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徒歩20分のマフィン

最近歩いていない。

思い立って《あの店》に行ってみることにした。

行きたい店リストに入れていた、鎌倉駅から約1,5km、徒歩22分の《okashi.nikaido》

地図通りに二の鳥居前のファミマを右折し、若宮大路の裏道をひたすら進む。

それほど道幅は広くないし、閑静な住宅街ながら、車はよく通るので要注意。

そのまま道なりに進んでいき、うん、遠いな!と思った頃に、妙な名前の交差点に出会う。

岐れ道-wakaremichi-

この交差点、名前がそのまんますぎて、電話で説明するとき大変そうだ。

「わかれみちの交差点を~」
「あの、交差点の名前教えてもらえますか?」
「ですのでわかれみちの交差点を~」

大・中・小と3本に分かれた道のうち、「中わかれみち」をずんずん進む。

ななめ45°へ

曲がり角さえまちがえなければ、ひたすら直進なので、迷う心配はない。

本当にこの道の先に洋菓子店があるのだろうか、ていうか遠いな!と不安になったところで、目的地に到着。

気分も上がるし、息も上がっている。

神々しいまでの西日

写真に映る、裏口っぽい小さなドアが唯一の入り口だ。

このまま道を進むと、大きな窓から店内がよく見えるのだが、そこにドアはない。

先客が出てくるまでどこから入るのか分からなくて、窓からアピールする変な客になりかけた。

少し年季が入ったドアノブは、意外と軽くて勢いよく開くし閉まるから、店員さんを驚かせないよう気を付けていただきたい。

以前、調べた情報だけで下記の通り書きつらねた。

店名もさることながら、アンティーク店をリノベーションしたという店内はとてもシンプル。

引っ越してきたばかりの家かと思うくらい、必要最低限のしつらえである。

木製の床に差し込む陽が、時をとめている。

木枠とガラスのシンプルな棚には、保存料を使わず、オーガニックにこだわったというマフィンやクッキーなどの焼き菓子が並ぶ。

インスタの投稿文も簡潔で、「apple・yuzu・klwl・marron」といった具合に、その日に置いてあるであろうマフィンの味が列挙されているのみ。

徹底した飾り気のなさが、秘密の隠れ家感を醸し出している。
なんとこの店も、店の奥にテラス席が4席。
本当に席のみのようだが、ひなたぼっこには最適の環境。

https://note.com/fhm30361190/n/nfeb347860c42

書き換える必要もないくらい、その通りだった。

色味といえば、店内左の厨房カウンターにゴロゴロと並べられたりんごの赤と、柚子の黄色くらいで、ほぼ白と木と日差し。

ここまでシンプルだと、なんとなく店員さんも素っ気ないのかな…と勝手に思ってしまっていたが、マフィンを見つめるわたしに、

「今日はもうマフィンの種類が少なくなってきてしまったんですが、上からプレーン、チョコレート…(中略)こちらが季節のお味です」

と、やわらかな笑顔で手際よく味の説明をしてくださった。

今回は、チョコレートと塩キャラメルを購入。

耐油紙でキャンディ包みになった、愛らしいマフィン。

店頭詰め合わせの焼き菓子を買うと、見た目が似ているがゆえに「味の見分けがつくように〇〇には赤いシールを貼っておきますね~」と気づかいいただくことがある。

ただ、赤いシールがどっちだったかをそもそも忘れているから、この丁寧な見分けシールはとてもありがたい。

塩キャラメルとチョコレートは一目瞭然だ。
きれいな焼き色、これまたシンプルな見た目。

手のひらサイズの口径で、軽すぎず重すぎず、存在感のあるあたたかな重み。

真っ二つにしてみる。

塩キャラメルは底面に濃厚そうなキャラメルが、チョコレートは中にもチョコレートが隠れていた。

たまらず口に放り込む。

しっとりでもパサパサでもなく、ふわふわのホロホロである。小麦がふわりと香る。

塩キャラメルは、甘みの中にもしっかり塩味が効いている。
ガツン、だとしつこいが、コツン、くらいなので、心地よい刺激。

食べ進めるにつれてキャラメルの味が濃くなっていき、底面の色が濃い部分は、濃厚で華やかなキャラメルの風味が広がった。

チョコレートは、天面に塗られたチョコレートはパリッと、中に潜んでいる板チョコレートはモリッとしている。
ふわふわの中のパリパリモリモリがアクセントになって、食感に変化があり楽しい。

写真の断面では見えづらいが、中にも結構チョコレートが隠れていた。
ビターだから、生地の甘みとのバランスがよい。

それにしても、全体的に口馴染みがよく、スッとひいていく甘み。

これは、てん菜糖やオーガニック素材のなせる技だろうか、それとも誠実で丁寧な仕事のあらわれだろうか。

満足感が高いから、それゆえに後を引く。

日持ちを考えて少なめにしたが、もっと買っておけばよかった!と思った。

何せ、鎌倉駅から往復で約4000歩超えだし、徒歩20分は事実である。
店まで40mのところにバス停はあるが、1時間に2~3本しか走っていないようだ。

帰りは、途中で右折して若宮大路を通り駅へ戻った。店が多いので、少しは気が紛れる。

とはいえ、訪れたときには品切れしていた、りんごや柚子を使ったマフィンも食べてみたい。

マフィン求めて四千歩。
運動不足解消に、nikaidoのマフィン。

行き帰りでマフィン分のカロリーは消費されると思うから、プラスマイナスゼロのはずだ。

ショップカードも簡潔




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