
メニュー構成は切っても切り離せない。


ここで問いを投げかけたい。
あなたは、どちらのメニューで挑戦するだろうか?


ジレンマの行先は…?









A?




B?









ここで、謝らないといけないことがある。
いかんせん、この問題には情報が少なすぎるからだ。
せっかくのジレンマを体験して欲しく、情報を小出しにしてしまった。
実は、この問題は、以下のことを追加で考慮してもらいたい。


・夜営業の時間は19時〜24時
・経営者自身が作業者となるため、従業員はいない
・間借り中は設備を貸してくれる(フライヤー、オーブン、冷凍庫など)
・席は8席ほど


従業員がいないということは、自分一人で仕入れ、仕込み、接客、会計をするということだが、仕込むものはなく、8席なのでそこまで混雑は予想されないだろう。


こういった事情も含め考えたあなたはパターンAのメニュー表を作成した。
廃棄ロスもなくすため、食材の使い方を工夫した。


さぁ、メニュー表も完成したと思いきや、
昼間のカフェの店長からこんな話が来た。


・昼の営業に使っているパンケーキの材料をそのまま使用してもOK
・ドリンクも使いたいものがあれば使ってOK
・ただし、原価より数%上乗せで請求する


さて、どうしたものか。
昼間の食材、ドリンクをそのまま使用。
原価より数%上乗せだが、カフェは業者からの仕入れなので元々が安く、
使った分だけの請求なので正直、ロス(食材廃棄)などない。
A、Bのメニュー表に黒字にしてあるものが昼間の営業時に使用しているもの。


※使った分をどのように正確に測るかは今回は考慮しないこととする
※原価、売価の設定は今回は考慮なし


これで、全ての条件が揃った。
ここまで全てを考慮し、経営者であるあなたは、
どちらの選択をするか?


他にももちろん選択肢はある。
だが、今回はこの場合はどちらを選択するか?





迷わせるつもりはないが、
「できることとやりたいことは違う」
という言葉を経営者であるあなたに贈ろう。


迷いの果てに


ここまで読んでくれた人は少なからず、
自分の意思を持って答えを見つけたはずだ。


おそらく、最初とは違う答えになっている人も多いのではないだろうか。


選択とは、迷いの連続であると同時にジレンマの連続でもある。
ジレンマの行く先は新たなジレンマが現れる。


経営者以前に、いち一人の人間が思い描いた理想を追い求める選択が
のちの重大な出来事にならないよう、
「あなたという意思」と「経営者という目線」、
そして「第3者のような冷静な思考、分析」を常に持ち合わしてほしい。


あとがき


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
実はジレンマという問題にまで執筆するつもりはなかったが、集中するとつい悪いクセが出る。
経営者という者は常に何かの選択を迫られがちだが、それは我々一般人も同じである。


今回、題材にした問題は私が勝手に作成したものだ。
おそらく、答えはなんだという声も聞こえそうだが、この問題には正解などない。
経営自体に正解は存在しないからだ。
あなたの選んだ答えが正解であり、後悔することのないように過ごすことが全ての人に当てはまる。


多くの人は誤解を生んでいる。
今、この瞬間100%に近いくらいに正解なのかどうか知りたがる。
だが、そうでない場合もある、
今選んだものは正解かは分からないが、将来に向かう過程で正確になるものも存在するのではないかと。


その過程をどう過ごすかで、あなたの思う100の正解になるのではないだろうか。


決して、0にはならないように、後悔をしないように、
私のコンサルではしつこいながら、そう言っているのだ。




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