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毎日の日記と能管についての記録

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記事一覧

西哲生の聞書き近代能楽私史の出演能楽師一覧(36回まで)

国立能楽堂が毎月発行しているパンフレットには「西哲生の【聞書き】近代能楽私史」という3〜4ページほどの記事が不定期で連載されている。能楽師の聞書き、つまりインタビ…

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2年前
7

最近の進捗(〜2020/9/9)

・某家に伝わる能管・伝書・書付類を見せていただく機会があった。書付には能管の作者やどこから譲渡されたかなども記録されていた。デジタルアーカイブ化について申し出た…

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3年前
4

銘管「橘」について

以前、別記事で一噌庸二師がかつて愛用していた笛が「たちばな」という銘であったことを紹介した。 その時は「たちばな」について全く知らなかったのだが、その後売立目録…

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3年前
3

銘管「千鳥」について

前回の記事で銘管のうち一噌の十六管の一つとして、千鳥を紹介した。 千鳥はシテ方観世流や笛方森田流のモチーフとして使われることから、よく聞く銘の一つである。今回は…

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3年前
6

銘管「たちばな」「玄笛」「鬼一文字」および一噌の十六管について

国立能楽堂パンフレット令和二年七・八月号に一噌庸二師のインタビューが掲載されている。能楽囃子研究の第一人者である高桑いづみ氏リードのもと、師の生い立ちや師匠であ…

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3年前
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能管一管曲としての津島

津島という曲がある。能管のみで演奏する上演形式があり、これを一管(いっかん)という。単に独奏というだけではなく、通常吹かれている曲にアレンジを加えたものを演奏し…

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4年前
8

200604 日々の意思決定

意思決定の最適化について考えている。 複数の選択肢がありどれが最適かわからないが、定期的に選択を求められる状況はたまにある。 よく話に聞くのは配偶者にかける言葉の…

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4年前

200603 出張

出張で福岡へ。前日の夜に東京を発ったのだか、運行状況はこんな感じだった。 仕事柄、地方への出張はほとんど無いが注意しよう。出張の準備を大抵ぎりぎりにしてしまうた…

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4年前

銘管あらしこ、そしてはまならし

「あらしこ」という銘管がある。 明和年間(1764-72)の記録である七十種銘管録に記載されている一管で、そこには宜竹作、森田庄兵衛所有とある。 宜竹は能管製作の名人で…

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4年前
6

田中一次師年表

能楽タイムズ昭和56年10月号、梅若昭和56年11月号に田中一次師の追悼記事が掲載されていた。 いずれも充実した記事であり、特に梅若の方は佐伯実師、松山長昭師、井上基太…

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4年前
3

191014 関口遺稿鼓笛鑑

生田コレクションの図録を読んでいたら参考資料として「関口遺稿鼓笛鑑」が言及されていた。この図録に詳細の説明はない。 国立国会図書館の検索にかけると「皷筒之鑑定」…

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4年前
2

190909 能楽座と台風

台風一過。異常に暑い。 電車の混雑と暑さで、少し外出しただけで一気に体力を奪われてしまった。 しばらく日記をつけていなかったが、再開したいと思う。 この週末は土曜…

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4年前
3

190809 三鷹

快晴。朝少しオフィスに行ってその後は休み。 武蔵野大学能楽資料センターの公開講座を聞きに行く。藤田流笛方の竹市学師をゲストに研究員の方が話を聞いていくスタイル。…

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4年前

190808 霞ヶ関

快晴。ここまで晴れが続くと心配になるが太平洋高気圧ががんばっているのだから仕方がない。夕方から霞ヶ関へ。実に疲れた。 毎日のように流れてくるハードルをなんとか超…

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4年前

190807 浜松町本郷

快晴。朝から移動が多く、歩いているだけで体力を奪われる。この暑さでエアコンをつけない人がいるというのが信じられない。夜は風が出るから昼だけどこかで涼んで家ではつ…

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4年前

190806 小伝馬町

快晴。台風が新しく生まれたおかげで太平洋高気圧の勢力が強まったらしい。週末は舞台なのでそこまで天気がもってくれるとありがたい。 久々に外出なしの作業日だ。面談と…

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4年前

西哲生の聞書き近代能楽私史の出演能楽師一覧(36回まで)

国立能楽堂が毎月発行しているパンフレットには「西哲生の【聞書き】近代能楽私史」という3〜4ページほどの記事が不定期で連載されている。能楽師の聞書き、つまりインタビューで生い立ちや師匠のこと、これまでに受けてきた教えなどが語られている。地方で活躍する能楽師に焦点が当てられているのが特徴であり、なかなか他では聞けない芸談が掲載されている。非常に貴重なインタビューなのだが、もう50回を超えているにもかか

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最近の進捗(〜2020/9/9)

・某家に伝わる能管・伝書・書付類を見せていただく機会があった。書付には能管の作者やどこから譲渡されたかなども記録されていた。デジタルアーカイブ化について申し出たところ快諾された。非常に嬉しい。

・デジタルアーカイブの方法について先行研究(最近だと観世家文書)を確認しながら、方法論を整理している。生来雑な性格なので手続きに落としておかずに思いつきで動くとせっかくの資料を散逸させてしまうことになる。

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銘管「橘」について

銘管「橘」について

以前、別記事で一噌庸二師がかつて愛用していた笛が「たちばな」という銘であったことを紹介した。
その時は「たちばな」について全く知らなかったのだが、その後売立目録を調べていると興味深い記録が見つかったので今回紹介する。

売立目録とはそもそも売立目録に馴染みのない人がほとんどだと思う。
売立とは今でいうところのオークションである。
明治以降、財政的に困窮した旧大名が所有する道具類を売立会で盛んに売却

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銘管「千鳥」について

銘管「千鳥」について

前回の記事で銘管のうち一噌の十六管の一つとして、千鳥を紹介した。
千鳥はシテ方観世流や笛方森田流のモチーフとして使われることから、よく聞く銘の一つである。今回は各種文献等に残る「千鳥」という笛についてご紹介したい。

(公開から1週間経過したため有料公開に変更しました)

一噌の十六管の千鳥(および春日流の遅櫻について)一噌の十六管における千鳥は前回記事の一噌又六郎の談話を見ると「薩州税所七左衛門

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銘管「たちばな」「玄笛」「鬼一文字」および一噌の十六管について

銘管「たちばな」「玄笛」「鬼一文字」および一噌の十六管について

国立能楽堂パンフレット令和二年七・八月号に一噌庸二師のインタビューが掲載されている。能楽囃子研究の第一人者である高桑いづみ氏リードのもと、師の生い立ちや師匠である藤田大五郎師のこと、これからの一噌流のことなど語られており、能笛を稽古されている人なら一噌流でなくとも必見の内容となっている。このインタビューの中でなかなか他では語られない「銘管」についても言及されているので、今回は言及のあったものについ

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能管一管曲としての津島

能管一管曲としての津島

津島という曲がある。能管のみで演奏する上演形式があり、これを一管(いっかん)という。単に独奏というだけではなく、通常吹かれている曲にアレンジを加えたものを演奏したり、一管でしか演奏しない曲がある。そのような一管専用曲の一つが津島だ。今回は津島に関して公開されている情報を簡単にまとめておきたい。

現存する能の笛方の流儀には森田流、一噌流、藤田流の三流があり、津島はどの流儀においても最奥の秘曲として

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200604 日々の意思決定

200604 日々の意思決定

意思決定の最適化について考えている。
複数の選択肢がありどれが最適かわからないが、定期的に選択を求められる状況はたまにある。
よく話に聞くのは配偶者にかける言葉の最適化だ(私に配偶者はいない)。
「素敵だね」「きれいだね」「愛してるよ」の3種から毎日言葉を選んで累積報酬を最大化したい。バンディットアルゴリズムが使えるのではと直感的には思うものの課題が2点ある。
1.報酬の測定方法
2.意思決定と報

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200603 出張

200603 出張

出張で福岡へ。前日の夜に東京を発ったのだか、運行状況はこんな感じだった。

仕事柄、地方への出張はほとんど無いが注意しよう。出張の準備を大抵ぎりぎりにしてしまうため、前日に予約しようとして青ざめることになりかねない。

今回は大名のホテルに泊まったが近くにweworkがあった。

ホテルに到着したのが22時を過ぎていたのだが、大名付近は女性のみの団体や独り歩きばかりで驚いた。遅い晩ご飯を食べるため

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銘管あらしこ、そしてはまならし

銘管あらしこ、そしてはまならし

「あらしこ」という銘管がある。
明和年間(1764-72)の記録である七十種銘管録に記載されている一管で、そこには宜竹作、森田庄兵衛所有とある。
宜竹は能管製作の名人で様々な銘管にその名を残している。
森田庄兵衛は森田流宗家にかつて引き継がれた名前で初代〜五代、七代が名乗っている。
どの庄兵衛かはわからないが森田流宗家が持っていた笛ということで良いだろう。
この「あらしこ」、白洲正子の随筆にも出て

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田中一次師年表

田中一次師年表

能楽タイムズ昭和56年10月号、梅若昭和56年11月号に田中一次師の追悼記事が掲載されていた。
いずれも充実した記事であり、特に梅若の方は佐伯実師、松山長昭師、井上基太郎師、山崎英太郎師が観梅問題でシテ方として入門しながら囃子も勤めていた頃など往時を偲ぶ内容となっており、一読を勧める。
以下にメモがわりに師の芸に関する出来事を年表形式で簡単にまとめる。
なお、人名は敬称略していることを了承されたい

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191014 関口遺稿鼓笛鑑

191014 関口遺稿鼓笛鑑

生田コレクションの図録を読んでいたら参考資料として「関口遺稿鼓笛鑑」が言及されていた。この図録に詳細の説明はない。

国立国会図書館の検索にかけると「皷筒之鑑定」が引っかかる。
この本はかつて鼓の鑑定をする上では避けて通れない一冊であり、名器とされる小鼓の胴の特徴や、各作者についての説明が記載されている。著者の山崎楽堂は坂本雪鳥と共に能評家としてならした建築家であり、その子息は横浜能楽堂の館長を勤

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190909 能楽座と台風

台風一過。異常に暑い。
電車の混雑と暑さで、少し外出しただけで一気に体力を奪われてしまった。

しばらく日記をつけていなかったが、再開したいと思う。
この週末は土曜日に国立能楽堂で能楽座公演を見に行き、日曜日は特に何もせず簡単な買い物だけしてあとは家で横たわっていた。
最近、1日外出、1日在宅というパターンが定着しつつある。
なんだかもったいないように思うが体力がもたない。

さて、能楽座は冒頭の

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190809 三鷹

190809 三鷹

快晴。朝少しオフィスに行ってその後は休み。

武蔵野大学能楽資料センターの公開講座を聞きに行く。藤田流笛方の竹市学師をゲストに研究員の方が話を聞いていくスタイル。竹市師の話が上手く、かつ演奏も三曲(真ノ音取、羯鼓、獅子)あり、あっという間の90分だった。竹市師がもつ笛(主に筒)の紹介もあり、通り一遍の初心者講座にならず大変良かった。

190808 霞ヶ関

快晴。ここまで晴れが続くと心配になるが太平洋高気圧ががんばっているのだから仕方がない。夕方から霞ヶ関へ。実に疲れた。

毎日のように流れてくるハードルをなんとか超えていくその過程を何年も繰り返して歳をとっていきそこに後悔は出ないのだろうかと疑問に思えてきた。ストレスの少ない文化的雪かきに携わる方が自分には合っているんではないだろうか。

190807 浜松町本郷

快晴。朝から移動が多く、歩いているだけで体力を奪われる。この暑さでエアコンをつけない人がいるというのが信じられない。夜は風が出るから昼だけどこかで涼んで家ではつけないということなのだろうか。ほうほうの体で毎日仕事している身としては強い体がうらやましい。木曜まで出勤したらしばらく休みだ。一応全社休みなので連絡が来ない。やっと自分の仕事に集中できる……

190806 小伝馬町

190806 小伝馬町

快晴。台風が新しく生まれたおかげで太平洋高気圧の勢力が強まったらしい。週末は舞台なのでそこまで天気がもってくれるとありがたい。

久々に外出なしの作業日だ。面談と社内会議はいくつかあったがそれでも作業時間を確保できるのは嬉しい。オフィスは珍しく人が多かったので別の場所で作業する。小さい会社なので耳に入る全てが自分に関係してくるのである程度シャットアウトして、まとめてインプットするようにしないとキリ

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