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ケーキ食べてジム行って映画観れば元気になれるって思ってた メンタルドクターsidow著

もう5月なんですね。
書店で見かけて気になってた本が
Kindle Unlimitedにあったので読んでみた。
全然関係ないけどイクラ丼だと思ってた。表紙の絵。
ケーキだった。

最近はやりの韓国人のエッセイぽいデザインとタイトルだったのでてっきりそれかと思ったら違った
韓国人エッセイは好きで何冊か持ってるのでそう思いました、最近似たようなの多すぎるなと感じるけどね。
この本は精神科医の方がちゃんと書いてた本だった。どんな人かは知らないけど。
でも精神症状を分かりやすく教えるYouTuberもやってるだとか。絶対忙しいのにそんななかすごいな…

こないだ別の心療内科医の方が書いた本「心療内科医が教える本当の休み方」鈴木裕介
を読んだのですがその内容とも通ずるところがあり、なんというか、互いの本が互いの内容を補足している感じでより分かりやすかった。どっちも読んでてよかった。

世間に極ありふれたストレス解消法は、実は全員に当てはまるわけじゃない、これはその人の疲労度や考え方によって毒にも薬にもなるんだよってことを教えてくれる本だった。
じゃあどうしたらいいのか、まで書いてくれているのでありがたかった。自分に合った方法を考えることができた。

以下印象に残ったことば
・忙しいと疲れを感じない
まさに本当にその状態に陥ったことがあって、というか生きてればみんな少なからずあると思うんだけど、例に漏れず私も仕事でもプライベートでも予定をみちみちに詰めて、そのあと大きく落ちた。7年続いた。

・「普段できていたことができなくなるのは思った以上に精神的なダメージになる」
本当にこれもそう。今まで普通にできていた仕事ができない、人とどうやって話していたか分からなくなる。
楽しくできていた趣味に興味がわかない。いつも行ってたお店で買い物ができない。(動悸や不安で身体が動かなくなる)
つらい、どうしたんだろう、気のせいだよねまたやってよう→できない→つらい 負のループ完成

・「同じ出来事であっても人によって感じ方はさまざまなので、同じ悩みに対して別の人の考えをそのまま取り入れる必要はありません。何故なら悩みは主観的なものだから。」
自分への励ましと戒めの言葉として受け取った。この1行を読んで強く思い出したのが、ヤマシタトモコさんの「違国日記」の「私の感情は私だけのものなんだから」て主人公の朝が泣きながらまきおちゃんのこの言葉を思い出して、冷静に自分に言い聞かせるように何度も何度も心の中で繰り返してたシーン。涙なしには読めない。
違国日記って漫画だけどなんというかいい意味で漫画っぽくないというか。漫画の描写で逃げられるところはたくさんあるのに逃げない、ちゃんと書く、描く、繊細なところまで。そして作者さんの絶妙な表現のおかげで、説教くさくなくスッと言葉が優しく響いてくる超良本。
心療内科医や精神科医と同じことを漫画で発信してるこのヤマシタトモコさんという作者さんは一体何者…?医療関係者だったりするのかな。話がそれました。

・嫌なことは忘れる→忘れようと考えない
人間は忘れようと頑張るとかえって忘れられなくなるそうで、たしかに薄々身に覚えがあったけど、こうして文に起こしてもらえて安心した。腑に落ちた。やっぱそうだよね感がある。すでに実証実験(シロクマ実験)した結果などの記載もあって、事例を書いてくれるのはありがたい。

・嫌われる勇気→主張する勇気
これもひざをうった。パーン!別の本の題名にもなってるからそっちにイメージが持ってかれやすいけど、そうじゃなくて下記に書くけどこれも薄々感じていた。
「嫌われてもいい」じゃなくて「自分の意見を主張して、まわりと上手くそれを調整できたら尚いいよね」ていう視点と考え方が、攻撃的じゃなくて好きだなと思った。
すごいでかい話すると、本に書いてたことと自分の考えを混ぜるけど、
アメリカやヨーロッパみたいに地続きで世界が広がる国とはちがって、この閉鎖的な島国で、他人の存在を気にせず自分の思ったとおりに傍若無人(拡大解釈しすぎ)に、嫌われてもいいからやりたいことだけやって生き抜くなんて無理ではないかと。こんな話したらアレだけど、DNAからしてもう日本人は他人に迷惑をかけない思考があって、それをダメだとは思わないけど今までそれが前面に出過ぎな部分があったよなと感じてた。それも戦争があったり災害があったり、隣近所との協力なしでは生きられなかった時代があったからこそそうなってったんだと思うけど、今はもうそのフェーズじゃないよね、変わってきてるよね?という。
現代だと町内会とか。町内会入る入らない問題、入ったら入ったで役員押し付け問題。いまや誰がどう怖い人と繋がってるか分からない現代で、ましてやこんな問題しか抱えてない団体に入りたがる現代人っていないと思うの。しかもその中で横行しているのは一昔前の閉鎖的な価値観。ちょっと周りと少し違う考えの人がいたら爪弾きにして、噂話のネタにして、嘲笑し、いじめる。どうしてそう両極端になってしまうんだろう、他人と協力することができる人たちが、なぜ「放っておく」「認める」という簡単なことができないんだろう、自分たちと同じ考えに染まるまでどうして気が済まないんだろうと常々思ってた。まあ答えは「未知のものは怖いから」なのだろうけども。でもそれって不勉強な人がやることだよね、勉強しない、知ろうとしないから「怖い怖い」といたずらに怖がって。

自分たちと同じ→自分たちと違う
この間にあるグラデーションを受け入れる余裕?視座?がどうしてないんだろうって感じてた。

そんな日本で急に「自分は自分」って周りを突っぱねるような生き方をする人が増えても、日本では、いや東京とか大都市ならいけるかもしれないけど、日本の大多数を占める他の地方、田舎ではまあ不可能だな、すごく夢物語みたいな話だなと感じていて。そういう系の本は何冊か読んできて「私もそうなりたい」と思ってきたけどなかなかそうはいかなくて。そんなんでモヤっとしてた自分には「嫌われる勇気」よりも「主張する勇気」ていう言い方がしっくりきた。主張大事。受け入れられなくても、主張できたって事実が自分を支える一つになってくれるはず。
どでかい話まで膨らましたけど、どう収集つけていいかわからなくなったので、以上とします。



これは苦しんでいる当人にも読んでほしい本だけど、その周りにいる人にも読んでほしい本だなと思った。
当人だってしたくてしてるわけじゃない、病気のせいで身体が動かないんだよ、本当は好きなところ行って好きなことしたいけどできないのを、他人にさらに責められてしまう苦しみというのを理解してほしい。言われても言い返せない状態だし。だからどんどん心を閉ざしていく。
そんな人が周りにいるなあと思い当たる人に読んでほしい本だなと思った。
いまはSNSの普及でだいぶ理解や認知が広まったけど、世代的に馴染みのない40代以上の人たちも読んでほしい本だなと切実に思った。

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