能地 祐子

さまざまな種類の音楽を聴いて、いろんなことを言う仕事をしています。本を読んだり映画を見…

能地 祐子

さまざまな種類の音楽を聴いて、いろんなことを言う仕事をしています。本を読んだり映画を見て、いろんなことを言うのが趣味です。

マガジン

  • ノンサッチ自警団新聞archives

    米ノンサッチ・レコードを愛するノンサッチ自警団が不定期発行しているニュースレター〈ノンサッチ自警団新聞〉のバックナンバー書庫です。since2019

  • 東京スケバン日記

    ただひたすら日記です。

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    音楽や映画や本や、その他いろいろなレヴューです。

最近の記事

Council “BRIGHT FORMS”

Gabriel Kahane + Pekka Kuusisto = COUNCILつい先日、4月14日にサントリー・ホールでおこなわれた、フィンランドのヴァイオリニスト、ペッカ・クーシストさんと都響の共演が「すごかった!」と評判だ。今回の公演で、クーシストさんは指揮者としても日本デビュー。 演目はヴィヴァルディ『四季』とベートーヴェンの7番。特に『四季』での弾き振りが素晴らしかった模様。うっかり出遅れてチケット買えませんでしたが(涙)、そりゃ素晴らしかったに決まっている。19

    • 【ノンサッチ自警団新聞】RINGDOWNデビュー

      【ノンサッチ自警団新聞🗞️名曲速報!RINGDOWNデビューのおしらせ】  キャロライン・ショウとSSWのダニ・リー、公私のパートナーであるふたりによるシネマティック・ポップ・デュオRingdownがついにメジャー・デビュー 。あまりにも超絶キュートでポップで最高すぎるので、とりいそぎお知らせの号外🩷  そして、6月にはキャロライン・ショウ&ソー・パーカッションのグラミー賞コンビによる新作も出ます。先行曲が解禁となったので、こちらもとりいそぎお知らせまで。前作に引き続き、

      • 映画『ブルックリンでオペラを』のオペラ備忘録

        映画『ブルックリンでオペラを』(4/5公開)映画『ブルックリンでオペラを( 原題 : She Came to Me)』。  『ゲーム・オブ・スローンズ』のピーター・ディンクレイジが大スランプ中のオペラ作曲家・スティーヴンを演じ、その妻で精神科医のパトリシアを演じるのはラブコメ女王アン・ハサウェイ。スティーヴンが散歩の途中で立ち寄ったバーで出会う、不思議な船乗り・カトリーナにマリサ・トメイ。  ブルックリンに暮らし、犬の散歩もイヤイヤなひきこもり生活のスティーヴンが5年ぶりに

        • ジェイムス・テイラー @ 東京ガーデン・シアター

          4月6日(土)ジェイムス・テイラー @ 東京ガーデン・シアター キャロル・キングとの来日から数えると14年ぶり、ワン・ナイト・オンリーの来日公演。ほぼ、キャリアスパニングなグレイテスト・ヒッツ・ライヴ。さらには曲についての説明もけっこうたくさん丁寧にしてくれた。前半、私がソニー時代でいちばん大好きな「That’s Why I’m Here」を歌ってくれて、その前には、この曲の2番の歌詞は友人のジョン・べルーシが死んだ時のことなんだ…という話もしてくれた。ジョニ様の降臨にも

        Council “BRIGHT FORMS”

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        記事

          オーケストラ・ニッポニカ

          こんな不思議なことってあるのでしょうか。 という話を書きたいんですが。 とりあえず自分メモで支離滅裂です。 すみません。 ご存知の方もおられるように、私、英国Boosey Hawkesより個人輸入した“「バルトーク:管弦楽のための協奏曲」(1943)のポケットスコア柄トートバッグ”を愛用しております。この柄を見ていただければわかるように、まぁ、基本、音楽家の方が楽譜を入れるバッグです。 そんなわけで、説明するまでもありませんが、本来、「ツェルニー30番から黄色いバイエル

          オーケストラ・ニッポニカ

          日記。

          世の中、クソみてぇなやつもいるし、宝石みたいな人もいる。 でも、自分が変えられるのは自分だけで、クソを宝石に変えることも、宝石をクソに変えることもできない。 どんなにお金持ちで偉くても愚かな人もいるし、どんなに貧乏で偉くなくても聖人のような人もいる。 まぁ、聖人になれる人は少ないのかもしれないけれど、聖人のような人になりたいと願って生きることくらいは誰にでもできる。 うっかりクソにさわったら、自分までクソの一部分であるかのように錯覚をするよりはずっと素晴らしいじゃない

          黒田記念館 特別室

          黒田清輝の絵画を所蔵する黒田記念館では、切手で有名な「湖畔」、連作「智・感・情」、「舞妓」、「読書」という黒田の代表作が新年と春と秋の年3回、それぞれ2週間ずつ“特別室”で一般公開される。たった年3回、ですよ。つまり、たいがい「あ!そういえば!」と気づいた時には終わっている。それを「縁がなかった」と諦めるのは簡単だが、自分が本当にその絵を見たかったのならば「あ!そういえば!」はありえない。縁とは努力の先っちょにある、自分でつなげるものだ。と、ようやく特別室に行くことができたの

          黒田記念館 特別室

          【ノンサッチ自警団新聞🗞️ ヴァガボンが選ぶノンサッチの5枚】

          【ノンサッチ自警団新聞🗞️ ヴァガボンが選ぶノンサッチの5枚】 ノンサッチ創業60周年企画、まさに“レコ版Tiny Desk Concert”と大好評(←わたくしに)のyoutube企画、メアリー・ハルヴォーソン、ティモ・アンドレスに続く第三弾が公開されています。今回は、昨年9月にノンサッチからの2作目『Sorry I Haven’t Called』をリリースしたシンガー・ソングライターのヴァガボン。これでいいのだ!ライヴやMVなどではクール・ビューティーなイメージがあるけれ

          【ノンサッチ自警団新聞🗞️ ヴァガボンが選ぶノンサッチの5枚】

          追憶のマンハッタン・レコード

          おしゃれな繁華街にある、おしゃれなヤング洋品店のRodeo Crownsの前を通り過ぎようとした時、店頭のディスプレイに目がとまった。 「こ、こ、これは!?」 思わず二度見で立ち止まった私に気づいたショップスタッフの女子が、キュートな笑顔で教えてくれた。 「渋谷にある、マンハッタン・レコードというレコードショップさんとのコラボなんですよ♡」 うおー。 もちろん、現在のマンハッタン・レコードはもはやオレたちの考えるマンハッタン・レコードではないことは知っている。が、と

          追憶のマンハッタン・レコード

          【ノンサッチ自警団新聞🗞️時限爆弾だよ人生は】

          2024年3月1日 Hurray for the Riff Raff 『The Past Is Still Alive』 シンガー・ソングライター、アリンダ・セガラのソロプロジェクト“Hurray For the Riff Raff”のノンサッチ移籍第二弾アルバム『The Past Is Still Alive』がリリースされました。早く新聞書きたかったんですけど、アナログ届くの待っていたら遅くなってしまいました。このプロジェクトの録音が始まる1ヶ月前に亡くなった父親に捧

          【ノンサッチ自警団新聞🗞️時限爆弾だよ人生は】

          細かすぎて伝わらないグラミー賞(クラシカル部門)、おおいそぎ備忘録。

          毎年、年末から書き始めて、書き終わる前に授賞式になってしまう“細かすぎて伝わらないグラミー賞”note。ちなみに「グラミー賞」といっても、クラシカル部門の話です。 しかも、今年はもう、どうせ書いても間に合わねーしよー、そもそも授賞式前(日本時間の明け方)に全部発表されちゃうしよー、こんなん誰が読むんだよ、つうか、そのわりになんか微妙に間違った感じでパクられたりするしよ…と、はなから諦めて書く気もなかったのですが。やっぱり、いよいよ授賞式が近づいてくるとウキウキワクワクしてまい

          細かすぎて伝わらないグラミー賞(クラシカル部門)、おおいそぎ備忘録。

          【ノンサッチ自警団から新年のご挨拶🗞️今年はノンサッチ創立60周年㊗️】

          【ノンサッチ自警団新聞🗞️今年はノンサッチ創立60周年㊗️】 待望のメアリー・ハルヴォーソンさんのアルバムや、ブラック・キーズの新曲などなどもリリースされて、今年も正月から絶好調のノンサッチ。それなのに、当団が野暮用だの何だのに追われて今年はまだ自警団新聞が発行できていないというていたらく。ジョン・アダムズ先生の初来日公演という大事件もあったというのにね。涙。 でも、そろそろがんばって追いつきたいと思います。 なんたって今年はノンサッチ創立60周年。 いきなり盛り上がってお

          【ノンサッチ自警団から新年のご挨拶🗞️今年はノンサッチ創立60周年㊗️】

          6年半ごしの“第九“

          アラン・ギルバート指揮 “都響スペシャル“ あくまで個人の好みの問題なのだが、昔からどうしても「年末に第九」という文化が苦手。なので、どんなに好きなオーケストラや指揮者の公演でも年末の第九は観に行ったことがなかった。いや、それはそれで面白い風習だとは思うのです。「日本独自の文化のひとつとしての、ベートーヴェン」という意味でも。でも、別にクリスマスとか正月の曲でもないしね。ドラマなどにおける「喜びの歌」の高級クリソン扱いとか、年末じゃないと第九が聴けないような暗黙の了解が日本

          6年半ごしの“第九“

          『マエストロ:その音楽と愛と』、1stインプレッションのメモ

          ※当記事を無断流用するとちんこがもげます レナード・バーンスタインと妻フェリシアのあまりにも唯一無二な形をした愛を描いた、ブラッドリー・クーパー監督・脚本・主演によるネットフリックス映画『マエストロ: その音楽と愛と』。 つい先ほど発表になったゴールデン・グローブ賞ノミネーションでも、最優秀作品賞(ドラマ部門)、最優秀監督賞(ブラッドリー・クーパー)、最優秀男優賞(ブラッドリー・クーパー)、最優秀女優賞(キャリー・マリガン)と主要4部門でノミネートされましたね!おめでとう

          『マエストロ:その音楽と愛と』、1stインプレッションのメモ

          METライブビューイング2023-24第一作 ジェイク・ヘギー《デッドマン・ウォーキング》

          ※この記事を無断流用するとちんこがもげます。 METライブビューイング2023-24 第一作 ジェイク・ヘギー《デッドマン・ウォーキング》 2000年にサンフランシスコ・オペラ制作で世界初演された、現代アメリカン・オペラのマスターピース。待望のMET初演。 主役のシスター・ヘレンをジョイス・ディドナート、初演時にヘレン役だったスーザン・グラハムが死刑囚の母親を歌う…という米国オペラ界を代表する2大スターのキャスティングも含めて、これからのMETの行くべき道をはっきり示す

          METライブビューイング2023-24第一作 ジェイク・ヘギー《デッドマン・ウォーキング》

          ノンサッチ自警団新聞Vol.101

          ずいぶん前に、たぶん5号くらいまで自警団新聞の増補版をnoteに載せていたと思うのですが。気がつけばもう101号になってしまったのでどう考えても追いつかなくなってしまいました。そのうちどこかひとところにまとめようとは思っておりますが、きっとまた途中でめんどうくさくなってしまうことでしょう。なので、100号の節目も迎えたことですし、これからはSNSと一緒にここにも投げ込んでみます。忘れないようにしますが、忘れてたらご指摘ください。 そういえば、毎年、グラミー・ノミネートの頃にな

          ノンサッチ自警団新聞Vol.101