図1

「弱まるトランプ氏の威勢」から

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3点に注目したい。
 1.ネジレの影響は大きく、内政的派手さはなくなる。
 2.外交、特に中国対応に集中する
 3.確かな点数稼ぎを、中国にテック覇権を獲らせないことへと接続させる。
代表関連記事 NHK NEWS WEB 2月6日公開
https://www3.nhk.or.jp/news/special/45th_president/articles2/special/the-state-of-the-union-address/index.html
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A ド派手に動いていたトランプさんの勢いが弱まっている。強気のオーラ(雰囲気)も弱まって見える。


B 一般教書演説が行われたが、その内容は、「拍子抜け」と言わざるを得ない。


A ねじれた議会の構造に直面し、2020年の再選を至上命題に据える中で、トランプさんの威勢の良さを封印せざるを得なくなっている。


B 一般教書演説に向けた活動の中で、今までとは異なり、下院多数党としての共和党という座を失った影響がもろにでている。例えば、政府機関の閉鎖。民主党・ペロシ下院議長の壁を破壊することはできず、2月15日までの閉鎖解除に応じざるをえなかった。


A 内政を強引に懐柔するのは非現実であり、再選に向けたアクション(点数稼ぎ)は、外交側に傾いていく。


B 重要な外交先は複数ある。中国、北朝鮮、ロシア・・・。


A 中国については、習近平が譲歩案を繰り出してくるのが自然である。貿易戦争での体力勝負では中国は勝てない。中国の最大の弱点である「蓋」もはずれようとしている。貿易戦争を激しくすることなく、適度に譲歩して引き下がりながら、民衆へのPRを強化し「蓋」を強固にする。そのうえで、テックと軍事の覇権は別ベクトルで採りに来ると考えるのが妥当だろう。(参考:過去記事*0)


B トランプさんとしては、貿易戦争はアメリカ有利な条件を飲ませたという「成果」を確実に引き出せる。それとは別に、一帯一路含めた中国の実効支配に対して、対策を強化していくことになる。


A このときに、ロシアが生きてくる。プーチンさんは聡明だ。一方で、嘗ての栄光を取り戻したいという焦りも見え隠れしている。この状況をトランプさんが利用しない手はない。利用を利用できるのがプーチンさんである。


B トランプさんが最大のアピールを国内に発し再選するためには、確実な成果が必要になってくる。中国に対する貿易戦争の勝利だけでは不安。そこで、中国のテック・軍事覇権を抑え込むための同胞が必用になる。その役割を担うのは、ロシアであろう。


A 私がトランプさんであれば、プーチンさんとの水面下での連携を強化する。いかにして、中国を封じ込めるのかを画策する。ロシアとの間にも多数の問題が存在しているが、表面上は適度に対応(制裁など)を繰り出しておくが、本腰は入れない。ヤルベキは、中国を落とすことである。


B 追い込まれる中国はどうするか。同胞(反米国)集めに走るのは間違いないだろう。その過程で、北朝鮮への水面下支援を強化して、北朝鮮の対米圧力(わがまま、傍若無人な行動)を高めていくようにコントロールする可能性はある。


A 中国の抱える問題は多い。しかも、どれも巨大な爆弾のような破壊力を持つ。格差問題、不動産価格と空き家問題、蓋、ゾンビ企業、民間債務、テック・モノヅクリバブルの崩壊、人民元安定性。これらは全てトランプさんからみれば、「攻撃していいの?」という弱点であり、アメリカの戦略自由度をあげる要素になっている。


B トランプさんは、中国のこのような状況をみながら、的確に複数の攻撃を繰り出し、再選への確かなポイントを稼ぐことができる。そして中長期的に、世界を支配するハイテク覇権(含、軍事覇権)を中国に獲らせないことを実現できる立場に、ある。

 

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「米中貿易戦争加速」から
 https://note.mu/dialogue_of_j/n/n9ccbcad2ad26

「JHICCへの製品輸出制限」から
 https://note.mu/dialogue_of_j/n/nca7323fca214

「中国膨れる負債総額」から
 https://note.mu/dialogue_of_j/n/nce77ec770308

「華為製品の不使用を要求」から https://note.mu/dialogue_of_j/n/n9a35285782f1

/2018.02.08 JK

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