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組織の2つの流儀「バイモーダル」、そして「ガーディアン」という役割

前回は組織であるあるな二極化を「ビジョン・ミッション・バリュー」に当てはめて考えてみましたが、今回は「バイモーダル(2つの流儀)」という視点で組織の二極化を考えていきます。

前回の記事へ、興味深いコメントを頂きました。
(みなさんのご意見・感想とても勉強になります!ありがとうございます!)

「バイモーダル」と「ガーディアン」というワードが気になって、調べてまたひとりごとのように考えてみました。

バイモーダル=2つの流儀

検索すると「バイモーダルIT」というのが出てきた。情報システム界隈で、ガートナーという方が提唱されたもので「2つの流儀のIT」と言うそう。

ITと入ってくるので、たけてつさんの広義なバイモーダルから少し反れてしまうかもしれないが、今回情報システムのお話しではないので、概要部分だけ掻い摘む。

さらっとバイモーダルITについて・・・
“ガートナーは「バイモーダルIT(2つの流儀のIT)」を提唱しています。情報システムを、主に企業内の業務を対象に効率化や合理化のために構築されてきたシステム群と、モバイルやIoTなど新しいデジタル技術を生かして従来は存在しなかったことを実現するために構築されるシステム群の2つに大別し、それぞれに適したやり方で構築・運用するアプローチですね。”(引用元:企業は今こそ「バイモーダルITを」、ガートナーのトップアナリスト | IT Leaders

モード1とモード2

この2つの流儀を「モード1」「モード2」と別けていて、
・モード1:守りのIT、安定性重視
・モード2:攻めのIT、スピード重視

で、海外では「侍」と「忍者」とも比喩されるそう(笑)

それぞれ特性に着目した。

モード1:予測可能型
方針が確定した後に、軍隊的な統率力で実行する力がある
(効率化・コスト削減)
モード2:探索型
方向性が見えない状況での探索能力や機動力がある
(差別化・利益拡大)

このバイモーダルIT自体が意図的に別けるアプローチだが、特性をみていくと、組織あるあるな二極化の特性にも当てはまる。面白い。

それで、ここからが一番「おお!」と思ったポイント。

相容れない存在

二極化したときのお互いの印象・・
・モード1:モード2は「チャラい・軽い・無責任」だよね
・モード2:モード1は「古い・遅い・頭が固い」だよね

上記でいろいろ参考・抜粋させていただいている「バイモーダルSIビジネスのすすめ」にも書いてあるように、土台のような根本のような文化・思想レベルで違うので、対立が起きる。

ちなみに・・
上記URL先の記事内では、もはや同じ組織に閉じ込めるの難しいから、別会社にしたほうがいいと書いてある(笑)
このガートナーが提唱したバイモーダルITは、そもそもこの2つのモードの管理やオペレーションを別けようという考え。( でも実際は現実的ではないので最近はDevOps2.0という考え方が出てきているそう。)

バイモーダルITでは、もはや潔くモード1とモード2は相容れないことを前提としている。そこで重要なのが「ガーディアン」という役割。

調整役の「ガーディアン」

ガーディアン
モード1とモード2、双方に敬意を払いつつ間を取り持ち、調整を行う役割

直訳してしえば、そのまま守護者になるわけだが、じつは前回カフェで一緒に話していた例の友人が「ガーディアン」だった。

ただ、冒頭でたけてつさんがおっしゃっていたとおり、このガーディアン役はほとんど組織で評価をされていない印象がある。友人もそれに悩んでいたが本人は必要性を感じていたので、粛々とその役割と担っていたそう。

このバイモーダルITのように、もはや戦略としてガーディアンの役割を置くのならいいのだが・・。そうでなければ、ガーディアンは影の立役者なので、全然目立たない存在だろう。

対立が起きないように調整している役と聞いて、あなたの頭にも会社でそんな役割をしている人が思い浮かばないだろうか?または、あなた自身かもしれない。

バイモーダルITも一つの道具に過ぎない

“「万能薬は存在しない。あるのは、企業に属するITプロフェッショナルとして満たすべき、より大きなビジネス目標だけだ」と同氏は述べている。「バイモーダルITは道具の1つにすぎない。賢いやり方は、このツールが何を意味しており、どう使えばビジネスの働きを改善できるかを考えることだ」”(引用元:「バイモーダルIT」はバズワードではない--いかに実践するか - (page 3) - ZDNet Japan

今回、少し調べたバイモーダルITという考え方も、一つの道具にすぎない。

そもそもの仕事の流儀、文化、思想が違う中。それこそネットで国境でさえ曖昧になっていく未来。

ますます多様になっていく世の中で、少しだけでも互いの見方を変えるだけで互いの印象も変わるはずだ。

カフェで話し込んだ私と友人が一致していた想いは、
「そんなお互いのこと敵視しなくていいのにね」だった。

この組織での二極化は、前回私が書いたものへ、多くの人が「あるある」と思っていた。そんな「あるある」が、時代とともにこれからもっと広く深くなっていくように感じて、とても怖い。

じつは、この組織の二極化あるあるはもっと掘り下げて考えて、実践していかないとならないのかもしれない。

昨今、話題になっているデザイン組織であったり、組織やチーム内のUXだったりも、やり方や事例を鵜呑みする前に、まず自分の周りの現状がどうなっているのか?どういう違いや問題があるのか?を目を背けずに向き合うことが、まず最初のステップのように思う。たぶん、向き合うとすごく怖いものだからこそ。

<参考・引用元の記事>
バイモーダルSIビジネスのすすめ | ネットコマース株式会社
「バイモーダル」とは|IT部門2分化と必要な理由|フリエン 
(この辺の情報、ネットでも書籍でもまだまだ少ない印象でした・・。)


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