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「当事者」として考える「地域包括ケアシステム」のあれこれ

大人になると無目的に人と会うことが、どんどん無くなり男性だと、どんどん0に近づく。社会的孤立だ。

下記の論文によると、女性に比べ、男性は約2倍。もっと多そうな気もするが。

健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コホートより同居者以外との交流頻度が月 1 回未満を孤立の基準とすると,高齢者の7.4%(男性で10.2%,女性で4.7%)が該当し,週 1 回未満を含めると15.8%(男性で21.2%,女性で10.6%)が該当した。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/62/3/62_14-071/_article/-char/ja/

子供は、その逆。どんどん、いろんな人に声をかけまくる。
その結果、子供を起点に子供が繋がり、家族が繋がり、地域の家族間が繋がっていく。
誰に声をかけるかは、偶発的であり、声をかける事自体は必然的。
システムとは、真逆。

地域包括ケアシステムは、まさに目的的なモノでありコトだと感じている。それ故に、良くも悪くも目的以外には機能しないと思うし、それがシステムの限界だと思う。

地域には、様々な暮らし、現実、課題、個々の認識の違い、その地域に対する想いの違いなどがあり、変化していく。
システムが機能するには、温かな関係性がとても大きな要素だと思う。義務や責任で続くわけでもない。

最近、ぐるんとびーの健介さんは、地域のあり方を認めるために、「道徳観の再構築」だ大事だと言っていた。

システムは、世代間の対立や格差、課題に対する打ち手やそれに対する個々の認識の違いなど、様々であり一人一人の納得度には差がある。当然、地域によって差の大小があり、格差となる。交付金、補助金に頼ってきた地域の衰退は、激しくなる。一方、逆の地域もある。
だからこそ、温かな関係性が構築出来ている地域には、その人の困難さ苦しさなどが伝わり、伝播しやすい。

そのような温かさの『密度』が、結果的に安心、安全に繋がり、暮らしやすい地域になると思う。
そんな所は、人が集まり、増え、世代間の交流や多様性のある地域になっていく。

高度経済成長のように、どの地域も黙っていても人が増えた時代とは違い、これからはそれらが顕著になっていく。

幸い、自分の家は、両隣、向かいの家に同年代の子供がいる。引っ越して初めてわかった事だけど、本当に運が良かった。一緒に遊んだりすることで、親同士の交流も生まれる。人見知りの僕にとっては、なかなか難しいことでも子供がいると、きっかけが生まれる。

実はこの日は隣の子供と、朝は一緒にシャボン玉そしていたら秋刀魚を頂く。そのあとボール遊び、お昼はうちでご飯、おやつはお隣さんの差し入れで焼き芋、そのまま遊び夜はお隣さんの庭で焼きそばと、1日中一緒に遊んでいた。

子供を起点に緩やかで温かい関係性につながっている。
僕達のような、地縁のない家庭にとって、このような環境は住む上での最重要ポイントだと、子供が生まれて初めて気づいた。

こういう関係性が作りやすそうな地域が予め分かると、子育て世代の流入は増えていくと思う。僕が、移住するとしたら知りたいから。

そして、子供は区別はするけど差別はしない。子供が多い地域は、多様な人の交流が、そうではない地域と比べて多いと思う。認知症や障害なども。多様性を自然に作る可能性が高いのは、「子供」だと思う。

だから、ソーシャルキャピタルが豊かな地域は犯罪が少ないのだろう。

どこかでこんな事聞いたことあると思ったら、森川すいめいさんの、自殺希少地域の話と似ている。

自殺希少地域である旧海部町で住民アンケートをしたところ、隣近所とのつきあい方は、「立ち話程度」「あいさつ程度」が8割を超えていて、「緊密」とした人たちは約16%と少数派。一方、自殺で亡くなる人が多い地域で「緊密」とする人たちは約4割を超えていた。森川さんのフィールドワークでも、旧海部町のコミュニケーションは軽く、慣れているとありました。コミュニティが緊密になるほど、排他性が生まれ、その中に入っていけない人が孤立するというご指摘は、なるほどと思いました。https://www.huffingtonpost.jp/2016/09/04/morikawa-suimei1_n_11862926.html

つまり、子供が暮らしやすく、また育てやすい地域は、多様な人の交流が生まれ、認知され、誰もが安心して暮らし、育てられ、持続可能な地域になっていくと思う。

格差が増大し、基本的人権さえ担保されるのが難しくなっている現代においては所得の再分配が必要だ。
社会保障費の中で、各団体が財源を奪い合うような構造自体、破綻していると思う。部分の最適化、細分化による、日本の高齢社会を支えるシステムでは、いずれ限界がくるし、すでに次世代へ先送りしているという時点で、限界は過ぎているかもしれない。

僕たち一人ひとりが、出来ることを行い、意思を持って行動し、声を上げ続けることが、とても大事になってくる。

地域での交流は、まさにその一歩だと思う。

そうやって、人の顔や交流見え、現実の暮らしに直結する、「仕組み(システム)」につなげていきたい。

システムは、ソフトが無いと機能しない。また、システムは作った後は劣化する。

まずは、家族と周りの暮らしから。

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