記事一覧

生野菜チャーハン考

 調理とは、智慧の深淵に触れる行為である。未知の味覚を求め続けない限り、料理の巧者はその名にふさわしい称号を保ち得ない。 「生野菜チャーハン」  たまたま見かけ…

daigyou
1か月前

朝食バイキング

 朝からひと勝負。  朝食のバイキングにおいて、3×2のプレートの内容の芸術点を競う。  僕は和食に舵を切った。  小さく区切られたそのスペースは、小鉢の文化で…

daigyou
7か月前

なるよう

「なるようにしかならんけんね」って言葉が、なんとなく好きだと思ってた。「なるようになる」でもいいけど、「しか」のが限定されてて、若干、強調されてる。広島弁も圧…

daigyou
1年前

洗濯

毎日決まった時間に鳴る、隣人の洗濯機の振動音が、気になって、気になって、木になった! 木になってからは快適そのもの。硝子から差し込む光を浴びて、穏やかに過ごして…

daigyou
1年前

犬の哀しみ

猫について話そう。久々だから、明るい話がいい。猫は、ふてぶてしい。最寄りのコンビニに行く途中、必ず猫がたむろしている。 模様は覚えていない。今の家には四年も住ん…

daigyou
1年前
3

1000円旅行記

 耐えきれなくなって家から飛び出した。  16時頃で天気は小雨。昼までは雷雨だったから、雨が落ち着いてよかった。  16時10分、最寄りの丹波口のホームで座り込んだ。…

daigyou
1年前
2

小心が嫌になる

私は日々、様々な嫌なことに直面して嫌になっています。今日は、自分の小心が嫌になっています。 自分の小心について話す前に、当然のこととして、人生はいろんな嫌なこと…

daigyou
1年前

銀河鉄道の夜

A:「銀河鉄道の夜」って小説があるんですけどね。 B:ありますね。 A:私、思うんです。「銀河鉄道の夜」。その対義語は、「金山水道(きんざんすいどう)の朝」ではないでし…

daigyou
1年前

藤井聡太のはなし

藤井聡太が最年少五冠で話題になった。複数人から聞かれたので、藤井聡太について思ったことをまとめておく。 藤井聡太が強いのは、4、5年前から知ってることで、五冠は驚…

daigyou
2年前

この地上には二種類の人種しかいない。

この地上には二種類の人種しかいない。「頑張れ」と声をかける人と、「頑張らなくてもいい」と声をかける人である。 どちらが正しいというわけではない。どちらも必要だ。…

daigyou
2年前
1

酒の効能

飲酒について緩々と思案する。メリットとデメリットを並べて、酒を飲むべきだとキッパリと証明してみせるのだ! すぐに頭に浮かぶのはデメリットの方で、健康に悪くてお金…

daigyou
2年前
2

11/25 怒られ

先輩と雑談。 「怒られるの嫌いなんですよ、僕」と当たり前のことを言った。怒られるのが人並みに嫌い。怒られないために努力するほどではないけど、なるべく怒られずに生…

daigyou
2年前

半身浴のすゝめ

半身浴にはメリットしかない。世の中を損得勘定だけで考えている、愚かな人畜生の皆さんには是非一度試してみて頂きたい。 半身浴行うには、何よりも、作法が重要だ。半身…

daigyou
3年前
1

自己分析

自己分析なんて大層な言葉を使いたくないけど、この場を使って、自分のことを考えてみる。調べればいくらでもやり方とか出てくるだろう。でも今回は調べずに一人でしたい。…

daigyou
3年前

かみなり

かみなりが鳴ってておっかない。この前のは、音がゴロゴロじゃなくてビリビリ聞こえるほど近くに落ちた。 お腹出して寝ると雷さまにへそを取られるって。へそ取られてもそ…

daigyou
3年前

輝かしい人生

光る方法ないかなって調べたら、ほぼ全ての物質は500度ちょいまで温度上げると、可視光で光るらしい。 めちゃめちゃ代謝を良くして体温を500度以上にあげたら光り続けれる…

daigyou
4年前

生野菜チャーハン考

 調理とは、智慧の深淵に触れる行為である。未知の味覚を求め続けない限り、料理の巧者はその名にふさわしい称号を保ち得ない。

「生野菜チャーハン」

 たまたま見かけたこの文字列は、料理人でも何でもない僕の脳みそに、偉大な架空の料理人の名言を浮かばせるのに充分な鮮烈さがあった。

 チャーハンと、生野菜。

 チャーハン。この世のすべてを一度はそのうちに取り込んだのではないかとさえ思える、無尽蔵のキ

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朝食バイキング

 朝からひと勝負。

 朝食のバイキングにおいて、3×2のプレートの内容の芸術点を競う。

 僕は和食に舵を切った。

 小さく区切られたそのスペースは、小鉢の文化である和食でこそ活きる。おひたしに厚揚げ、明太子。ブリの醤油漬け。

 洋食や中華も捨てがたいが、芸術とは詰め込めばいいものではない。多方面に手を出しすぎると纏まりを失う。統一感を捨ててまで選ぶべきではない。

 米をお椀につぎ、一呼吸

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なるよう

「なるようにしかならんけんね」って言葉が、なんとなく好きだと思ってた。「なるようになる」でもいいけど、「しか」のが限定されてて、若干、強調されてる。広島弁も圧があっていい。

ただ、よく考えると別に何も言ってないような。なるようになる。そりゃそうでしょ。

将棋の大盤解説の「ここでどう指すかですね」、「いい手があればいいんですけど」を聞いた時の感覚と似てる。そりゃそうでしょ。そりゃ、どう指す

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洗濯

毎日決まった時間に鳴る、隣人の洗濯機の振動音が、気になって、気になって、木になった!

木になってからは快適そのもの。硝子から差し込む光を浴びて、穏やかに過ごしています。

人として20有余年、過ごしてきましたが、木としては生まれたばかりの新入りです。先輩方、どうぞよろしく。

いつかドデカい実をつけることを夢見ています。私は木です。人じゃあないです。探さないでください。

耳栓をして、眠ることに

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犬の哀しみ

猫について話そう。久々だから、明るい話がいい。猫は、ふてぶてしい。最寄りのコンビニに行く途中、必ず猫がたむろしている。

模様は覚えていない。今の家には四年も住んでいるのに、彼ら、誰が誰だか。覚えようとも、これっぽっちもしていない。お互い様だ。

どこの家でエサをもらってんだか知らないが、随分と恰幅が良く、運動神経が悪い、というよりは近寄っても動じないあの態度は、その神経が太いのだろう、ずんぐりと

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1000円旅行記

 耐えきれなくなって家から飛び出した。

 16時頃で天気は小雨。昼までは雷雨だったから、雨が落ち着いてよかった。

 16時10分、最寄りの丹波口のホームで座り込んだ。どっち向きの電車に乗るかも決めてない。遠くに行きたくなって家を出たが、すでに帰りたかった。一泊する気で着替えもリュックに詰めたから、もう少し頑張ることにした。京都駅に向かった。

 16時20分。京都駅には人が多くて、何で僕がこん

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小心が嫌になる

私は日々、様々な嫌なことに直面して嫌になっています。今日は、自分の小心が嫌になっています。

自分の小心について話す前に、当然のこととして、人生はいろんな嫌なことがあるわけです。事実です。これは間違いない。

その嫌なことの大部分は自分のせいで、しかし、その自分は、数え切れぬ程の外的な要因で成り立っているわけですから、つまりそれは私のせいじゃないわけです。強いて言うなら皆さんのせいです。

とまあ

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銀河鉄道の夜

A:「銀河鉄道の夜」って小説があるんですけどね。

B:ありますね。

A:私、思うんです。「銀河鉄道の夜」。その対義語は、「金山水道(きんざんすいどう)の朝」ではないでしょうか。

B:「金山水道の朝」?

A:そうです。銀の河の反対が「金山」で、鉄の道の反対は「水道」でしょう。夜の反対が朝で、合わせて「金山水道の朝」。

B:そーー、、うですかね。「銀河」の反対が「金山」なのは、なんとなくわか

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藤井聡太のはなし

藤井聡太が最年少五冠で話題になった。複数人から聞かれたので、藤井聡太について思ったことをまとめておく。

藤井聡太が強いのは、4、5年前から知ってることで、五冠は驚くべき結果ではない。むしろ、将棋のファンからは、「やっとか」と思う人もいるだろう。そのくらい藤井聡太の強さはデビューからずっと隔絶していた。

29連勝ほどのインパクトのある連勝はないが、生涯成績が八割を超えていて、ずっと勝っている。勝

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この地上には二種類の人種しかいない。

この地上には二種類の人種しかいない。「頑張れ」と声をかける人と、「頑張らなくてもいい」と声をかける人である。

どちらが正しいというわけではない。どちらも必要だ。どちらの人種とも仲良くなっておくべきである。

時期に合わせて二つの人種を使い分けて、「頑張れ」の一言が欲しい時は、頑張れって言いそうな人に話を聞いてもらう。逆もまた然り。

「頑張らなくてもいい」と言われたい時もあるものだ。頑張れそうか

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酒の効能

飲酒について緩々と思案する。メリットとデメリットを並べて、酒を飲むべきだとキッパリと証明してみせるのだ!

すぐに頭に浮かぶのはデメリットの方で、健康に悪くてお金もかかって依存性があって、なにより飲むと馬鹿になる。

じゃあメリットは何か。何か。何だ?
そんなこともあろうかと、少し前に酒を飲んでいる。自分の状態を見ればメリットが一目瞭然。明快、明快。「楽しい、美味しい、嬉しい、可笑しい!」これが酒

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11/25 怒られ

先輩と雑談。
「怒られるの嫌いなんですよ、僕」と当たり前のことを言った。怒られるのが人並みに嫌い。怒られないために努力するほどではないけど、なるべく怒られずに生きていきたい。
先輩から、「怒られるのに慣れといた方がいいかもよ。人生怒られることいっぱいあるだろうし」と言われて、言い返した。「そうかもしれませんけど、そういうんじゃなくて、僕はただ、怒られたくないんです」
こういう、なにか理屈のある指摘

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半身浴のすゝめ

半身浴にはメリットしかない。世の中を損得勘定だけで考えている、愚かな人畜生の皆さんには是非一度試してみて頂きたい。

半身浴行うには、何よりも、作法が重要だ。半身浴は精神集中の場であり、瞑想であり、即ち禅である。

座禅における作法の一つとして、法界定印という手の組み方がある。あぐらの時に、手の甲を下に向けて重ね、親指で円を作る印である。どういう意味があるかは私は知らない。各自で調べておくように。

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自己分析

自己分析なんて大層な言葉を使いたくないけど、この場を使って、自分のことを考えてみる。調べればいくらでもやり方とか出てくるだろう。でも今回は調べずに一人でしたい。自己分析するならば、まずは一人になりたい。

何から手をつけよう。分析って要するに、細かく分解して理解していくわけでしょう。自己を?どうすればいい?

まず腕を外して、足も付け根で切り離して、内蔵も一つひとつバラして、水洗いして。お酒を飲む

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かみなり

かみなりが鳴ってておっかない。この前のは、音がゴロゴロじゃなくてビリビリ聞こえるほど近くに落ちた。

お腹出して寝ると雷さまにへそを取られるって。へそ取られてもそんなに嫌じゃない気がする。痛みを伴うのかな。それなら嫌かも。

へそって別にいらなくない?特に使ったことがない。生まれた時に使ったくらいか。あの時が最初で最後だろう。

小学校のころ、友達のでべそを見て、「でべそってほんとにあるんだ!」っ

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輝かしい人生

光る方法ないかなって調べたら、ほぼ全ての物質は500度ちょいまで温度上げると、可視光で光るらしい。

めちゃめちゃ代謝を良くして体温を500度以上にあげたら光り続けれるのではないだろうか。無理だけど。

加熱して温度上げるなら可能性はあるかな。全身だと間違いなく死んでしまうから、体の一部だけ瞬時に500度くらい上げる機械を作ればいけるかも。

別の光る手段も考えてみる。蛍光塗料で刺青入れてみるとか

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