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Music × English なエッセイ 【23】

今回の動画

Sting の曲を借りてきました。
彼の名前に因んで、国際政治にチクリと一刺し。

Russians


歌詞(抜粋)

[Verse 1]

In Europe and America
There’s a growing feeling of hysteria
Conditioned to respond to all the threats
In the rhetorical speeches of the Soviets

Mr. Khrushchev said we will bury you
I don’t subscribe to this point of view
It would be such an ignorant thing to do
If the Russians love their children too

[Verse 2]

How can I save my little boy
From Oppenheimer's deadly toy?
There is no monopoly of common sense
On either side of the political fence

[Chorus]

We share the same biology
Regardless of ideology
Believe me when I say to you
I hope the Russians love their children too

[Instrumental break]

[Verse 3]

There is no historical precedent
To put the words in the mouth of the president
There’s no such thing as a winnable war
It’s a lie we don’t believe anymore

Mr. Reagan says we will protect you
I don’t subscribe to this point of view
Believe me when I say to you
I hope the Russians love their children too

Russians
by Sting

試訳

ヨーロッパとアメリカでは
ヒステリックな感情が増幅してきている
ソビエトの技巧的なスピーチに込められた
あらゆる脅威に備えねばと仕向けられて

フルシチョフ氏は言う、「貴様らの息の根を止める」と
そのご意見には承服いたしかねる
そんなことしたらとんだ愚行だろ
もしロシア人も自国の子供を愛するというのなら

僕はどうしたら幼い息子を
オッペンハイマー作の死の玩具から救えるだろうか?
良識の独占なんてのはないぜ
政治の壁のどっちサイドに居てもだ

僕らは生物学上、同じヒト科の動物だ
イデオロギーと無関係に
あんたにこう言ったら、信じてくれよ
「ロシア人も自国の子供を愛している」と望んでいると

大統領の口に台詞を詰め込んだ歴史的前例はない
「勝てる戦争」なんてもんはない
もはや誰も信じない嘘

レーガン氏は「政府が君らを護る」とおっしゃる
同意できかねます
あなたに伝えたら信じていただきたい
「ロシア人も自国の子供を愛している」と僕は望むと

訳出にあたり考えたこと


クリスマス前後だと、ファンであることも手伝って、ついついうっかりジョン・レノンのハッピークリスマスを選出しそうになりました。

ただ、「君が望めば戦争は終わる」という優しい警告(忠告)はロシアに通じそうもありません。

ジョンが呼びかけた、リスナーとしての兵士一人ひとりの良心的兵役拒否では、事態収拾に全く間に合わない規模まで拡がって久しいわけで。

他方、この直球で「ロシア人」と銘打った曲に出てくる、モロ冷戦期という単語(例えば、フルシチョフとかレーガンという、米ソ両陣営の指導者の名前)を、ソ連崩壊後のロシアを率いるプーチン大統領や西側指導者らへと置き換えても通用してしまうこと自体を捉えて、両陣営巻き込んだ、人類の恥とか汚点と取り扱うべきじゃないのかなあと。

一応、変形だとはいえ、ロシア正教会はキリスト教の一派なわけでしょう。

博愛主義が侵攻するのかい?っていう。
「かつてそうでした、今はしません」というのが文明国なんでは。
21世紀ですよ今は。

受けて立つウクライナも、クリスチャン世界ですよね(複雑化していて、少数派は居るとしても)。

それを代理戦争よろしく「支援」する諸外国も、クリスチャン世界では?

キリスト教道徳は世界中を仕切っていますよね。なのに制御できないと。

日米同盟で引っ張られているけど、日本は例外的。

兵器や借り入れの保証人までしてあげているけど、イマイチ感謝はされてないかもしれません(汗)。まあ、感謝がないと引き上げる支援ってなんだよとも言えますが…。

80年代の名曲で、2023年の師走に皮肉なアナロジーするのもここまで。

ウクライナ問題も、パレスチナ問題も、一刻も早い解決を望みます。


ご参考

政府が配っているものです。


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