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ゆ め
2024年2月7日 10:14
おめでとうが聞こえたら、紫陽花が綺麗な季節になったら、夜が長くなったら、チョコパイが発売されたら。生活を抜け出して文字を打ち言葉を送る。彼女に生きて欲しいと言う人間を無くさないために声を聞く。プレイリストを作らない彼女の選曲が好みだった。トラックジャケットにシフォンを合わせると笑われる事を学んだ。歩き方が分からない。海の深さが分からない。星空の広さが分からない。焦点が合わない。残酷なものね。
2024年1月7日 11:50
ウールのマフラーが肌に刺さって、これが合図だった。こっちにおいでよと叫んだが、だいたい朝も昼も感傷的なんだよ。夜のコンビニには規制が張られていたから一晩中蹲る羽目になった。手探りで見つけた有線イヤホンを解く。耳に刺して生きる頃には朝だった。複数個の理由は無くて、生きる為に電線コイルの入ったイヤホンを刺していた。同意を得ずに息継ぎをする。腹は減らない、満たされない不安で胃は埋まり続ける。柔らかな
2023年12月13日 07:31
75%の湿度で前髪がうねる。アスファルトの湿った匂いと冷たい風がぐさぐさと私を刺していく。声に支配されている、と思う。聴きたい歌があって欲望で埋め尽くしたプレイリストを作る。目に涙が浮かぶほど落ち着く相槌がある。真夜中に走り出したくなる声があって、ベランダで黄昏たい声がある。生きたくなる時も死にたくなる時も耳に金属を挿して今日を終えようとしている。声に支配されている、と思う。声に支配され
2023年12月3日 20:55
ざわついた商店街を歩く。ヘッドホン装着して顎を尖らせほんの少しだけ早歩きで歩く。所々解れているトートバッグに文具と本を詰め込んで歩く。又吉直樹の劇場を読んで流れた涙は透明で冷たかった。安達千夏のモルヒネを読んで流れた涙には湯気が上がり、梨木香歩の西の魔女が死んだを読んで流れた涙は渦を巻いていた。ツインテールが似合う女の子になりたかった。猫みたいな女の子になりたかった。真っ白く、かつ透