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豆の上で眠る/湊かなえ




 
『主人公・結衣子の2歳上の姉・万佑子は小学生の頃に失踪(誘拐?)。
失踪二年後に万佑子は見つかるが
祖父母と妹の結衣子は違和感を感じていた。
偽者の姉じゃないか、と。
あなたは本当に万佑子なの?それとも………』
 

あらすじはこんな風に書かれている。

 
タイトルから、アンデルセン童話の「えんどうまめの上にねたおひめさま」がモチーフなのかな?と思ったが
やはり物語で重要な役割を果たしている。

 
物語の中で大多数の人がこの話を知らないが
う~ん、確かにあまり有名ではないのかな?
私も2歳上の姉がいるし
姉とこの物語の話をしたりもしたから
記憶に重ねながら読んだ。
 
 
読んでいると久々にパナップが食べたくなる。
私と姉は共にグレープ派だ。
 
 
読み進めていく内に
多分○○は嘘をついていて
ミスリードで
恐らく△△が××なんじゃないかと思ったら
見事に当たった。わぉ。

大体最初から○○はうさんくさいっていうか
友達になりたくないタイプだわ。

 
いや、これはなんかあれだね、結衣子がかわいそうだわ。
家族の一番の犠牲になっちゃった感じ。
母親にとっての結衣子と万佑子ってなんだろう…と思うし
××のとった行動が共感できんわ。

 
小説が長々と続く割には××の心情は上手く描かれていなかったような…
本当の気持ちを隠していたってことさえ隠していたにしても
読者に上手く伝わらない。
 
 
万佑子が病弱だった理由にはなるほどとなったが
失踪後に見つかった時のやせ細った感じや顔立ちや声の理由がいまいち説明つかん。

 
読みながら思った。
私もきっとお姉ちゃんと2年離れていても違和感は分かる。
そんな自信がある。
 
 
現在と過去が同時進行で書かれていて
時々ん?わかりにくいなぁ…と感じることもしばしば。
回想シーンがやや長くてだれる。
後半一気に結末に向けて動き出したので
前半はこんなにページをさかなくてもよかったような印象です。

オチの一文が主題なんだろうけど

え?それを最後にもってくの?
へ?
いや、そんなん最後に言われても。
あ?これで終わり??うそーん。

と、読者置いてきぼり。

オチと、それまでの内容が上手く噛み合っていない感じ。
いや、なんかこう、作者が伝えたかったことはちりばめてあったり、伏線してあったんだけど
…うーん、やっぱり主人公がかわいそう。
母親と姉がひどすぎて共感できん。
おばあちゃんはきっと真相を知っていたか気づいていたんだろうなぁ…。
 
 
皮肉だけど、これを読んだら
「八日目の蝉」が恋しくなった。


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