ドム⊿乃木坂妄ツイ

ドム⊿乃木坂妄ツイ

マガジン

  • I'm going to like me

    タイトルの意味は「僕は僕を好きになる」 自己肯定感の低い主人公が、ヒロインと出会って少しずつ変わっていくお話です。

  • とある若頭の高校生活

    初めて書いた長編になります。 小さい頃に観たとあるドラマをモチーフにしてます。

最近の記事

I'm going to like me⑥

和「ええぇぇぇぇ!?」 ◯◯の隣にいる人物の姿を見て、和は驚きの声を上げた。 和「な、なんで!?どうしてその人が…!」 和の反応は当然のものだろう。 なぜなら、◯◯の隣に立っているのは、自分が好きだと豪語していた芸術家本人だったからである。 「あはは、良い反応だねぇ」 和の反応を見たその人物は、嬉しそうにしていた。 ◯◯「和さん、何か気付くことない?」 和「ええ…急に言われても分かんないよ…」 あまりの衝撃にまだ混乱しているらしく、全く頭が働いていない様子の

    • I'm going to like me⑤

      ◯◯が早桜大に入学してから、早1ヶ月が過ぎようとしていた。 オリエンテーションも終わり、履修登録も無事完了し、講義も本格的に始まっていた。 大学の講義は基本的に90分単位なので初めは高校との違いに戸惑ったが、講義によっては居眠りをしたりスマホをいじったりもできるので、それなりに上手くやっていた。 この1ヶ月の中で、◯◯にも三つほど変化があった。 一つ目は、家の最寄りにある居酒屋でバイトを始めたこと。 チェーンではなく個人経営の昔ながらの居酒屋だが、店主夫妻が優しく働

      • I'm going to like me④

        アラームの音で目を覚ました◯◯は、ベッドから起き上がるとカーテンを開けて朝の光を浴びる。 ◯◯「いい天気だな…よし、支度するか」 シャワーを浴び、髪を乾かし、歯磨き等を済ませてから着替えを始める。 あまり服に興味がない◯◯はそれほど種類を持っておらず、似たような系統の服数着を着回していた。 ◯◯「うーん、服も買わなきゃなぁ…」 そんなことを考えながらも、身支度を済ませて家を出る。 ◯◯(あ、健康診断あるから朝ご飯食べられないんだっけ。くそぅ、昼までの辛抱だ…)

        • I'm going to like me③

          学内の食堂は新入生たちで混雑していることが想像できたので、◯◯と和は大学の外のカフェにやって来ていた。 ◯◯「ここのお店、来たことあるんですか?」 和「うん。オープンキャンパスの時に友達とね」 ◯◯「なるほど…」 ◯◯はオムライス、和はチョコレートパフェをそれぞれ注文した。 ◯◯「え、お昼それだけですか?」 和「うん、ここのパフェ大きいんだよ!」 ◯◯(いや、そういう意味じゃなかったんだけど…本人がいいならいいか) 他愛もない話をしながら待っていると、二人が注

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        • I'm going to like me
          6本
        • とある若頭の高校生活
          10本

        記事

          I'm going to like me②

          翌朝、◯◯は目覚ましの音で目を覚ました。 ◯◯(うぅ…まだ眠い…) 昨晩の疲れが残っていたのか、まだ寝足りないような感覚だったが、渋々ベッドから起き上がった。 この日は入学式の後、新入生向けのオリエンテーションが予定されている。 ◯◯(最初が肝心だし、しっかりセットしないと…) まだ数える程しか着ていない綺麗なスーツに袖を通し、寝癖のついた髪を整え、新品の革靴を下ろす。 ◯◯(うーん、意外と時間ないな。朝はコンビニで買って食べるか…) ベッドの上でダラダラしてい

          I'm going to like me②

          I'm going to like me①

          美人な彼女と、それと不釣り合いな彼氏のカップルを、世間では"美女と野獣"などと揶揄することがある。 そんな美女と野獣カップルを見ると、どんなブサメンでも美女と付き合うことができる…などと淡い幻想を抱きがちだが、実際はプロスポーツ選手だったり、企業の御曹司だったり、売れてる芸人だったりと、何かしらの付加価値がないと美女とは付き合えないものである。 その点、勉強もスポーツも並、顔はいいとこ中の下。 漫画やアニメで言えば友人Cくらいが精々な俺には、美女とのロマンスの機会なんて

          I'm going to like me①

          とある若頭の高校生活⑩ 終

          街中がイルミネーションで彩られた聖夜 ◯◯と絵梨花は、駅前の大きなクリスマスツリーの前で待ち合わせをしていた 絵「ごめん、お待たせ!」 黒いコートに赤いマフラー姿の絵梨花が笑顔で駆け寄ってくる ◯「…おう」 文化祭を経て無事付き合い始めた二人だったが、絵梨花が受験を控えているため、今日が交際後初めてのデートだった ◯「私服、似合ってんな」 絵「本当?」 ◯「ああ、すげえ可愛い」 絵「えへへ…」 絵梨花は頬を赤く染め、喜びを隠し切れない様子だった 絵「

          とある若頭の高校生活⑩ 終

          とある若頭の高校生活⑨

          ◯◯「…悪い。武勇会の連中と揉めた上に、クラスメイトに素性がバレちまった」 帰宅後、◯◯は事務所で統に頭を下げ、事態を説明していた 統「話は聞いてる。武勇会側はゴネててもう一悶着ありそうだが、きっちり話を付けるつもりだ」 ◯「…すまねえ」 統「いや、元はと言えば堅気の女子高生に手を出したのは向こうだ。お前も無事で良かったよ」 統はタバコに火を付けながら言った 統「…素性の件は、自分から明かしたんだって?」 ◯「ああ、俺のせいで巻き込んでしまった以上、隠し続けるの

          とある若頭の高校生活⑨

          とある若頭の高校生活⑧

          あっという間に夏休みも終わり、乃木高も新学期を迎え早3日が経っていた 「ほら、元気出しなよさく」 遠「だって…」 「まだあのこと引きずってるの?」 遠「それもあるけど…」 (あ、これはその先輩に惚れたな…) 頬を赤らめてモジモジしているので、非常に分かりやすい 「…それで、さくはどうしたいの?」 遠「とりあえず、会って一回ちゃんと謝りたい」 「んー、お姉ちゃんも3年生だから、聞いてみたら分かるかも。名前とか分かる?」 遠「〇〇さんと、確か…絵梨花さんって言

          とある若頭の高校生活⑧

          とある若頭の高校生活⑦

          次の日、待ち合わせ場所に着いた◯◯だが、まだ七瀬の姿は見えなかった ◯「ちょっと早く着きすぎたかな…」 「だ〜れだっ?」 カップル同士の待ち合わせのお約束ともいえる行為 こんなことをするのは一人しかいない ◯「…七瀬だろ?」 七「へへ、正解!そんなことより◯◯、遅刻やで?」 ◯「いやまだ20分前なんだけど。いつから待ってたんだ?」 七「1時間前から!楽しみ過ぎて早く着き過ぎてもうた」 ◯「はは…まじかよ」 七「それじゃ行こか!今日はよろしくな?」 ◯「お

          とある若頭の高校生活⑦

          880キロメートルの恋

          12月29日のお昼頃 およそ2時間のフライトを終え福岡空港に到着した◯◯は、キャリーバッグを引きロビーに向かう。 「おかえり!久し振りやね」 そう言ってやや興奮気味に出迎えてくれたのは幼馴染の一ノ瀬美空だ。 美空とは家が隣同士で、家族ぐるみの付き合いをしている。 物心ついた頃から何をするにも一緒で、幼稚園から大学までずっと同じだった。 しかし、美空は地元福岡の中学校で教員になり、◯◯は東京の企業に就職したため、生まれてから初めて離れ離れになった。 付き合っている

          880キロメートルの恋

          夢はつまり、想い出のあとさき

          「「「ワアァァァァァ……!」」」 「◯◯すまん、苦しい場面だがいけるか?」 「取ってくればいいんですよね?もちろん!」 県外の強豪校にスポーツ推薦で入学し、1年生から全国にも出場した。 厳しいトレーニングを通して、日に日に実力が着いている実感があった。 あの頃、本気で日本一になれると思っていた。 -------------------------- 数年後、俺はあの頃とは全く違う道に進んでいた。 競技を辞め、全く縁もゆかりもない一般企業に入社した。 日本一を

          夢はつまり、想い出のあとさき

          とある若頭の高校生活⑥

          ◯「あー 良い眺めですなぁ…」 強敵だった追試を乗り越え、無事に夏休みを迎えることができた◯◯は海に来ていた やはり夏真っ盛りということで、ビーチは水着の女の子たちで溢れかえっていた ◯「それにしても暑いな。こんな暑い日にはしゃいじゃってみんな元気だねえ…」 発端は夏休み前最後の登校日のことだった -------------------------- 白「明日から夏休みか〜…っていっても夏期講習もあるし、結局勉強漬けになっちゃうのかなぁ」 生「受験は夏が勝負って

          とある若頭の高校生活⑥

          太陽は夢の背中を押す

          中学3年生のある夏の日 この日は学校説明会のため、志望校の一つである乃木坂高校へとやってきていた。 説明会を終え、なんとなくグラウンドを眺めていた俺は、1人の女子生徒に目を奪われた。 照り付ける太陽の下、汗だくになりながらも献身的に部員にドリンクを配っていたその人の笑顔は、 太陽よりも眩しかった。 -------------------------- あれから2年の月日が経ち、俺は高校2年生になっていた。 結局、俺は乃木坂高校に入学した。 家から一番近かったと

          太陽は夢の背中を押す

          とある若頭の高校生活⑤

          珍しく遅い時間に事務所に顔を出した統 ◯◯は事務所に住み込んでいるため、基本的に家では会わない 統が事務所にいる日中は◯◯が学校に行っているため、顔を合わせるのは久しぶりだった 統「学校の調子を聞こうと思って久しぶりに来てみたら、どうしたんだあいつ?」 そこには死んだような顔をしながら、ぶつぶつとうわ言のように呟いている◯◯がいた 岡「ああ…実はな…」 -------------------------- ◯「…なぁ、テストって大事なやつか?」 日「まあ期末テ

          とある若頭の高校生活⑤

          あまりにモテなさ過ぎた俺に、神様が天井を与えてくれました

          「ごめんなさい……!」 何度目の撃沈か、またしても俺の告白は失敗した。 乃木〇〇、高校3年生、18歳。 彼女いない歴=年齢であり、生まれてこの方一度も彼女ができたことない。 正直、顔はイケメンではないが、そこまでずば抜けて不細工でもないとは思う。 しかし、流行りの髪型にしたり、香水を振りかけてみたりしても一向に上手くいく気配がないのだ。 「あーあ、俺の青春はこのまま終わっちまうのかなぁ……」 帰宅後、自分の部屋でそう独り言を呟いていると、どこからともなく声が聞こ

          あまりにモテなさ過ぎた俺に、神様が天井を与えてくれました