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時の流れの中で

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人権・教育・社会・文化など,折に触れて感じたことや思ったこと,考えたこと,伝えたいことなどを「断章と雑感」として書いてみたい。
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記事一覧

マイクロアグレッション

昨日(2024/4/09)の読売新聞「編集手帳」に、静岡県の川勝知事にふれて、次のように書かれて…

藤田孝志
1か月前
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「近代」の解体と差別構造

田中等氏は、著書『ハンセン病の社会史』の「はじめに」において、次のように述べている。 ま…

藤田孝志
1か月前
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下作

随分と昔、もう20数年ほどになるが,友人から私の文章表現が「下作」になってきたとの厳しい…

藤田孝志
1か月前
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古書

久方ぶりに古書店を巡って、数冊の本を買った。 『伝説 よもやま話 岡山奇聞』(岡長平) こ…

藤田孝志
1か月前
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目的論の陥穽(2)

武田氏の考察は、なぜ戦後も「絶対隔離政策」に対して非難の声が上がらなかったのか、について…

藤田孝志
3か月前
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目的論の陥穽(1)

現在、私はBlogおよびNoteに「光田健輔論」を書いている。長年の懸案事項であった「ハンセン病…

藤田孝志
3か月前
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ネット詐欺の注意喚起

最近、問題となっている「PayPay返金」に関する「詐欺」について説明しておきます。 Noteにも書いたけど、私は長年ある本を探しています。その本、『光田健輔と日本のらい予防事業』が、あるサイトに出品されていた。以前には「ヤフーオークション」にも同一人物によって出品されていた。以下のサイトです。 購入する連絡(カートに入れた)すると、「在庫あり」のメールが届き、代金の振込先が書かれていた。「ゆうちょう銀行」の口座に入金して待っていると、突然「欠品」のメールが送られてきて、

歴史を学び伝える意味

E・H・カーの『歴史とは何か』の有名な言葉である。カーの本書を読んだのは高校時代だが、幾度…

藤田孝志
7か月前
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独善性の弊害

現在、ハンセン病問題の元凶である「光田健輔」(長島愛生園長)の功罪、時代背景と彼の思考に…

藤田孝志
7か月前
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根拠のない「偏見」

「『ハンセン病市民学会 in 長野 全国交流集会』から引き継ぐもの」と題して、実行委員長であ…

藤田孝志
10か月前
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同和教育とは(4) 「差別意識」を見直す(2)

「差別は人間関係の病いである」と言ったのは、菅孝行氏である。 ここ数日、森口健司氏よりも…

藤田孝志
11か月前
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同和教育とは(3) 「差別意識」を見直す(1)

この詩を何十回、何百回と目で追い口にしてきただろうか。この詩を読む度に、まるで「鏡」のよ…

藤田孝志
11か月前
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同和教育とは(2) 部落問題学習(2)

偏狭で独善性の強い人間ほど他者を非難しても、それが人を傷つける言動であることに気づかず、…

藤田孝志
11か月前
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同和教育とは(1) 部落問題学習(1)

あらためて「同和教育」とは何であるかを問い直してみたい。 同和教育が人権教育へと転換した背景としては、1995年からの「人権教育のための国連10年」が契機となって毎外の人権教育の学習内容や学習方法が広く紹介されることとなり、さらに「人権教育・啓発推進法」(2000)および「人権教育・啓発に関する基本計画」(2002)が制定されたことが大きい。だが、最も大きな契機は1969年以来施行されてきた「特別措置法」の廃止(2002)である。 「同和教育から人権教育への移行」に関しては