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雨も赤旗も止められなかったフェルスタッペン9連勝——オランダGP
フェルスタッペンが母国オランダで3年連続優勝を飾った。シーズン11勝目で、連勝もF1記録に並ぶ「9」に伸ばした。レース1周目の雨も、サージェントのクラッシュによるセーフティーカー(SC)も、終盤の豪雨による赤旗も、フェルスタッペンを阻むことはできなかった。
チームとドライバーの冷静さを思い知る一戦レッドブルのチーム力と、フェルスタッペンの冷静さを思い知る一戦だった。
1周目の後半に突然の雨が降
ペレス、タイトル争いの権利を取り戻す今季2勝目——アゼルバイジャンGP
ペレスが得意の市街地コースで今季2勝目を挙げた。土曜日のスプリントの勝利と合わせて33点を稼ぎ、チームメイトでランキング首位のフェルスタッペンとの点差を「6」に縮めた。前戦オーストラリアの予選クラッシュで失いかけた王座争いの権利を、自力で取り戻した格好だ。
ペレス、終盤にかけてじりじり差を広げるレースはポールポジションのルクレールが1コーナーを制するが、4周目にフェルスタッペン、6周目にペレスに
赤旗3回の大混乱。運営を巡り物議を醸すレースに——オーストラリアGP
フェルスタッペン一閃の首位奪還も、メルセデス2台の健闘も、ハミルトンとアロンソのつばぜり合いも、余韻はすべて吹き飛んだ。今回のレースはF1史上最多となった3回の赤旗と、運営側の判断が物議を醸した1戦として記憶に残るのだろう。
メルセデス、一時は1-2の大健闘スタートでPPのフェルスタッペンの加速が若干遅れる。2番グリッドのラッセルが勢いよく飛び出し、3番グリッドのハミルトンも3コーナーでフェルス
ペレスとフェルスタッペンのタイムバトルにしびれた!——サウジアラビアGP
ペレスが5秒後方から追い上げるフェルスタッペンとの壮絶なタイムバトルを制し、ポールトゥウィンで今季初勝利を挙げた。直接マシンが交わるバトルではないものの、チームメイト同士のこれだけ熾烈なファステストラップの応酬は近年で記憶にない。久しぶりにいいものを見たと感じた。
2番グリッドのアロンソが好スタートを決めてペレスの前に出たが、4周目にペレスが首位を奪回した。予選のトラブルで15番グリッドからスタ
まさに「SHO TIME」!——WBC決勝、日本が悲願の王座奪回
(※野球は決して詳しくありませんが、個人の感想としてまとめます)
まさに「SHO TIME(ショータイム)」。スーパースターは最後の最後で注目を全部持っていってしまう存在なのだろう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の米国戦、日本の優勝を見てそう感じた。
試合終盤の最大の注目は「大谷は本当にリリーフ登板するのだろうか?」ということだった。6回あたりから、大谷はブルペンとベンチを行
早くも「ワンチーム」になったアロンソとアストンマーチン
開幕戦で最大の衝撃はアロンソの3位表彰台だった。上位が潰れたタナボタではなく、メルセデス勢2台とサインツをコース上で豪快にオーバーテイクしたうえでのポディウム登壇で、第2戦以降の表彰台も十分に期待できるレース内容だった。
アロンソの的確なライン取り、相手のタイヤの状態を見据えたうえでの緩急をつけたペース配分はあちこちで言及されているので、F1公式映像や各ツイートへのリンクを掲載しておきたい。
最後まで戦い抜いたドライバーの大団円——アブダビGP
フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンの完勝で、自身の持つ年間最多勝記録を「15」に伸ばした。焦点となったドライバーズランキング2位争いはルクレールがハードタイヤで58周レースの後半37周を走り切り、2ストップ作戦を採ったペレスの追い上げを際どく阻止した。メルセデスは振るわずチームランキング3位にとどまり、ハミルトンはキャリア初の年間勝利ゼロに。ベッテルは作戦ミスにより苦しい戦いを強いられたが、引
もっとみる「偉大な挑戦者」 ベッテルの引退レースに、幸あれ。
ついにベッテルが引退レースを迎える。「偉大な挑戦者」として戦い続けたベッテルにふさわしい舞台となるよう、心から願っている。
私にとってのベッテルは、4冠を達成したレッドブル時代よりも、最強メルセデスに挑みかかったフェラーリ時代の人間臭さが心に残っている。ときにミスで自滅し、ときに感情を高ぶらせ、チームとの人間関係に悩みながらも、劇的なレースで勝利をもぎ取る。そんな「挑戦者」としての姿が印象深い。
ラッセル初優勝の陰で、仁義なきチームメイト関係に揺れたサンパウロGP
ラッセルが前日のスプリントに続く速さを見せ、グリッド先頭からのトップチェッカーでF1初優勝を決めた。ハミルトンも2位に入り、メルセデスは今季初勝利を1-2で飾った。一方、レッドブル、フェラーリはドライバーズランキング2位を巡ってチーム内でひと悶着あり、今後のドライバー関係に不安をのぞかせるレースとなった。
スプリントで判明した3つの「ネタバレ」以前書いた通り、口の悪いF1ファンは昨年導入されたス
ラッセル、混戦のスプリントを制す!——サンパウロGP
ラッセルがフェルスタッペンとの好バトルを制して、サンパウロGP土曜スプリントの勝利を挙げた。本戦の優勝ではないものの、ラッセルの実力とメルセデスの復活を示す結果。3位のハミルトンがチームメイトを称える笑顔もすがすがしく、彼もずいぶん丸くなったと思った。2位サインツのグリッド降格のため、日曜日の決勝はこの2台が1-2でスタートする。
大番狂わせのマグヌッセンの初ポールと、宴会芸と化したフェラーリの
シルバーアロー復活の芽を摘んだレッドブルのタイヤ戦略——メキシコシティGP
フェルスタッペンが完勝し、シーズン最多記録を更新する14勝を達成した。メルセデスは序盤にハミルトンとラッセルがレッドブル勢に食い下がったが、レース中盤のハードタイヤ装着が足を引っ張り優勝の目を逃した。フェラーリは主役どころか脇役にもなれず、戦力低下が深刻に。ペレスは地元で3位表彰台に入り満員の観衆を沸かせたが、さらに上の順位もあり得ただけにやや残念な結果だった。
レッドブルに迫るも、ハードタイヤ
格の違いを見せつけた王者たちと、林檎の国の主の来訪(前編)——F1アメリカGP
4人の王者が躍動し、格の違いを見せつけた。フェルスタッペンはタイヤ交換のトラブルをものともせず追撃にかかり、ハミルトンはシーズン初勝利のチャンスに奮起し、アロンソは中盤のクラッシュを乗り越え、ベッテルも最終周まで闘志を貫いた。逆境にも決して諦めない王者の風格を感じたレースだった。そして、ゴールを見守る「意外な王者」の存在も、来年以降のF1シーンにどう影響するか思いが巡るアメリカGPとなった。
新
ずぶぬれでレース再開を待った2時間と、舞台裏での重機問題——日本GP観戦記②
10月7~9日の日本GPを現地で観戦した。またも論評っぽくなってしまうが、観戦記第2弾は2時間に及ぶ赤旗中断と、コース上の作業用重機が危険を招いた問題について考えたい。
デグナー前で見かけたビアンキ追悼の花束8日の予選前にダンロップコーナーからデグナーカーブへ向かうとき、通路脇に手向けられた花束を見かけた。2014年日本GPのダンロップ外側の大クラッシュで脳に重傷を負い、翌年亡くなったビアンキの