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谷本真由美著(2014)『世界のどこでも生きられる! ―外籠もりのススメ』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

ツイッターの内容をそのまま本にした感じ

日本人は何も知らないシリーズが、なかなか面白かったので、Kindle Unlimitedを利用して以前の作品も読んでみた。

初期の頃の書籍化される時代の作品かも知れませんが、もともと出版社の社長がツイッターの内容から出版を提案したらしいのですが、なかなか毒があって面白い内容というか、かなりズケズケと言い放っているような妙な面白さがある。

ただ、出版としてユニークさを提示するのであれば、単に明朝体のフォントを大小織り交ぜて掲載するよりも、出版として可能なフォントを多数用いて、そのフォントの大小を織り交ぜたりすると、もっとストレートな毒々しさと茶目っ気をアピールできていたのではと思うと、本の体裁としては、やや手を抜いているようで、もったいなさを感じた。

「外籠もり」というワードは面白く、むしろ外に籠もることで内なる日本の矛盾や特異性を暴く効果があり、物事を捉える視点の変化としては楽しめる内容が満載な気がする。それと同時に、昨今の日本人は何も知らないシリーズの文章は、この頃の荒々しさから打って変わり、実にお上品になられたものだと感心する一方、所々で指摘する鋭さは、全く変化していないということも合わせて理解出来るところである。

国連専門機関への就職の話のくだりででてくる、仕事探しに重要なLinkedIn。本書とは関係ないが、わたしも地方公務員のCSIRTをしていて、同僚の不正を警告するも、そのまま不正を続け隠蔽までしたことに憤慨し、それを正すことをしない組織に倫理観も無いことを悟り、さっさと辞めることを選択したけど、結局転職活動もせずに現職が拾ってくれたそのきっかけはLinkedInなので、不思議に今の自分と繋がるワードが出てくるものだと感じた次第。同様に海外企業で働くための日本での職歴の扱いなど、参考になるところの記載もある。

そして日本みたいに空気を読みすぎるなという警告。面白いのは海外だから偽ジャポ料理でもOKという気楽さ、外人ばかりのイギリスの病院など、興味をひく話題もチラホラ…さらに日本のパスポートは最強説まで、今では当たり前に認識していることでも、もしかしたら谷本さんのツイッター等の発信がもとになっているかも知れませんね。

たまにはこのような本も読んでみると、それなりに面白いことに気づく意味と、Kindle Unlimited代のもとを取れる感、きっと書店で買うことはなかった本を0円で読めることに感謝感激を味わった次第。良い読書タイムを過ごした感じがする読後感でした。

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