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短編小説【ウラとオモテシリーズ】「嘘つきな69番目の欠片・ウラ編」

※「嘘つきな69番目の欠片・オモテ編」を読んでいない方は上記のページに飛んでいただければと存じます。

公園の隅にあるベンチに丸くなって座る。この場所が定位置だ。
この場所は公園全体を見回せれるから、気に入ってる。
隣には、目が死んでいて白髪交じりの人間の男が足組んで、新聞を読みながら座っている。
「最悪”69番”が覚醒するようなことがあれば、むこうとこちらの世界を結ぶ門を閉じるとする。いいよな、”10番”?」
「ボスの判断に任せる」
男こと”1番”は新聞から目を離さず、答えた。
トルソニーの欠片は世界に散らばっており、見た目は様々。
カラスもおれば、犬もおり、将又人間の子供もおる。
ご存知だと思うが、”10番”の見た目は人間のおじさんだ。そして、わしは黒猫。
他にも、モノに化けているものもおる。キュトスの魔女に見つからないため、皆必死に様々なものに化けておるのだ。
だが、”69番”だけは、例外だ。人間の形はしているが、向こうの世界での話で、わしの魔術で人の形にしている。
”69番”は現時点で自分でどうにかできる力はないが、秘めてる力はわしら”1番”から”68番”束になっても敵わないだろう。
もしキュトスの魔女の奪われてしまった、生前より強い力を持ったトルソニーミカが復活し、わしらに対抗手段がないまま、この世界は破滅する。
そうならないように、これまで鏡の世界に閉じ込めていたが、近頃”69番”が自分の存在を理解し始め、そして力が目覚めようとしている。
”69番”がこちら側に付けば御の字だが、やつの心が読めん。
キュトスの魔女と”69番”の三つ巴は避けねばならぬ。門を閉じるのもやむを得ない。
「皆の者も、よいな?」
「イエス、ボス」
遊具、樹木、遊んでいる子供達、公園中のありとあらゆるものが返事した。

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