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奥能登のこと(一)=能登半島地震被災者支援(緊急)=

奥能登について、ゆっくり書きたいと思っておりました。
1話で輪島塗について触れました。
元日のことがあり、すぐに取り組むことができませんでした。

何かできることはあるかと思案しておりました。
奥能登でお世話になっている一家が2次避難しておりましたが、
このたび珠洲生活の再建を目指すことになりましたので微力ではありますがサポートしたいと思い、緊急的に支援記事を挟むことにいたしました。
様々な呼び掛けがある中で、目に留めていただきありがとうございます。
共にエールを送っていただけましたら幸いでございます。

奥能登へは定期的に訪問しておりました。
能登里山海道を抜けて東京から軽自動車で約10時間。
里山海道を降りてその後はひたすら峠路です。
ナビ(2009年製)のご機嫌によっては輪島から海沿いを行くこともあります。

ナビをあてにしていますと・・真っ暗の中、前のめりでハンドルを握ることもあります。
入った小径の正面がいきなり崖で、突然目の前に石が現れるなんてこともありました。バックで戻る山道の緊張感…
どこを走っているのか何度訪問しても道を覚えません。
夜道の峠はまぁまぁの冒険ですが、明るい林道は気持ちがいいです。

富士重工業製サンバーtw2は四輪駆動で、フォグランプがありますし、マニュアル車なので富山からガソリンスタンド要らずの燃費の良さ。
細い峠路でも小回りが利いて快走です。

滞在先
お世話になる御宅は山の中の古民家(村上家)です。
21時頃にはお休みになられているため、到着したら鍵の開いている
玄関からそっと家に入らせていただき、電気をつけないまま取り急ぎの荷物だけ車から出して用意してくださっているお部屋で休ませていただきます。
2階の部屋の窓からは海が臨めます。

カナダで医学を学び開業していた彼女は、家族と共に奥能登珠洲の山での生活を選びました。
パートナー(仏)はアーティスト。ぞうのババール(アニメ化)やドンキーコングゲームは彼が関わった作品のひとつです。二人のかわいい子どもたちと過ごすことも私の楽しみのひとつです。

放置されていた棚田をうまく開拓して、お米は勿論様々な野菜や果物、ヤギや烏骨鶏の家畜と少し離れたご近所さんたちと幸せに暮らしていました。

地元地域の方々との協力関係、移住者のお世話、農泊申請されて都心から親子を招いての農業・アートキャンプの開催などなど、とてもアクティブに集落や外部との良い関係を築いていました。

ある時は、軽井沢に寄って薪ストーブ持ってきてくれない??と
御遣いを頼まれて、進路を変更したこともあります。
早速、床の間を暖炉にしてしまいました。

筆者が運んだ拘りのトルネード薪ストーブ

パチパチ火の弾ける音はストーブだけではありません。
お風呂も薪で焚かれます。少し燻された匂いの中、スノコを沈めて浴槽に浸かりますと、じ~んわりと疲れがほぐれていくのです。
ゆっくり沸かしたお湯は、冷めるのも遅く翌朝まで温かいのには本当に驚きました。
冷える夜も身体は芯から暖まって眠ることができます。

手が届きそうなくらい、満点の星空。
裏山に設置された大きなトランポリン。どれだけ騒いでも文句はきません。
初めて採れた無農薬の少し小ぶりなお米は、おかわりに手が伸びます。
やはり山頂とあって、水が豊富できれいです。

裏山のトランポリンで大騒ぎ。キッチンから見えます。

子どもたちが通う海辺の小学校には何度かお邪魔させていただきました。
生徒数が少なく学年合同で学んでいます。

珠洲市海辺の小中学校 村上氏コーディネートにより
ドイツとつないでリモート交流が行われた

奥能登の価値
珠洲先端の岬に行くと、海から昇る太陽と沈む夕陽を見ることができます。
輪島も輪島塗や魚市場が有名ですが、更に奥に
石川産として金沢など都市で出される地野菜やお米、昔ながらの塩田の塩、山の幸・海の幸がここにあります。
釉薬を使わない美しい珠洲焼、珪藻土の切り出しは七輪が有名ですが、実は無くてはならない工業製品を支えています。
また、茶道などで使われる質の高い炭作りは山の管理に役立っています。

アートフェスタは国際的にも有名で、この期間は世界からここを目掛けてやってきます。
私もパスポートを片手にアートラリーをしながら車で珠洲中を走りました。
何より、日本海の絶景は圧巻です。

珠洲市アートフェスタにて

帰り道、能登里山海道を逸れてワイナリーへ能登ワインをスタッフへの
お土産に購入するのがルートです。


震災の日

震源地が奥能登と知った時、生きた心地がしませんでした。
お正月どころではありません。
電話をしてもメールをしても現地に連絡がとれません。
現地の電話が使えないのですから、災害伝言ダイヤルもつながりません。

珠洲市役所へ電話しました。
山から火が出ていないことは確認できましたが
避難場所のリストに彼らの名前はありませんでした。
繰り返し流れる映像は、街中の同じ画です。

取材ヘリコプターが飛んでも、珠洲の山の過疎地まではなかなか映してくれません。
奥能登が震源地なのにどうして…。
入れない場所を空から撮れるのはヘリコプターだけなのに。
不安が不安を呼びます。

3日目、ようやく連絡がつきました。
命さえあればそれでいい、不安の反動で全てが解決した気持ちになりました。
彼女たちは道路の寸断により、避難所へは行けず
取り残された集落のひとたちと神社の集会所に身を寄せ合って過ごしていました。
5日目に自衛隊の誘導により、山を下りることができました。

街の方は住宅が密集して火災もおきて、避難所は人であふれて食事も大変な様子でしたので尚更過疎地が心配でした。
ところが聞くと、大変なことに違いはないですが過疎地ほど自立していました。
電気は使えませんでしたが、山水も豊富ですし普段からほぼ自給自足のような生活をされています。

ですが、家は傾き生活できる状況ではなく
電気もそこまで来ているものの、家では使えません。
畑や家畜、生活の復興のために奮闘しています。
小さな子どもたちも珠洲の生活が大好きです。
村上家は現在、富山の2次避難場所と珠洲を往復しながら再建を模索中です。

珠洲復興に向けて
過疎地の昔ながらの地に足の着いた生活を拝見させていただいて、
今回、ある種過疎地の強みのような部分も見た気がいたします。
失ってしまうと取り戻せないこともあります。
見えないところほど充分に意識して想いを巡らせることを大切にしたいと思います。

過去の震災を経験された方々には本当によくしていただいていると
珠洲の方が言っていました。

私個人の気持ちですが、このたび奥能登で生活を継続することを望む方々が
1日も早く安心して暮らせるよう願っております。
『寄付』は団体にするのが主流ですが、様々な公的支援制度も画一的だったりすると、本当に必要な個人や細部まで行き届かない事態が起きるようです。
ニーズは個人により様々ですので、柔軟できめ細やかな支援もしたいと思います。
村上家も海辺のカフェや塩田で仕事をしていましたが、今はできません。
2次避難場所と珠洲の神社集会所で集落の方々と過ごす生活です。
彼女の手を通してローカルの必要な方々に届けたいと思います。

余談ではありますが、私の本籍地は阪神淡路の震災で無くなりました。
また母方の里も東北でしたので被災いたしました。
私自身が罹災したことはありませんが、何かできないかとの思いがあります。
数年経ってから微力ながら被災地支援に参加させていただいて、やはり一時過ぎたら支援の手を引かれていき、その影響にまた胸がいたみました。
全てに関わることは不可能ですが、このたびお世話になっていた珠洲。

私は彼女の人柄や行動力、地域の方々と関わる姿を見るなかでの人望を信頼しています。(以下映像最後に出てくる方が村上氏です)

支援について
奥能登珠洲で生活する村上家の集落は山の中の過疎地にあります。
震災後5日間閉ざされた支援の行き届きにくい山の中です。
現在、道は通りましたが再建支援の優先順位は極めて低いと思われます。
様々イベント運営や農泊申請をしている一家には畑や家畜の世話があります。
今もそこで暮らす元気なご高齢の方々。
ニーズに応じたフレキシブルな支援のひとつとして考えております。

1.彼女(村上ゆり氏)とコンタクトを取り様子を伺い記事にします。
  *復興に集中して生活していただくため簡単な報告になると思います。
2.記事購入費を手数料(1.事務手数料(決済手数料) 2.プラットフォー   ム利用料 3.振込手数料がnote様より差し引かれます)を除き彼女の
  個人口座へ振り込みます。
  *支援口座への手数料は当方が負担いたします。
  手の届きにくい場所で自らの再建と地域支援活動をしている彼女に
  使途を一任いたします。
  現在は必要に応じて使える現金がよいとのことですが、状況により、
  必要物資を購入して送る資金とします。
3.支援記事の売上費用は預り金とし、管理のみで当方の収入としません。
4.物資支援など、現地へ出向く必要がでてきた際は実費分を経費として
  充当させていただく場合があります。(飲食費は含みません)
5.その他変更事項がでてきた場合は都度お知らせいたします。
6.現地生活が見込めるようになりましたら終了致します。
7.ご購入くださった方へ
  心ばかりですが、当店(あいねのいえ)でのお買い物5%引き
  クーポンを発行させていただきます。
  *通常は商品の割引やセールは行っておりません。

筆者にとりまして初めての試みのため、お気付きの点やアドバイスなど賜れますと幸いに存じます。


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