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紅葉

 日が暮れて数時間後。闇夜の中。紅い紅い紅葉が白くて黄色い光にライトアップされていた。闇夜の紅葉は昼間の紅葉と違った。お日さまの光に照らされた昼間の紅葉はあどけない姿をした少女の感じがした。まだ恋に落ちたときの苦くて甘いワインのような感覚を経験してない幼い少女。大人の階段を上る前の理想だけを追い求める幼い少女。
闇夜の紅葉は逆に大人の女性のような感じがした。ワインのような感覚を何度も経験し輝く大人の女性。酸いも甘いもかみ分け現実を直視する大人の女性。私はどっちなのだろうかな?考えてみる。まだ昼間の紅葉のような少女の気がする。いい年齢した大人なのに未だに心が少女のまま。心が大人になることを怖がる。少女の心に私は「痛々しい」と吐き捨てる。ワイン色の毒を心に吐き捨て睨めつけた。

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