見出し画像

危なかったスペインのシンボルの広告

知り合いに頼まれたものを渡すため、久々にアンダルシア街道(高速道路)を通ると、

この看板が見えました。

ちょっとシャッターチャンスを逃してしまって、うまく撮れなかったぁ~

きっと皆さんもこの大きなサイズの黒い闘牛の看板をスペイン関係の番組で見たことあるかもしれないですね。

これはスペイン全土で見られるスペインのシンボルとも言われるオスボルネというシェリー酒の会社の宣伝広告だったもので、道路沿いや丘の上に建てられています。

宣伝広告で、文字が書かれていたのですが、今はこのように黒く塗られたものになっています。

何故宣伝広告が黒くなってしまったかをお話します。

元々は木で作られたものでしたが、

190×90cmの亜鉛メッキ鋼板を数枚組み合わせた金属構造で、高さ13m以上、表面積150平方メートル、重さ4000kg。

オズボーン・グループは1772年、トーマス・オズボーン・マンによってシェリー酒の醸造会社として設立され、現在はシェリー酒を含むワイン(スペインワイン)・蒸留酒・イベリコ豚関連製品・ミネラルウォーターなどを製造している。

,*ウィキペディアで「オズボーン」と英語の発音で書かれていますが、スペイン語では「オスボルネ」と読みます。

1956年、ブランド「ヘレスのブランデー」の広告宣伝のために巨大な雄牛形の看板の設置を開始した[1]。看板は黒一色であり、赤色の文字でブランド名の「Veterano」が書かれ、スペイン全土の主要な道路に沿って設置された。当時の看板は現在よりも小さく、やや異なるデザインだった。道路から150m以内の広告活動を禁じる法律が制定されたため、現在の巨大な看板が設置されるようになった。

ウィキペディア
こんな感じ

ところが、道路の横にある広告に気を引かれての事故が多発したため、

1988年7月末、スペインの道路から「あらゆる種類の目に見える広告物」を撤去することを義務づける法律が制定された。

よく見ないとわからないような大きな広告が道路から見えるように立てられていたのではないかと想像できます。

でも、そういう広告と、運転手のほとんどがわかってたはずのこの雄牛の広告と一緒にしないで欲しいな😤マッタクモウ(私のワガママです)


明確なコンテンツがなければ広告と見做されないため、オスボルネは1989年に雄牛の看板を黒一色に塗りつぶしました。

ところが、今度は

1994年、一般道路規則により、オズボーンの雄牛を一頭一頭解体することが命じられた。

こんな規則はなんのその。😅

その時には、すでにこの看板はスペイン全土どころか、スペインに来る観光客にもスペインのシンボルとして有名となっていて、

裁判所は「風景の一部となり、美的・文化的意義を有している」「雄牛は社会の共有財産となった」とし、そのまま残すことになりました。

そして、

2011年から文化財に指定され、保護されている。

2014年時点で、スペイン全土に91枚の看板が存在する。

ということで、めでたしめでたしでした!!👏🏻👏🏻


通り過ぎたら、ゴジラのように町を襲える感じがしました😅

反戦や抵抗のシンボルのゲルニカが描かれ、スペインの闘牛場での牛の殺傷行為に対する抗議の雄牛もいます。
私も闘牛は好きではないです。闘牛はアートだと言われますが、何故、牛が殺されるのに喜んで見ていられるのか理解できないです。

でも、こんな風に可愛らしいシルエットも見れるところがあるようです。

腰に手を回し、コルドバの帽子をかぶり、フラメンコギターを脇に抱えた赤と黒のボトルのティオ・ペペ(シェリー酒)とオスボルネの雄牛。


この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?