他人(ひと)は君より秀でた面を必ず1つは持っている。逆もまた真実。
1.おひさしぶり御年三十の自分
みなさまどうも。”フカンして・みると”です。
初めての方は、はじめまして。初めてじゃない方は、こんにちは。
今回は「#仕事のコツ」にちなんだ記事を書こうと思いました。
ただし、すぐに役立つ実務というよりか、視点、考え方、マインドセットといった方向からアプローチを試みていきます。
さてタイトルは、生意気盛りだった若手の頃、当時の上司から言われた内容を自分なりに捉えなおした言葉です。
ちょうど30歳超えたあたり。
下積み仕事はすでにバリバリこなせるようになり、周囲からも注目されるようになって、後輩への指導も鬼厳しく、上司への意見上申が通ることもだんだん増えてきました。
地方上がりの遅れて上京してきた、ドラフト下位のような立場から、一気に一軍ベンチ入りの注目候補へと覚醒しはじめた頃でもありました。
ですが一皮むけば、生まれた自信もまだ柔らかい。
確固たるものなどなくて、とにかくなにかと気張っていた。
今からすれば痛々しくもあり、しかし真剣なエネルギーに満ちてもいた、まるで諸刃の刃的な時期にあった自分。
うん。いま書きながらも、ちょっと懐かしさと、ほろ苦さありますね。
そんな微妙なお年頃。
当時の上司。チームの統括リーダーから言われた内容を思い出します。
2.当時の上司の言葉とアホな自分
ちょっと長ゼリフですが、読んでみてください。
これが物語ならば、それで目からウロコで反省して、
当時の私の態度も一変するのでしょうけど。
頭がいいアホとつねづね定評がある私のしかも痛々しい時代だったので、
「このおっさん何言ってんだろ。」というモノローグ。<オイ、自分!
涙もろくなった中年以降なら、号泣していたかもしれないセリフですけどね。いやー、これがなかなか響かない。若さゆえ?<オイ、自分!
確かに上司の事前の見立て通り、その時の私にはちいとも伝わらない感でしたが。。。
でも、ちゃんと覚えてましたねー。
きっちり一言一句まで正確かは分かりませんが。
いや、なんかですね。
いつもニコニコ笑っている温厚な人だったんですけど。
珍しく真剣な表情でマンツーマンで語られたんで覚えていたというか。
次の部分が特に印象深かった。
言葉もそうですが、トーンがあまりに力強かったもので。
必ずとか、事実であり真実とか、絶対にそう、とか言いきれますか?
君が見る目がないのは未熟だからだ、と上司に断言されたり。
なかなか、ないのでは?
最近であれば、ハラスメントを心配してそもそも上司が言えないかも?
で、その時は、ふーんと聞き流して・・しばらくしたらやっぱり忘れていました。<ってオイ、自分!
それでも、しっかり記憶のどこかに刻み込まれていたんでしょうね。
いつしか思い出していました。
必要になった時にちゃんと思い出せたか、までは自信ありませんけど。
マネージャーになった時に、ふと思い出していましたね。
そして
同世代となった自分はこれだけの言葉を伝えることができるだろうか?
そのように自問自答します。
3.これも一つのマインドセット
それで、タイトルですけど。
「他人(ひと)は君より秀でた面を必ず1つは持っている。
逆もまた真実。」
これは、上司からもらった言葉を、自分なりに捉えなおした言葉です。
前半はだいたいそのままですね。
「逆もまた真実。」とは、他人は君より劣った面がある?
いやいや、そっちの方向に解釈してはいけません。
自分も他人より秀でた面が必ず1つ以上ある。これは真実です。
言葉遊びのように感じるかも。
だけど、他人を見下すことで自分を上げる必要性は特にないです。
自分を卑下する必要もないわけです。
あなたの目の前にいるその人は、あなたよりも秀でた面を必ず一つ以上持っている。
そして、自分もその人より秀でた面を必ず一つ以上持っている。
それが一切ないように見えるのなら、それは何らかの要因でお互い見つけられていないだけ。
そこらへん、なにかちょっとしたヒントが見え隠れしている気がします。
イメージする力というか。
マインドセットとして捉えてみたらどうでしょう?
実際、すべてに優れる人はおらず、その逆にすべてに劣る人もいないのは、論理的に”真”なわけで。
そういう私自身がまさに典型的で、得意と不得意の振れ幅がどちらも人が驚くほど並外れています。
たまたまデスクワーカーとして、ほぼ適性に恵まれてカバーできているだけなので。
そのあたり個人個人のミクロな皮膚感覚というか、ボトムアップな実感というのはあるはず。逆にもしもないなら、それは人としての生きた実感を働く中で見失っているのかも。
それでは、まるでマシーン化しています。そういう人ほど、イメージする力の捉えなおし、マインドセットはあってよい気もしますね。
4.マクロ概念とミクロ実感の交流
多様性。包摂。
大きな概念からのトップダウンな因数分解的展開で、ごく正しいもの。
・・・そこにお互いの実感が伴うなら。
でも、そうでない場合はどうでしょうか?
それは自分が、相手が、未熟だから?そうかもしれない。
体系的知識とそれに裏付けられた実践経験も。
見つける工夫は引き続き必要で、要は得意分野や特性がそれぞれに異なるだけ。
その関係性を築くためには、トップダウンな概念とボトムアップな実感とをうまくかみ合わせ、結合させる丁寧な環境整備作業が必要になります。
働く環境の構成がどうなっているのかは大きいです。
それで適材適所や役割分担が機能するなら、理想形と言えます。
ただし、それには時期や場面や角度を変えたり、なにかきっかけがないと難しいのも一方で事実です。
なかなかそういう余裕も昨今少ないでしょう。
互いに環境の再構築を丁寧に積み上げなおす余力があるという発想にはなかなかなりにくいですよね? 世知辛し。
いきなり日本社会というと単位が大きくて、個人の実感が乏しくなりがちですが、そこは政治やコミュニティとして考えていく領域があり、それは別のテーマとして、ここではさておきます。
働く当事者としての実感として、身近なところで影響の大きい環境要因は、例えば、所属するマネージャーの価値観と能力であると言い切ってもよいくらいでしょう。
そこに左右される影響力は、マネージャー自身が自覚しているよりも存外に大きかったりします。
マネージャーが変わると、こんなにも違うのかと、その時になって部下も驚いて実感したりしますよね。
往々にして悪いほうに?いや、良いほうにも。
例えば、そのマネージャー自身が、マクロな多様性概念も研修で聞いたけど、実はピンときていないうえに、長年の間に感覚が摩耗してしまって、ミクロな感覚であるはずの「他人(ひと)は君より秀でた面を必ず1つは持っている。逆もまた真実。」もピンとこなくなっていたら?
こうなっては、もはや、どうもこうもないでしょう。
その感覚”センス”を取り戻さない限り、どれだけ知識や経験があってもどうにも手の施しようがないと言っていいくらいです。<言い過ぎ?
その逆に、マクロな概念とミクロな実感をマネジメントやリーダーシップの実践できる者がいたら、それは得難い価値判断と対応能力であり、環境構築に多大な貢献をなしうるでしょう。
それこそ、「他人(ひと)は君より秀でた面を必ず1つは持っている。逆もまた真実。」を体現している、といえるのではないでしょうか?
(了)
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