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九州のおかしな歩き方

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九州の郷土菓子、ご当地スイーツ・パン、銘菓本店を巡る旅
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記事一覧

001_甘味茶屋のやせうま【大分】

「やせうま」は大分の郷土菓子。小麦粉で作った平たい麺をゆでたものに、きな粉と砂糖をまぶす。 平安時代に京から落ち延びてきた貴族の若君に、乳母八瀬がつくってあげたところ大変気に入られ、「やせ、うま(いもん食べたい)」とねだられていたのが語源とか。 おんせん県の中心別府の甘味茶屋にて初やせうま。 シンプルでモチモチの団子にきな粉と砂糖、想像を裏切らない素朴な味。 甘味茶屋 大分県別府市実相寺1-4 だご汁定食 1080円 (2017/9/20訪問) だご汁も大分県の郷土

002_岡本屋の地獄蒸しプリン【大分】

別府のご当地スイーツ、別府プリン。 明礬温泉の蒸気でプリンを蒸したのが始まりだと言われる。 その明礬温泉でまっさきに名前があがるのが岡本屋。 元祖地獄蒸しプリンは、昭和63年からの人気商品。 噴気には防腐効果も高い成分が含まれているらしく、防腐剤も入っていない。 岡本屋 売店 大分県別府市明礬4 元祖地獄蒸しプリン(カスタード) 260円 (2017/9/19訪問) この時は、湯の里(600円)にてお湯を頂きました。 高台にある露天風呂は景色もよく開放的、湯の花つくっ

003_友永パン屋【大分】

大正5年、創業102年の別府老舗のパン屋さん。 ここ、建物がめっちゃかっこいいんです。 中もレトロでシンプルでしびれる。 顔ぶれもシンプル、あんぱんとかジャムパンとか。 クロワッサンとかクイニーアマンとか間違ってもまぎれてこない。 いつ行っても客足が絶えないし、大量買いするお客さん多数。 わたしのお気に入りは、味付けパンとバターフランス。 味付けパンはほのかに生地が甘く、マヨネーズやチーズ等塩気のあるものと合わせてサンドイッチにするのもよい。 バターフランスは、バターがじ

004_天井桟敷のモン・ユフ【大分】

おんせん県にある数ある温泉街の中でもちょっとラグジュアリー感漂う由布院。 金鱗湖の畔にある亀の井別荘の中に、緑に囲まれた雰囲気のいいカフェ、茶房 天井桟敷がある。 店内もゆったりとしたスペースにアンティークが並び素敵。 モン・ユフは、由布岳をイメージして作られたクリームチーズの冷んやりデザート。 甘さ控えめの濃厚チーズに、ブランデー漬けのレーズン、これぞ大人のデザート。 丁寧にいれられたコーヒーと共に贅沢なひと時。 茶房 天井棧敷 大分県由布市湯布院町川上2633-1

005_天文館むじゃきの白熊【鹿児島】

昭和初期、鹿児島で発祥した白くま。 ミルクかき氷に練乳をかけて、缶詰やカットフルーツを盛りつける。 鹿児島市の天文館むじゃきが発祥の店という説も。 色の付いた寒天が涼しげで昭和感を醸し出して可愛い。 カットフルーツで華やかな見た目を売りにした白くまもあるけど、甘いミルクかき氷で舌がフルーツを甘く感じなくなっているので、缶詰の強い味の方があっている。 てっぺんは缶詰のサクランボに限ります! お店によっていろんな個性の白くまがあるけど、本家を提唱するだけあって、これぞ昔か

006_まるはちのふくれ【宮崎】

ふくれは鹿児島・宮崎の郷土菓子。 黒糖味の重曹でガンガン膨らました蒸しパン。 子供頃、おばあちゃんちで出てくると、「ちっ、蒸しパンか(ケーキとかクッキーがよかった)」と思っていたものだけど、久しぶりに食べるとノスタルジーすら感じる素朴な美味しさ。 すっごい分厚くてボリューミーだから子供はすぐに途中で飽きるのよ。 「まるはち」はふくれの専門店。(宮崎県都城市上長飯町12-1) 専門店だけあって、子供の頃食べてたふくれにくらべ、生地がしっとり細やか。 飽きない! さすがです

007_光仙の佐土原いっぱい生姜パイ【宮崎】

これは私オススメ、はまっている手土産菓子。 宮崎市佐土原町は、生姜の収穫量が宮崎県一。 宮崎県の生産量は全国7位で全体の5%くらい。 まぁ、はっきりいうとビミョーなのであるが。 それはさておき、佐土原では生姜で特産品を作ろうという動きがあり、いろいろな生姜商品がひっそりと生み出されている。 その中でめちゃうまな生姜パイを教えてもらってすっかりはまってしまった。 生姜がしっかりきいてて、砂糖コーディングもしつこくなく、パイのサクサク感、すべてのバランスがわたし好み。 食べ出

008_井戸川白玉まんじゅう店の白玉饅頭【宮崎】

宮崎県諸県郡国富町本庄で150年以上前から作られている名物饅頭。(いや団子かな) 幕末、宮永夫婦が鵜戸神宮参拝に出かけ、堀切峠の茶屋で食べた饅頭があまりにも美味しくて、帰ってから再現しようと試行錯誤でつくりあげたとか。 国富町本庄には、今でも数件の白玉まんじゅう屋がある。 手作りで1日に作る数に限りがあるし、日保ちがしないので県内でも知る人ぞ知る名物饅頭。 井戸川白玉まんじゅう店 宮崎県東諸県郡国富町大字本庄4850-1 鵜戸神宮 堀切峠 国富町で無視できないもの

009_本間商店の青島ういろう【宮崎】

昭和40年代、宮崎は新婚旅行のメッカともいわれるくらい、ブームに沸いていたという。 青い海、青い空、色鮮やかな花々、南国ムードを盛り上げるフェニックス並木。 昭和天皇の娘と旧佐土原藩島津家の息子が結婚、新婚旅行先が宮崎だったことがブームの火付け役となる。 そんな宮崎随一の観光名所青島の名物、青島ういろう。 明治10年頃、青島で旅館をしていた鈴木サトさんが作っていた「おサト羊羹」を改名。 こどものくにの前にはういろう店が軒を並べる。 どの店で買おうか迷ったけど、ういろうの

010_香梅 本店の加勢以多【大分】

熊本、いや九州を代表する菓子メーカー香梅。 陣太鼓、武者がえし、本丸など、多くの人気銘菓を販売している。 熊本であればいたるところ、私の地元宮崎でもデパ地下なんかで購入できる。 子供の頃から熊本のお土産のなかで陣太鼓が一番好きだったので、熊本市にある本店はぜひとも行ってみたい店だった。 今回のお目当ては、加勢多。 薄いカリンジャム羹を、これまた薄いもち米のおぼろ種で挟んだもの。 江戸時代、細川家に献上されていたお菓子を復刻した珍しいお菓子。 香梅は1949年創業の比較的新し

011_鶴屋 本店の南蛮菓子【佐賀】

佐賀のお菓子を語るのに避けて通れないのが長崎街道。 別名シュガーロード。 長崎から小倉までの228km、長崎街道を通って海外から出島に入った砂糖は京や江戸へと運ばれて行く。 長崎街道沿いは、砂糖やお菓子作りのノウハウが流通しやすく、菓子文化が発達していったのだった。 日本を代表するお菓子メーカー、グリコ・森永の創業者はどちらも佐賀出身である。 また、ポルトガルから伝わったお菓子が、カステラや丸ぼうろ、金平糖などのような南蛮菓子として、日本独自の進化をしたお菓子になって根付い

012_北島 本店の丸ぼうろ【佐賀】

丸ぼうろで有名な老舗店、北島。 丸ぼうろ 86円 気になっていた「オブリガード(丸ぼうろを生姜の糖蜜でコーティング)」は残念ながら製造中止。 ここは近隣の有料駐車場にとめなければいけないので、丸ぼうろ1つ買うだけってもったいない気がして、「玄ぼうろ」なるものも買ってみた。 黒糖の糖蜜でコーティング、生姜がきいていてクセになる味、パクパクいってしまう。 北島 白山本店 佐賀市白山2-2-5 (2018.2.28)

013_浪花屋本店の銅銭糖【熊本】

銅銭糖は、熊本県大津町の郷土菓子。 今から160年以上前の安政時代、この浪速屋本店で誕生したお菓子。 もち粉と砂糖を水で練った落雁であんこを包む。 落雁&あんこなんて甘そー、と思っていたけど、意外と上品。 落雁はしっとりほろり。 出来たてはやわらかい。 このお菓子も熊本のお土産コーナーでよくみかける。 わざわざ本店を巡る一番の理由は、出来たてを食べたいから。 たいていのお菓子は出来たてのほうが美味しい。 浪花屋本店 熊本県菊池郡大津町室1037

014_コーヤ万十のいきなり団子【熊本】

わたし、さつまいも大好きっこなので、いきなり団子には目がない。 熊本に行くと、ついつい買ってしまうのだけど、せっかくなので美味しいと評判のお店で食べてみたい、と思いネットで調べてみた。 いくつかピックアップした中の1つがコーヤ万十。 合志市なんてどこにあるのかもわからなかったし、1回目は定休日にあたってしまったので、2回目買えた時は嬉しかった。 いきなり団子 100円 朝8時前にもかかわらず客足が絶えない。 午前中には売り切れてしまうらしい。 出来たてのホッカホカを車の中