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英国のナチュラルライフ:食編

学生の頃から旅が大好きだった私。
異文化を体験することは刺激がいっぱいで、好奇心が掻き立てられます。
今でもそれは変わらず、私が活き活きと生きる上でとても大切なこと。
異文化と一言で言ってもいろいろな文化がありますが、「これがイマイチだと旅自体の印象が爆下がり」と思えるほどに楽しみにしていることがです。

本当はおいしい英国料理

「イギリスってご飯がおいしくないでしょ?」
「フィッシュアンドチップス以外に食べるものあるの?」
とよく聞かれます。

私が住んでた村の近くの小さな町のこのFish & Chipsはおいしいと評判でした

あるんです!!

季節と共にある食文化

昔はそうだったかもしれませんし、観光旅行に組み込まれているレストランはイマイチかもしれません。
でも、実は、おいしいお店やお料理やお菓子がたくさんあります!
住んでみないと出会えないお店や食はたくさんあるのかもしれません。
季節ごとに咲き乱れるお花のように移り変わるお野菜や果物、それを使って気候やお天気を見ながら「そろそろこれが食べたくなる季節ねー」「この野菜がいっぱい採れるから消費しないと!」と言いながら食卓のメニューを決めることもよくありました。
さらには、イースターのホットクロスバンズやチキンとラム、クリスマスにはミンスパイ、クリスマスプディングにターキー(七面鳥)とクランベリーソースなどといった季節の行事に合わせた伝統的な食べ物もたくさんあります。
どれもその時、その場所にいないと食べられないものかもしれません。
日本にいてもそうですが、世界にはそんな食文化がたくさんあるはずです。

おいしそうなデリやスイーツが所狭しと並んでいるレストランの風景

古い建物が多いイギリスでは、雰囲気のあるインテリアが素敵なところもあるし、デリやケーキやパンなどの陳列がとても上手で思わず写真をとりたくなるようなお店も多くあります。

イギイリスでの外食文化が盛り上がったのは、1990年代のテレンス・コンラン卿がレストラン事業に力を入れ始めたことがきっかけだとも言われています。
特に、ボロボロで危険だったロンドンのテムズ川沿いのバトラーズワーフという古い地域の再開発に携わり、オシャレで美味しいレストランを作ったことが知られています。

その季節ならではのスイーツ

野菜もお菓子になります。
キャロットケーキは日本でも市民権を得ているポピュラーなものだと」思いますが、春には赤いベルベットケーキ(ビートルート)、夏はコジェットケーキ(ズッキーニ)、他にもカボチャやパースニップを使ったものも。
フルーツはといえば大抵の家にはリンゴの木があり、秋になると、アップルクランブルやアップルケーキなどリンゴを使ったスイーツが増えてきます。
ヘーゼルナッツやクルミなどナッツを使ったものも多く、冬が近づくにつれて、ナツメグやシナモン、ジンジャーなどスパイスを効かせたものが増えてきます。
これは邪気払いでもあり、風邪などの予防の意味もあります。
まさに自然と共にある、健康に配慮した身土不二な食生活です。

お茶やスイーツをいただくのはティールームと呼ばれるところ。
地元イギリス人は、アフタヌーンティーの経験がない人がほとんど。
その代わり、スコーンと紅茶のクリームティーが人気です。
「アメリカになった!」と嫌そうな声も時々聞きますが、この20年くらいでコーヒーがメインのカフェもすごく増えました。

素敵いなインテリアに囲まれたティータイムも好きですが、
何と言ってもお庭での時間をお勧めします。
鳥のさえずりや風が木々を揺らす音を聞き、太陽の温かさを感じるお庭でのティータイムは都会暮らしのひとにとってはとても贅沢な時間に感じることでしょう。

昔ながらのクリームティーはスコーンにクロテッドクリームとイチゴジャムにミルクティーが定番

多様性に配慮

日本にホメオパシーの先生をおよびしてセミナーをした時、ヴェジタリアンの先生をお連れできるお店がなかなかなくて苦労しました。
イギリスでは、レストランやカフェのメニューを開くと、Vの字や植物のマークがお料理の名前の横にあり、ヴィーガンやベジタリアンに対応したものが大抵あり、わざわざベジタリアンの1人のために、対応するお店を探さなくてもみんなで同じ店内で一つのテーブルを囲んで楽しめるのが当たり前。
日本も早くそうなるとよいのですが。。。

食べ物はどうやってキッチンまでやってくるの?

旅行中に食材をお買い物に行くのは、街にあるスーパーマーケットがほとんどではないでしょうか?
英国に暮らしていると、どんなところで食材を調達することができるの?と思っている方もいるかもしれません。
私の田舎暮らしではこんな感じの順番でした。

円の食材調達先:TOP10

1)キッチンガーデン
家の裏庭に小さな野菜畑を作っていました。
感覚的には4畳半ほどのスペースがあれば、カップル二人の生活をそこそこ賄えるくらいの野菜を作ることができます。
自分の畑があれば、種を手に入れることでなかなか買えないお野菜も育てることができるのが嬉しいところです。
気候や土の違いからか失敗もありましたが、日本のお野菜も育てていました。
ハーブはフロントガーデン(家の前)に植えていたので、その日のお料理やお手当に必要なものはすぐに手にできました。

まさにFarm to Table。
理想の形だと思います。

最後に住んでいた家の小さな裏庭。少しずついろいろな種類のお野菜を作っていました。

2)スーパーマーケット
私の住んでいた大きなお庭のある邸宅は見渡す限りの丘に囲まれたような田舎にあります。近くにスーパーはないため、週1くらいのペースで車で20-30分離れた町のスーパーに買い出しに行きました。
私のお気に入りは何と言ってもウェイトローズ(waitrose)。
欲しい食材はほとんど手に入るし、オーガニックの物も充実していて、落ち着いて買い物できるスーパーでした。
因みに、都会のロンドンにはホールフーズ(wholefoods)のようなオーガニックスーパーもあります。

3)農家・農場から直販
障害者の就農を支援する学校と契約し、毎週水曜日にオーガニック野菜の箱を引き取りに行っていました。チャリティーに貢献することもできるし、おいしくて、見たことのない自分では買わないような野菜と出会えることが楽しみでもありました。
働いていたガーデンから余った野菜をもらって帰ることもよくありました。

ガーデンでたくさん採れた野菜や果物はガーデナーたちが夜ごはんに持ち帰ります

4)Coop 
自然食品店が近くにないため、オーガニック食材や環境にやさしいグロサリー(日用品)の卸をしてるcoopから、自分の欲しいものをバルク(箱や大袋)で商品を卸値で友達と共同購入し、余ったものをホメオパシーの学校で販売していました。
パンやお菓子を毎日作るので、小麦など消費が早いものは大きなサック(袋)で購入できるのがとても助かりました。

協同組合という組織や働き方をこの時初めて知りました。
会社ではなく、働く人も出資者もみんながイコールで、しあわせなコミュニティーのような、すてきな仕事集団です。

5)専門の小売店
グリーングローサー(八百屋)、フィッシュモンガー(魚屋)、ブッチャー(肉屋)、ベイカリー(パン屋)など、できるだけ地元の小さな商店を応援するようにしていました。

基本はベジが多い私たちでしたが、地元のアウトドアで愛されしあわせに暮らしているのがわかる動物性の物や肉や、無理のない漁で捕られた魚も時々食べていました。

海の近くに住んでいましたが、買える魚は白身やサーモン、カラス貝などと限られていて、なかなかバラエティーの豊富なおいしい魚屋を探すのは大変でした。
おいしい魚はフランスやスペインに輸出されることが多いそうです。

お肉は大抵週末のメニュー、サンデーローストやカセロールを作ったりするのに、地元で育ったレアブリード(地元の希少種、在来種?)の羊や牛を食べることもありました。
20センチは超えそうな厚みのある真ん中が包丁でへこんだ年季の入ったまな板テーブルがあるだけの小さなお肉屋さんで、欲しいお肉を注文をすると奥から塊を出してきて、好みの大きさや厚さに切り分けてくれるシステムでした。時になかなかエグイ姿の物が目の前に現れることも、、、

6)ビレッジショップ
「使おうと思ったらないじゃん!」と急な買い物が必要な時は、村に1軒の小さな萬屋さんへ。村で唯一の経済活動の場とも、コミュニティーの拠点とも言えるところです。
日用品やパンや牛乳を含むちょっとした食材やお菓子が売っていて、郵便局なども併設されていることがほとんどです。チェック(小切手)を現金に替えに行くのもこのビレッジショップ。行くたびに「あなたのサインが素敵だから、このチェックを取っておきたい」と漢字に惚れ惚れするおばちゃんを思い出します。

7)自然食品店
町に1つや2つは大抵あるのが自然食品店。チェーン店もあれば、個人店もあります。
食品や日用品、自然療法に使えるスーパーフードやスパイス、ハーブやアロマ、ホメオパシーなど色々なものも揃っていることが多いです。
今は英国に行くときは必ず立ち寄り、スーパーで買えなかった食材を約1年分仕入れてきます。

時々通っていたブライトンにあるオーガニックスーパーのインフィニティ―フーズ

8)広場に出るマーケット
不定期ですが、年に数回、村の広場に農家さんや生産者さんが集まるファーマーズマーケットがありました。
私はこの日が大好きでした!
季節の物、地元の物、手作りの物、作った人や育てた人と直接話をして買い物ができることをとても大切にした文化のひとつだと思います。

もう少し大きな近くの町では水曜と日曜に駐車場の一部がマーケットになりますが、安く買うには良いけれど、クオリティーはスーパーとあまり変わらない印象でした。

この日はあいにくの雨でしたが、おいしいものがたくさんならんでいました。

9)中華、インド、ハラル、日本食などを販売する各国の食品店
数か月に1回、ロンドンの日本食材店に納豆やみそなど地元では買えないものを買いに行きました。
イギリスはどこに行っても少し大きな町だと、中華とインドのレストランかテイクアウェイ(日本風にはテイクアウト)のお店があります。そのためか、中華食材店は比較的見つけやすく、で日本でも使いそうなものが買えたりしましたが、ここはナチュラル色も季節感もほぼゼロ。

10)ワイルドフード
カントリーサイドを歩きに行き、季節ごとに木の実やフルーツ、野草を摘んだり、魚釣りに行ったりして食材をゲットしていました。
春のイラクサはスープにしたり、乾燥させてお茶にしたり、ブラックベリーやエルダーフラワー・ベリーは保存食としてコーディアルを作ったり、ジャムを作ったりしました。
10位になってしまったのは、季節や時間を考えると、時間的にはそこまで頻繁にはできていなかった気がするから。理想としては、キッチンガーデンとワイルドフードで暮らせたら最高!

ベリー摘みがだいすきでした!

目指していたもの、そして今も目指すこと

パーマカルチャー的な生き方を模索していた頃、とてもしあわせな暮らしではありましたが、日本に帰tたり、ロンドンに遊びに行くことが難しくなってきたことに
気がつきました。そういったコミュニティーの中にずっと暮らせれば良いのでしょうが、刺激が必要で日本に時々帰りたい私は上手に経済活動をしながら、できるだけサスティナブルに生きる選択をしようと、ライフスタイルの転換をしました。

食に関しては、できるだけ季節の物を、地元の物を、顔の見えるものを、薬や添加物を使わない手造りの物を、フェアトレードできるものを、命を大切にしたものを選択する全体が調和し、循環すること意識し、私が汗水流して働いたお金は、できるだけ支払った金額に近い状態で必要な人の所にダイレクトに届き、そのステキな活動に役立てていただけるように使いたいと思って日々生活をしていました。
それは、私たちの健康な命を、地球の命をつないでいくことでもあると信じています。

今もその気持ちは変わりません。
でも、こだわりすぎず、日本にいても、都会に暮らしていても、楽しくしあわせでいられるために、私自身にも地球にも色々な意味で負荷の少ない暮らしを心掛けていければと思います。

以前に書いた記事もご参考に!
英国スーパーのオルタナティブ事情|E3Live Japan (note.com)

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ナチュラルライフガーデナー Madoka

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